JRでいちばん標高の高い所を走り、高原列車の異名を持つ小海線。佐久広瀬は標高が1073メートルでJR線では5番目の高さに位置する駅だが簡易委託をのぞく完全な無人駅としてはJRの中で最高所の駅である。
行政区分はJRでいちばん高い所に駅がある野辺山と同じ南牧村だがそれでも野辺山の駅の標高が1345.67メートル、JRの最高地点は1375メートルなので同じ村で標高差が300メートルもある。実際に佐久広瀬の駅や広瀬の集落は山間の谷間にあり高原列車のイメージから大分離れてしまった感じである。
駅は千曲川沿いにあり背後には河岸段丘の地形を利用した田んぼがあり、駅からは民家が数軒見える程度で見た感じでは利用者がいるのかと思ってしまうような駅だが広瀬の集落は上の写真では駅名標の上にある南牧村の交流促進センターの建物の横にある道路の向こう側、鉄路で言うとトンネルの向こう側に多くの民家が存在する。
私は過去に佐久平をのぞく小海線の全ての駅を下車した経験があるので車での訪問となったが、この駅は国道141号線から村道に入る事になり、この村道は狭く、曲がりくねっていてその上に急な坂道もあり、冬場は一部路面が凍結している。車で行く場合は必ずロードマップを持参する事と車を停めるスペースがないので出来るだけ短時間で撮影を済ませることをお勧めします。
小海線が出来る前の広瀬の住民は相当苦しい生活を営んでいた事が今回の車での訪問で想像してしまうほどだった。おそらく自家用車がない時代は鉄道が大変重宝がられていたのであろう。
(2003.2.7)