小田栄は2016年の春のダイヤ改正の日に開業した南武線浜川崎支線に造られた駅である。本数が少なく、都会のローカル線色が強い浜川崎支線ではあるが、沿線は基本的に住宅地の中を走る。とりわけ駅名となった川崎市の小田栄地区は人口が増加しているのを踏まえた上で建設されたものである。
踏切を挟んで上下線にずれたホームを持つちょっと特殊な構造の駅で、構想時から無人駅として設計されていたせいか、低コストで早急に造ったといった印象である。
新駅構想時には駅を造っても日中は30~40分おきにしか電車が来ない路線に利用者がいるのかという声もあったようだが、住宅地に面し駅の踏切のすぐそばにコンビニがあり、徒歩1~2分の所に、かつては廃校になった高校の旧校舎の解体で揉めた場所にホームセンターが出来ているなど、駅前通りは人も車もよく通って賑やかだ。
駅利用に関しては、尻手方面は電車の時間が近づくと人が集まってくる反面、反対側の方は次が京浜工業地帯を控えた終点、
浜川崎。基本的には降りる客が中心で、電車のない時間帯は人がいなくてがらんとしている。
小田栄の尻手方面の入口の真ん前にあるバス停は川崎駅行きで川崎に行くにはバスに乗ればいいとか、小田栄地区の住民が尻手方面の電車に乗るには、わざわざ踏切を渡らなければならないという、構造上のトラブルがあるようで、改善する点は多いかも知れないが、現在浜川崎支線の中間駅で最も利用者が多いと感じたのがこの小田栄なので、駅設置に関しては成功したと言える。
(2016.5.15)