智東は冬場は営業を休止して閉ざされた駅としてファンの間では有名な駅で、「秘境駅へ行こう!」の本でも紹介された駅である。
駅舎は貨物の車掌車を使ったいわゆる貨車駅で、意外だと思われるかも知れないが宗谷本線内では最南端の貨車駅だが、ここ最近では貨車駅のペンキの塗り替えを行っていないようでボロボロに剥がれかけており無残な状態だった。
貨車駅の中には交換設備や駅舎があり、駅員も配置していた頃の智東の写真が飾られており、駅舎があったホームは今のホームから稚内寄りに進んだ所なのだが現在は何も残されていない。
かつて智東もきちんとした集落を形成していた様だが、過疎化の影響で住民が智東を離れて行き、最後に残ったのが智東駅長とその家族という状態にまでなったが、昭和59(1984)年に宗谷本線にCTCが完成して駅も無人化され、この地には誰もいなくなった。さらに昭和62(1987)年に九度山と比翼の滝へ行く人の為に臨時駅に降格されたが駅を下車する人のほとんどは私の様な駅ファンといったのが現状である。
なぜ冬場は営業しないのかと言うと、名寄から列車に乗った時、車窓から天塩川と付き添うように幅の狭い道路があるのだが、冬は完全に雪に埋もれてしまい、小動物の足跡も見られる。それもそのはず、この道路は智東の駅の手前までは冬季は閉鎖され、「秘境駅〜」でも書かれている様に道路の除雪を行っておらず、歩きでも雪を掻き分けて行かなければ到達が不可能の地なのである。(雪を掻き分けて進むのは相当のエネルギーを費やすのです)
昨今の秘境駅の静かなブームで智東に訪れている人が増えているみたいだがゴミの散乱がやけに目に付いた。やはり智東クラスの秘境駅ではゴミは捨てずに持ち帰った方が駅の美化につながる気がした。
(2003.7.8)