プラネタリウムのような球体の建物が建つ加古川線の社町。2021年に刊行された西崎さいき氏の「珍駅巡礼」に取り上げられたこともあり、私的には北条鉄道の鉄印を入手する延長線上として急遽訪問の対象となった。
駅名となった社町は現在は加東市と市制を敷いているが、かつては加古川の対岸にある鉄道が走っていない町だった。
球体の建物の正体は「交流ふれあい館」という待合室となっていて、室内にはテレビや、使われなくなったIHの調理台が存在し、建物は兵庫教育大学の名前を冠している。この理由としてはパナソニックの工場や兵庫教育大学のキャンパスが旧社町に置かれていることが大きい。
また兵庫教育大学に関しては、大学のみならず、付属の幼稚園、小学校、中学校がいずれも旧社町に存在する。旧社町にはなぜ付属の高校がないのかとの指摘はあるかも知れないが、その町には県立ながらも過去にプロ野球選手を何人も輩出して来た社高校がある。
駅舎を改築したこともあって、駅前も整備されており駅利用者向けの駐輪場や有料駐車場が完備され、路線バス用の転回所とバス停もある。やはり加古川沿いの町において生活の足は電車だけでは不十分という印象を受けた。
訪問した時期が夏場ということもあって、社町に下車した時は日差しが照りつけ非常に暑かった。しかし球体の待合室の中はたとえ無人であってもエアコンが効いていて快適に電車を待つことができる。
(2021.7.25)