鳴門線にある教会前。駅名からして、駅の真ん前に屋根に十字架がついた瀟洒な建物があるというイメージが大半を占めるかも知れない。

 しかし駅の出入口から延びる一本道の先には瓦葺で入母屋造りの屋根が印象的な寺社風の建物がどっしりと構えている。

 駅名となった教会とは天理教の撫養大教会に由来するもので、大正時代に阿波電気軌道時代だった頃、天理教前停留場として開業した歴史のある駅だ。

 天理教といえば、天理へ行くときに信者向けの団参券があるほど、JRにとっては大切な大口顧客。棒線駅の小さな無人駅である教会前からは道一本で行けるだけでなく、入口の階段とは別にバリアフリー向けのスロープも設けられていて、JRと天理教の関係性が保たれている印象を受ける。

 今も教会へのアクセス駅として利用されているようだが、普段は広い道とは裏腹に人の姿が見当たらない、まるで時間が止まったような長閑なひと時が流れている駅である。

                                                            (2022.9.3)

教会前の入り口。脇にバリアフリーのスロープも設けられている。
教会前のホーム。どこにでもある棒線駅だ。
Kyokaime
鳴門線の教会前。駅名の通り、まっすぐ進むだけで天理教の教会にたどり着ける。


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教会前