武蔵白石の駅名の白石とは日本鋼管(NKK)の創立者、白石元治郎から来たものである。かつては鶴見線の大川支線の始発駅で大川方面への専用ホームがあったが現在ではそのホームは跡形もなく撤去されており、いち中間駅にすぎない。
なぜ武蔵白石から大川方面へのホームが撤去されたかというと、ホームがあった頃は現在の鶴見線の103系の3両編成の電車ではカーブが曲がれず、103系の電車より少し小さめのクモハ12言う一両編成の旧型国電しか通れなかった。(
クモハ12写真館を参照)
元々大正時代に貨物輸送が目的で造られた鉄道だっただけに車両も小さめで済んだだろうが次第に通勤路線になっていくうちに車両が大きくなった上、クモハ12には冷房がなく、修理で交換する部品がなくなり、平成8(1996)年3月に引退をし、103系の電車を通すために武蔵白石のホームを撤去することになり、鶴見線内の駅舎は時代の波を全然受けていないが車両は時代の波を受けてしまっている。
この駅のそばには日本鋳造と言う工場があり、そこの工場へ行く専用の踏切があるが、実はその踏切は工場の守衛さんが電車が来るたびに踏切の遮断棒を下ろすという何とも昔ながらの風情を少し感じてしまう駅である。
(2002.4.19)