短い片面ホームの離れにブロック塀造りの待合室を持つ将軍山は、仮乗降場から昇格した無人駅である。駅の目の前にある小高い山が駅名の由来となった将軍山であり、かつての北海道長官で屯田兵司令官だった永山武四郎がこの山に登って周囲を展望したことから、その名が付けられ、山頂には彼が展望したという石碑も立っている。
待合室の中は砂利敷きで木製のベンチの他に、なぜか古びたソファーや車のシートもある。これらはむしろ粗大ゴミを処分する代わりに有効活用するべく置いて行ったというイメージが強く感じられる。
将軍山の駅周辺は上川盆地の北東部に位置していて、農地の中に民家がまばらに点在する散村地帯となっている。しかしそのような立地の影響で、将軍山を利用している人が皆無に近く、廃止が検討されている駅の一つに挙げられている。
将軍山に1日に停車する列車は上下線合わせて10本程度しかなく、普通列車でも通過してしまう便も多い。停車する時間帯は主に旭川の学校へ行く学生の登下校時刻に合わせたものであるが、私が滞在している間は乗降客はおろか、駅にやって来る人は一人もいないという状況だった。
(2020.2.26)