時刻表を見るとJRの境界駅の中に必ず登場するのがこの津軽線の中小国である。境界駅というと「電車の乗換えにとってかなり重要な駅」というイメージが付いてしまいがちであるが、中小国は農地に囲まれたホーム1本だけの駅で、境界駅としては最北である。
海峡線の起点駅はこの中小国であるにもかかわらず、海峡線の電車はすべて通過してしまい、停車するのは津軽線の気動車のみで1日に5往復しか本数がない。それでもJR北海道とまたがって乗る時とか周遊きっぷの乗り越しの時の運賃計算は必ずこの駅を起点にして計算されてしまう。
海峡線と津軽線の運転上の要所は中小国ではなく、隣の蟹田になる。実は津軽線と海峡線の分岐点は中小国から少し函館寄りにある新中小国信号場であり、単線の津軽線から線路が分岐し複線になってそれぞれ分かれていくのである。だが信号場は正式には駅と言う扱いがされないため、新中小国信号場の手前にある中小国が海峡線の起点駅になり、JRの境界駅となってしまったのである。
特急電車はこの駅を高速で通過してしまうため、この駅を一目見ようと思ったら蟹田や津軽今別の駅を過ぎた辺りからじっと構えるようにして車窓を眺めないと見る事ができない。見れたとしても待合室が一瞬通り過ぎた程度と言うくらいの小さな駅である。
ちなみに「白鳥」や「スーパー白鳥」の車窓からどうしても中小国の駅が見たかったら、青森からの場合は蟹田を通過して進行方向左手、函館からの場合は
津軽今別を通過して進行方向右手から眺めると中小国の駅を見る事ができる。
(2002.11.12)