日本三大急流のひとつである最上川が作り出した峡谷、最上峡の間を最上川と並走する陸羽西線。その川沿いの高台に造られた駅が高屋である。

 山小屋風の小ぢんまりとした待合室の真ん前に駐車場のような広場、民家は余目寄りに2軒あるのみで、秘境のムードが高い駅である。

 駅を跨いで森の中へと続く跨線橋は自然歩道となっているようで、雪で足元がおぼつかない中でちょっとだけ歩いてみたら、今は潰れてしまったスキー場の跡地が見えてきて、中には完全に倒壊した建物がそのまま放置されたままになっているのもあった。

 駅から国道へと下る坂道の入口にはバス停と渡し舟に乗る人のための小さな待合室がある。対岸には舟でしか行くことが出来ない仙人堂という歴史的な文化遺産があり、縁結びを初めとした様々なご利益があるようで、過去にも様々なメディアで取り上げられている。今では高屋の駅前広場を駐車場にして最上川観光の拠点としているが、冬はオフシーズンのせいか除雪車が1台停まっているだけでがらんとしていた。

 しかしながら駅周辺の散策から駅に戻る途中で、渡し舟の関係者と思われる人から声をかけられたので、冬でも営業しているようだ。

 高屋の駅前広場からは最上川の峡谷美が堪能することができる。秘境駅の中でも周囲の観光に特化した感じのこの駅は、川の景色を眺めるためにも降りてみる価値はある。

                                                     (2017.1.8)

                       
高屋のホーム。山側のホームを廃止して棒線駅となっている。


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高屋の駅前の駐車場から見える最上川。見事な絶景である。
高屋にある唯一の駅名標は昔ながらのものである。
高屋の駅前。渡し舟の駐車場になっているが、オフシーズンのせいかだだっ広く感じる。
Takaya
高屋