函館本線にある北豊津は国鉄時代は旅客も取り扱う信号場だった経緯があり、国鉄が分割民営化される前日の昭和62(1987)年3月31日に正式な駅として昇格された。ここは単線と複線が切り替わる所なので今でも信号場としての役割を担っている。
駅のすぐそばには民家が1軒で遠方には1軒か2軒程度の建物しかない。駅舎の前の低木の間の砂利道を行くと国道5号線に出られるが国道に出るまで徒歩で5分くらいかかる上、低木の木々を抜けると何もない原野が広がっていて心理的に長い距離を歩いている錯覚を起こす。そんな国道と北豊津の駅へ行く道との交差点の所には駅の入口を教えてくれる表示板とバス停があり、バス停の方は「北豊津信号場前」となっている。
駅舎はあることはあるが建物の8割方は作業員の休憩所となっており、待合室は写真から向かって左側の扉で、幅は扉から駅舎の左端、奥行きは側方の窓辺りまでで狭い。そんな待合室で列車を待っているとテレビの音や作業員の話し声が聞こえてくる。駅舎の大きさの割に待合室が狭いのはよっぽど利用者がいないのであろう。
(2004.3.1)