北緯31度11分、日本最南端の駅として有名な西大山だがこの日本最南端の駅の座を奪われる時間が刻一刻と近づいている。

 それは平成15年夏に沖縄を走るモノレール(通称ゆいレール)が開通すると日本最南端の駅ではなく、JR最南端の駅になってしまうのだ。ホームの端っこには「日本最南端の駅」の標柱が立っているが今後どうなってしまうのかが注目される。

 西大山の駅は片面のホームで少しの雨よけにベンチがあるだけの実に質素な駅で、指宿枕崎線の山川〜枕崎間の無人駅ではほとんどのホームがこの様なタイプである。

 この駅のもう一つのウリといえば「薩摩富士」の異名を持つ開聞岳の美しい姿を見ることができる。この日はあいにくの雨模様でかなり雲がかかってしまったが、天気の良い日は絶景である。

 駅の周囲は工場が1軒とあとは畑と民家からは若干離れていて駅が少々孤立した感がある。また本数が少ない路線の為、車による訪問といった感じの人が多い。駅の入口には花壇が造られていてこの時はまだ小さな花だったが日が経つにつれて大きなつぼみになるときっときれいなんだろうなと想像をしてしまった。

 私が西大山を訪問した日は強い風雨で枕崎行きの列車は徐行運転を行っていた。私がこの駅に下車するとき、運転士さんは「降りるんですか?」と聞かれてしまった。もちろんホームの上では濡れてしまうので駐輪場で雨宿りをしていた。

 この日、本当は指宿枕崎線の駅をいくつか訪問してみたいと思ったのだが雨で面倒になってしまったので枕崎のみの訪問にしようと決めてしまった。枕崎行きの発車時刻の14:35になっても一向に列車がやって来る気配がない。じっと待っていたら遅れること15分、ようやく枕崎行きの列車がやって来た。枕崎はただでさえ停車時間が短いので、遅れた時間を取り戻して欲しかったのだが悪天候に弱い地方のローカル線では時間を取り戻せる由もなかった。

                                                             (2003.6.17)
西大山のホーム
西大山の駅と開聞岳


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Nishi-Oyama
最南端の表示付きの西大山の駅名標
西大山のホームの先端にある日本最南端の駅の碑
西大山