昆布盛は静かな林の中に囲まれたホームだけの駅で、離れにはプレハブ風の待合室が設けられている。1日に5往復しか停車しない駅だが、休日や学校の休校日には朝の根室行きの列車が1本運休してしまうので比較的到達が困難な駅と言っても過言ではないであろう。
駅の向かいには道道が通っておりこの道路の遠方を見渡しても何も見えず、車が高速で通過していってしまう。だが昆布盛の駅を降りて左に曲がり道路を歩くと2〜3分くらいで林を抜ける。林の出口が見え始める頃には潮の香りがし始め神社や公民館を通り過ぎると漁港を控えた昆布盛の集落がお目見えする。
この昆布盛の集落は切り立った崖やその丘の上には高い木々ではなく、ほとんどが草に覆われている。その景色はまさに北海道の東の果ての方に来たと言う実感が湧いた。
昆布盛の駅に戻るとホームの入口に小さな花壇があるのを発見した。地元の人がこしらえた物だと思われるが中にはこの駅の利用者が列車が来る前に花壇の手入れを行っており、このような小さな駅でも非常に愛らしい光景があるんだなと思った。
(2003.7.4)