行川アイランドはかつてフラミンゴのショーで有名だったレジャーランド、行川アイランドの下車駅として開業をしたが長引く不況のあおりで平成13(2001)年の8月末で行川アイランドが閉園。駅入口のきっぷ売り場もシャッターが閉められ、トイレも閉鎖され、駅前の南洋の樹も手入れする人がいない今となっては葉っぱが枯れかけていて寂しさが否めない。
写真では行川アイランドが閉園された様には見えないが、駐車場は閉鎖されており車を止めることのできない駐車場はがらんとしており敷地をいたずらに持て余している感じがする。
そんな行川アイランドのホームの名所案内板に「おせんころがし」という名前が目につく。行ってみると地蔵尊があり、その先にはサスペンスドラマの犯人が明らかになる場面で使われそうな殺伐とした断崖がある。「おせんころがし」の元となったのは悲運な最期を遂げた孝行娘のお仙にちなんだものである。漁に出て遭難した父を想い、浜から父の名を呼び続けて息絶えた・・・。強欲な父を改心させようとして自害した・・・。草取りをしていたら突風にあおられて崖から転落したなどといった様々な諸説が存在するが、「おせんころがし」の所にある伝説は豪族の娘であるお仙は領民から年貢をとり上げる強欲な父に心を痛め、年貢を軽くするようにと父に頼んだが聞き入れなかった。ある日、領民が父の殺害の機会をうかがっている事を知ったお仙は父の身代わりとなって領民に断崖から夜の海に投げ込まれてしまう。明くる朝、海に投げ込んだ人物がお仙だった事を知った領民は大きなショックを受け、わびを入れる形で地蔵尊を建立し供養をした・・・という説を掲示している。
「おせんころがし」の話を知ると行川アイランドの閉園と駅の周りの風景と合い重なって何か物哀しくなってしまう。駅前の周辺案内図にも未だにフラミンゴが描かれているのを見ると閉園された後のフラミンゴはどうなってしまったのか気になって仕方がなかった。
(2004.6.8)