塩嶺トンネルの開通によって旧線となってしまった中央本線の辰野経由のルートは、建設に尽力した代議士、伊藤大八にちなんで、「大八回り」という別名がつけられている。

 岡谷から大八回りで最初に到着するのが川岸であり、緑色に塗られたトタン屋根の木造駅舎の入口には立派な車寄せが設けられ、渡り廊下のような通路から木造の跨線橋を渡って島式ホームに出る駅構内は、令和になりながらも未だに昭和の風景が残る風景となっている。

 駅裏には天竜川が流れており、名前の通り川の岸辺に駅がある。渓谷を激しく流れる暴れ川のイメージを持つ天竜川も、川岸の駅近くは平地に位置しているせいか、ごく一般的な川といった様相を呈している。

 今では普通列車しか来なくなって、ローカル路線に転じてしまった中央本線の大八回り。だが停車する電車のほとんどが飯田線に乗り入れるため、本数もそれなりに設定されている。

                                                        (2020.10.23)

川岸は木造駅舎だけでなく、木造の跨線橋も残る、昭和の駅構内といった趣だ。


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駅の裏手には天竜川が流れており、正に川岸の駅である。
駅入口に立派な車止めが付けられた木造駅舎が残る駅、川岸
Kawagishi
島式ホーム上にあった待合室は老朽化のために取り壊され、新しい待合室に建て替え予定である。
川岸