1年365日ある中で、たった2日しか営業を行わない駅が香川県内に存在する。それは予讃線の津島ノ宮、しかも営業日は毎年8月4日〜5日と決まっている。
これは駅の近くにある津嶋神社の大祭の開催日に合わせたものである。営業日にはJRの社員が大勢駆けつけて、きっぷの販売や改札、および駅利用者の安全に配慮した対応を行っている。
津島ノ宮はカーブした線路上にホームが設けられているため、停車時には電車とホームの間に大きな隙間ができる。また津嶋神社は子供の守り神としてあがめられ、祭りの日には小さい子供を連れた家族がたくさん訪れるため、電車の停車時には社員がドアの所に近づいて、電車とホームの隙間に転落しないように最新の注意を払っていた。
駅に降りる人は参拝客だけではなく、この日を待ちわびていたと言わんばかりに、この駅にやって来たと思われる人も何人か見かけた、また子供連れの母親も訪れた記念にと、駅名標の写真を撮っている姿もあった。
駅から参道までの間は、お祭りの日らしく屋台の出店が並ぶが、神社は海上の小さな島の上にあるために橋を渡らなければならないが、たくさんの参拝客を見越してか、橋を渡るためにはしっかりとお金を取る。神社側の商魂が少し垣間見えた。
せっかく津島ノ宮に来たので、記念に隣駅までの乗車券を購入してみた。しかし出てきたのは、車掌がきっぷを発行する際に使う機械から出された、薄っぺらなきっぷで期待はずれだった。改札時には、その薄っぺらに駅名の入った日付印を捺してくれる。神社の大祭が行われる8月4〜5日は青春18きっぷのシーズン真っ只中。やり方次第では、青春18きっぷの乗車印に「津島ノ宮駅」と入った、思い出のきっぷが作れる。
ちなみに津島ノ宮で発行してもらった乗車券だが、電車に乗った直後に紛失したことが判明し、手元には残っていない。
(2007.8.5)