無人化された信濃境だが、木造の駅舎は健在だ。
信濃境の駅舎。ドラマ「青い鳥」の清澄駅のロケ地に使われた駅である。
Shinano-Sakai
信濃境を通過する特急あずさ
信濃境の駅舎内の待合室に展示されている「青い鳥」のカット。トヨエツがかっこいい
信濃境の近くに縄文時代の遺跡があるため、土器のオブジェや写真が駅舎内に展示されている。
信濃境の改札口。木造の駅名板がいい味を出している。
信濃境


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 小淵沢から小海線の線路が大きくカーブして分岐した直後に甲六川という小さな川を渡って長野県に入って最初に到着する駅が、県境を象徴するような名前の駅、信濃境である。中央本線で最も標高が高く、JR管内でもトップテンに入っている冨士見が隣駅という影響を受けて、ここ信濃境の駅の標高は921メートルと高くなっている。

 木造で車寄せがついた駅舎と上りホームへ行くには昔ながらの跨線橋を渡る形の駅構内。簡易委託時代は常備券を販売している駅として切符マニアとしては、たまらない駅であったのだが、2017年に自動券売機とSuicaに対応した駅になったことに伴って、無人化された。

 縄文時代の井戸尻遺跡の最寄り駅となっているせいか、駅構内および待合室には縄文土器の展示物や写真が展示されて古い歴史のある地域ということを強調している。しかし信濃境の一番の見どころは、1997年に大ヒットしたドラマ「青い鳥」で豊川悦司が演じた主人公、柴田理森が駅員として勤務していた清澄駅のロケ地として使われたことであろう。待合室内の展示物においても、「青い鳥」関連、とりわけ駅員姿のトヨエツが印象に残る。

 「青い鳥」のロケ地になったことを受けて、信濃境には駅ノートが設置されていて、書き込みの内容は大半がドラマに思いを馳せてやって来たということだった。しかし、人気ドラマの宿命かノートを持ち帰ってしまうというという被害が度々遭っているようで、古いノートがほとんどないというのが現状だ。それでも、いつでも書き込みができるように最新のノートが設置されている所に管理人さんの心意気が感じられる。

                                                           (2017.8.12)