今や旭川市の代表的な観光スポットとなった旭山動物園に最も近い駅はこの北日ノ出である。しかしながら元々は水田地帯の散村地域にポツンと造られた仮乗降場からの昇格駅は今でも一部の普通列車が通過され、旭川方面からやって来る列車が初めて停車するのが14時過ぎ、動物園に一番近いとは言っても駅から2キロほど離れていながらバス便が無いため、当然最寄り駅としての機能がなく、動物園に行く場合は旭川からバスで行くのが最も効果的なのが現状である。
コンクリート板を何枚も敷き詰めた簡素なホームと離れにブロック塀造りの待合室という組み合わせの北日ノ出、待合室の中に入ってみると、昭和を感じるレトロ調の文字が書かれたベンチに使い古された座布団が地元の有志によって寄贈されている。また北海道の無人駅ではお馴染の駅ノートも設置されていて、この駅を訪問した人の書き込みが少なくない。中にはここから旭山動物園まで歩いて向かっていくという人もいたようだ。
駅の北側は水田地帯が広がるが、南側は工業団地が立地している。ただ物流系の企業が中心のため、駅前にある道路は以外にも多くの車が素通りしていく。
工業団地を抜けてバス通りに出れば動物園および旭川の市街地へ向かうバスが定期的に通過する、だが北日ノ出に停車する列車に合わせて乗れば実はバスより安いというのがちょっとした裏事情であり、実際にここまで歩いて列車に乗り込む地元の方を見た。駅周辺の土地利用次第では存在価値の可能性はある駅だと思う。
(2015.6.15)