田原坂。国内最大にして最後の内戦である西南戦争の最大の合戦上の舞台になった場所である。私が少年時代だった頃にも西南戦争をテーマにしたドラマがあったりした事や、一部の普通列車が通過してしまうと言う無人駅を訪問する人間にとって気になって仕方がないと言う条件があったのでこの田原坂に降りてみる事にした。
田原坂の駅は山の斜面に沿うような形で造られた対抗式ホームを持つ駅であり、上りホーム側に待合室が設けられている。待合室は外観はレンガ調の建物であるが中を見ると噂には聞いていたが落書きでいっぱいで、ベンチは片隅にポツンとあるのみでそれ以外はガランとした空き家状態になっていて、これでは溜まり場になってしまうのは止むを得ないという感じだった。
それでも歴史上で有名になった地名だけあってホームには町の名所案内のような物や田原坂の合戦を物語る案内板、駅名標には熊本の代表的な民謡「田原坂」の歌詞が描かれている。
またこの駅には待合室側だけでなく下りホーム側にも駅の出入り口が存在し、県道に出る事ができる。そこには田原坂の駅入口と同時に西南戦争の田原坂の合戦場跡方面への案内の矢印が書かれている。
一部の普通列車が通過してしまう田原坂だが熊本までは約20分。朝は列車の到着時刻が近くなると学生が数名やってくる。田原坂から朝の列車に乗り込んだときは通勤、通学で車内は混雑していて田原坂の静かな雰囲気とは非常に対照的だった。
(2002.6.12)