塔ノ沢は箱根登山鉄道の鉄道線としては唯一の無人駅である。小田急の系列会社なので小田急線の電車が箱根湯本まで乗り入れて来る。そんな箱根湯本から粘着式の鉄道としては我が国で最も急な８０パーミルの勾配を上って最初にたどり着くのが、この塔ノ沢なのである。駅の標高は１６５メートルで起点となる小田原の２６メートルに比べると少し上ったかなと思われるが、終点の強羅の標高は５５３メートルなので、ここはまだまだ序の口といった感じである。

　駅から細い道を通って、約２〜３分くらいで国道１号線に出る事ができる。写真を見ても分かるように国道からの駅入口が階段になっているので車で直接駅に到達する事は不可能である。

　箱根と言うと思いつくのが温泉。国道に出て芦ノ湖寄りにちょっと歩けば塔ノ沢の温泉郷である。そして箱根のもう一つの名物と言えば正月の２日と３日に行われる箱根駅伝であるが、この国道ももちろん箱根駅伝のコースとして使われているので次回駅伝を見るときはこの塔ノ沢の駅入口の階段をチェックしてみるのもいいかも知れない。