駅舎の屋根が緑色で、駅前の広場の路面も緑色と駅名の通り緑色を特に意識した駅、緑。元々は上札弦という駅名だったが「まわりが緑に囲まれている」という理由で今の駅名になった経緯がある。
ホームは上下線がずれている千鳥式だが、緑〜川湯温泉間の駅間距離は線内最長の14.5キロで、その間には釧網本線唯一のトンネルで釧路支庁と網走支庁の境界線にもなっている釧北トンネルが存在するほどの難所でもある。
緑はそんな支庁の境界駅にもなっていて、実際にこの駅で折り返す列車もある。緑〜川湯温泉間に限って言えば定期列車で1日4往復と言う少なさである。
駅周辺には多くの民家が建ち並んでおり秘境と言う雰囲気は全くない。緑の駅から歩いて2分くらいの所に立ち寄りの温泉施設、「緑の湯」があり、内風呂と露天風呂が造られてお湯も適度な温度である。どちらかと言うとこの「緑の湯」は地元の人の憩いの場という感じがした。
流氷のシーズンに走る「流氷ノロッコ号」の午前の便の接続をとって知床斜里を発車する「お座敷摩周号」。そんな「お座敷摩周号」で今や名物となった車内販売のおじさん、久野氏がこの緑で下車をして12時9分発の列車で知床斜里に戻って行く。久野氏は話す時の笑顔が非常に好印象な方なので流氷のシーズンはオホーツク海の景色を眺めるだけでなく、「お座敷摩周号」といった臨時列車に乗ってみるのも一つの楽しい列車旅だと言える。
(2004.2.29)