筑前山家は筑豊本線の駅であるが、停車する列車が1日に7往復と言う本線とは名ばかりのローカル線で、原田(はるだ)線という愛称が付いている。

 元々石炭の輸送で栄え、寝台列車などの優等列車もかつてはこの筑豊本線を経由していた。またこの筑前山家は冷水峠という最大25パーミルの急勾配を抱えており、蒸気機関車が冷水峠の急勾配を上る前の休憩所としての役割もこの筑前山家が果たしていた。

 だがやがて主なエネルギーが石炭から石油に変わり、石炭も安い輸入物が中心になり、優等列車も筑豊本線経由から鹿児島本線経由になり、篠栗線と言う博多へのバイパス線が出来るといった様々な要因で現在では石炭輸送の面影がなくなりつつある。また原田線も利用者が非常に少ない路線になってしまっている。

 筑前山家のホームは現在は片面のホームになっているが反対側にホームの跡と長いホームがかつての石炭全盛時代の名残がある。だが今ではホームが1両分しかかさ上げがされていないのは寂しい感じがする。

 駅舎は瓦葺きの小ぢんまりとした物になっているが、昔は木造の駅舎で焼酎のCMにも登場した事があると言う。駅前には国道200号線が通り、トラックの往来が多いが、歩道がないため国道を歩いているときにトラックが横を通った時は冷や汗物だった。

 また筑前山家の駅構内には北九州市内を走っていた路面電車が保存され、モーターなどを取り付ければきちんと走れるらしく、路面電車を買い取った方々は北九州市の路面電車の復活を切実に願っている。

 またこの駅には駅ノートが置かれているが、実はこの駅ノートは当サイトの掲示板の提案によって生まれたものである。筑前山家の駅ノートの管理人さんのHPと現在でも相互リンクを貼っているが、「駅ノートを設置しようと思っている」と掲示板で書かれていたので私が「原田線のどこかに設置するのはどう?」と返答した所、この駅に設置をして現在に至っている。

 今回私はこの筑前山家は初めての訪問だったが、たくさんの書き込みがあり、ちょっとした提案をしただけだったがなんだか非常に嬉しく誇らしく思えてしまった。この駅ののどかな田園風景と筑豊の山々の景色を一人でホームの上に立って眺めていると景色を独り占めしている気分になり、「また来よう」と心からそう感じてしまった。

                                                                  (2003.5.14)
           
筑前山家のホーム
筑前山家の駅舎
Chikuzen-Yamae


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筑前山家の構内で保存されている路面電車
筑前山家の駅名標
筑前山家