株式会社アイスター
代表取締役社長 江 口 忠 雄
黒川温泉ホテルに於けるハンセン病回復者の方々に対する宿泊拒否問題に関し
て、弊社は以下の見解に至ったことをご報告申し上げます。
先ず、当社が今回の黒川温泉ホテルにおける「宿泊拒否問題」で、全国のハ
ンセン病回復者の方々に対し、結果としておおきな衝撃を与えてしまったこと
について、深くお詫びを申し上げます。当社といたしましては今回の出来事を
真摯に反省し、二度とこのような非人道的な行為を繰り返さないよう、今後全
社を挙げて努力して行く所存であります。
これまで当社は今回のハンセン病回復者の方々に対する宿泊拒否問題に対し
て、宿泊拒否を行った時点では、判断を行う時間的余裕がなかったと言う点に
おいて、宿泊拒否は当然の判断であったと言う見解を通してまいりましたが、
私自らが全国のハンセン病療養所を訪問させていただき、回復者の方々の現状
をうかがったり、写真展や勉強会に参加しハンセン病の現状を知るにつけ、施
設にお住まいの方たちがどのように人権を侵害され、迫害され、また非人道的
な扱いを強いられてきたのかということを実感するに至りました。
私どものようなホテル業を営むものとしては、当然の事として、ハンセン病
の現状を正しく認識し、正しい判断が行えるように日ごろから従業員等の教育
も徹底すべきで有ったと心から反省している次第です。今回の宿泊拒否はこの
ような私どもの認識不足により引き起こされた結果でございますので、当時の
宿泊拒否に至った判断は間違いであったことを、ここに訂正し謝罪とさせてい
ただきます。
また、平成13年 5月に熊本地裁で画期的な判決が下されましたが、その後国
ないし県による十分な啓蒙活動がなされているとは言いがたい状況は、残念な
がら現実問題として存在すると感じておりますので、今後私どものような認識
不足によって、今回のような人権侵害問題が起こらないように、私どもも当事
者としてハンセン病回復者の方々の人権擁護を行う啓蒙活動に微力ながら尽力
させていただきたいと考えております。
以上
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