北陸本線の列車が石川県と富山県の県境を越える時に通る倶利伽羅越えの途中にある駅が倶利伽羅で、北陸本線では石川県最後の駅である。長い島式のホームと駅舎は少し離れていて跨線橋を渡ることになるが、これは線路を新線に切り替えた影響だと言う。
峠の近くなので何もなさそうなイメージがあるかも知れないが駅前には小さな商店、坂を下って県道に出ると小学校やコンビニも存在し、駅の裏手の高台には国道8号線のパイパスが通っている。
倶利伽羅と言えば源平の合戦の地で木曽義仲が牛の角に松明をつけて牛を突撃させ、敵軍を地獄谷に突き落とし平家凋落のきっかけとなった、いわゆる「火牛の計」が最も有名である。その合戦の地となった倶利伽羅峠は駅から3キロと少し離れている。
石川県の県庁所在地である金沢から電車で約20分という立地のため、駅利用者用の駐車場も設置されている。そんな駐車場の利用上の注意書きの看板にも「火牛の計」の牛のイラストが用いられている。
北陸本線は特急だけでなく貨物列車も頻繁に通過する路線の為、駅に列車が近づいてくるときに軽快なメロディーで注意を促している。誰もいないホームで列車の通過時に鳴り響くメロディーはどこか虚しく感じた。
(2005.3.14)