現在の白滝シリーズの中で、最も駅周辺人口が希薄で秘境度が高いと思えるのが下白滝である。というのも確実に人がいると分かるのが駅のまん前にある牧場のみで、裏は畑。国道沿いにも他に民家が見当たらないからだ。

 駅に降りて、砂利道の駅前通りを歩いて行くと、牧場で放し飼いにされている犬が一斉に近づいてくる。犬が苦手な人にとっては下車をすすめることができないかもしれないが、そんな光景はほんの2〜3分くらいで終わってしまう。

 牧場の犬たちは、ただ単に新しくやって来た人に興味を感じているだけで、飽きちゃえば離れて元の日常の生活に戻ってしまう。実際に何度か駅前通りを歩いてみたら、まったく目もくれていなかった。

 停車する列車は、下りが朝1本、上りが午後3本という典型的な通学ダイヤとなっていて、次の列車を待っている間に下りの普通列車が通過され、特快「きたみ」が客扱いをしない運転停車をするなど、旅客駅としては冷遇されてしまっている駅の一つという印象を受けた。

 ここから白滝方面の離れた国道沿いに白滝村の由来となった発祥の記念碑がある。見晴らし台から線路を挟んだ先に湧別川が流れていて、そこに滝がある。その滝の水しぶきや岩肌が白かったことに由来するものである。下白滝の駅からは若干離れているが、隣の旧白滝までは国道を歩く人が多いと思うので簡単に見つかると思う。

 レベルの高い無人駅が連続していた白滝村だが、平成の大合併の波には勝てず、2005年に遠軽町に編入されて村は過去のものとなった。さらには高速道路も完成した今、国道を走る車もそれほど見当たらなかった。いつかは白滝という村名は風化してしまう、そんな気がしてならなかった。

                                                          (2014.9.8)

下白滝の駅前の道路
下白滝の駅舎
Shimo-shirataki
下白滝
下白滝のホーム
下白滝の駅名標


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