9月5日11時35分配信 毎日新聞
香川県坂出市府中町の重度心身障害者支援施設「瀬戸療護園」(横倉直登園長)で今年7月、入所する20歳代の重度障害の男性が吐血、搬送先の病院で胃の内部から排せつ介助用手袋(塩化ビニール製)10枚が見つかっていたことが5日、分かった。胃と十二指腸が傷つき摘出した男性は、現在も重体が続いている。県警も既に4日、業務上過失傷害容疑で同園を家宅捜索。施設関係者らによる虐待の可能性もあり、慎重に捜査を進める。【三上健太郎、矢島弓枝、松倉佑輔】
捜査1課の調べでは、同園で7月10日未明、男性が個室で吐血して苦しんでいるのを、巡回中の職員が発見。病院で手術を受けた際、胃と、その下部にあって小腸とをつなぐ十二指腸から使い捨ての介助用手袋が出てきた。胃には穴が開き、十二指腸は壊死(えし)していた。 男性は昨年7月入所。知的・身体障害があり、通常は個室内で生活。食べ物以外も口に入れる行動もあったが、つかまり立ちは困難。このため、自ら手袋を取りに行くことは難しく、施設関係者が個室に持ち込んだ後に置き忘れたか、飲ませて虐待した可能性もあると判断、家宅捜索に踏み切った。 同園の説明によると、手袋は、介護士が入所者の紙おむつを交換する際に使用。男性の個室内にあるタンス(高さ1.5メートル)の上の紙箱の中に入れてあったが、男性の手は届かないという。他に手袋が個室に持ち込まれるのは原則、介護士の巡回時に限られるという。 県警は今後、押収した資料や施設関係者からの事情聴取を進めて原因を特定、施設の管理責任も追及する方針。県警には7月中旬、施設関係者とみられる人物から通報があったが、施設側からの相談や届けはなかった。 一方、県は7月中旬から下旬にかけて施設職員や入所者らに聞き取り調査を実施。8月2日、同園に対し厳重注意し、再発防止を指示した。 5日午前、横倉園長らが会見。「男性が手袋を口に入れているところを目撃した職員はいない」としたうえで、「職員約50人に聞き取り調査をしたが、虐待はないと確信している。こうしたことが起こり、管理不足と言われても仕方がない」と謝罪した。 瀬戸療護園は、1990年4月開設。社会福祉法人「瀬戸福祉会」(横倉直登理事長)が運営しており、日中の利用者が約70人、うち入所者が約50人。 |
最終更新:9月5日13時8分
8月31日10時47分配信 産経新聞
大阪府枚方市の社会福祉法人「枚方療育園」の山西悦郎前理事長(80)から厚生労働省在職中に高級車や多額の現金提供を受けていたことを認めた松嶋賢前九州厚生局長(59)=埼玉県=の娘が、同県にある同園関連の老人介護施設に就職していたことが30日、分かった。施設は平成16年、国から増築をめぐり1億2800万円の補助金を受けていた。双方の癒着疑惑を捜査している警視庁は娘の就職の世話を受けた見返りとして、施設への補助金をめぐって前理事長に便宜を図っていなかったかについても解明を進める。
関係者によると、松嶋前局長の娘が勤務しているのは、枚方療育園の関連施設である特別養護老人ホーム「おきな」(埼玉県行田市)。在宅老人デイサービスセンターなども備えており、10年4月に開園した。 前局長の娘がおきなに勤務する以前、山西前理事長の親類の間で「(前局長の)娘の就職先がない」と、話題になり、「前理事長がおきなを紹介したようだ」(関係者)。前局長の妻と前理事長の亡くなった妻はいとこ同士だったという。 おきなへの補助金決定は16年3月。施設増築として1億2800万円が交付された。当時、前局長は本省社会・援護局で地域福祉課長、前理事長も療育園で現職だった。 このころ、前局長は自宅をリフォーム。その際、前理事長から数百万円の支援を受けていた。 警視庁は自宅の改修費の提供のほか、娘の就職の世話をしてもらった見返りとして、補助金が交付された事実はなかったかについても調べを進めているが、前理事長の息子は「おやじは孫にも小遣いに10万円もあげるような人。松嶋さんとは親子のような関係で、金や車をあげるのは、働きかけでも補助金欲しさでもない」と話す。 前局長は昭和42年に当時の社会福祉事業振興会から旧厚生省に入省したノンキャリア組。キャリア役職とされた障害保健福祉部の障害福祉課長に就任し、障害者自立支援法成立の立役者となったほか、最後のポストとなった九州厚生局長も、ノンキャリア組で初の厚生局長と、省内でやり手として知られていた。 |
6月9日16時1分配信 毎日新聞
府立養護学校の男性教諭(52)が、知的障害のある中学部3年の男子生徒の頭を牛乳びんで殴りながら、上司に「生徒が自分で殴った」と虚偽の報告をしていたことが分かった。府教委は「体罰の上に、知的障害に乗じてうそをついた可能性があり悪質」として処分を検討している。
府教委によると、教諭は5月11日、給食終了後に男子生徒が精神的に不安定になったため、教室の外に連れ出そうとした。その際、生徒が教諭のメガネを払い落としたことに腹を立て、手に持っていた牛乳びん(中身入り)で生徒の頭を殴ったという。 教諭は同日、教頭に虚偽の報告をしたが、翌日に校長が再度確認したところ、自分が殴ったことを認めた。教諭は「頭が真っ白で、パニックになってうそをついた」と話しているという。 6月9日朝刊 |
6月4日17時31分配信 時事通信
4日午後3時ごろ、千葉県君津市尾車の県道で、近くの知的障害者施設「たびだちの村・君津」の入所者ら20〜50代の男女7人が乗ったワゴン車と、同県鴨川市の運転手青木博行さん(34)の大型ダンプ(12トン)が正面衝突し、ワゴン車に乗っていた入所者2人が即死、青木さんらほか6人も重軽傷を負った。
死亡した2人は、いずれも34歳の入所者の男性。ワゴン車を運転していた同施設職員の斉藤春美さん(25)と入所者の女性(36)が腰の骨を折るなどの重傷。 君津署の調べによると、現場は片側1車線の緩やかなカーブで、ワゴン車がセンターラインを越え、対向車線にはみ出したとみられる。 |
最終更新:6月4日21時1分
6月4日12時19分配信 読売新聞
介護していた84歳の女性が認知症だったことにつけ込み、預金約1億円をだまし取ったなどとして、準詐欺と窃盗の罪に問われた岩手県花巻市矢沢、元ホームヘルパー小原さつ子被告(55)の判決が4日、盛岡地裁であった。
杉山慎治裁判長は「信頼関係を逆手にとった犯行で、ヘルパー全体の信頼を傷つけた」として、懲役7年(求刑・懲役10年)を言い渡した。 判決によると、小原被告は2004年5月と6月の2回、女性が口座を開設している銀行本店に一緒に行き、定期預金を解約させ、小原被告の銀行口座に計約5500万円を振り込ませた。また、同年5〜12月の間に47回にわたって、女性のキャッシュカードで現金自動預け払い機(ATM)から計4900万円を引き出した。 |
最終更新:6月4日12時19分
2005年05月06日00時29分
同じ老人ホームに暮らす男性を口論の末にナイフで刺したとして、甲府署は5日、甲府市桜井町の養護老人ホーム「春風寮」に入居する根津宮一容疑者(77)を殺人未遂の疑いで緊急逮捕した。腹などを刺された神沢英男さん(71)は約9時間後に搬送先の病院で死亡。同署が殺人容疑に切りかえて調べている。 調べでは、根津容疑者は同日午後0時半すぎ、神沢さんの部屋で施設内の行事をめぐって口論になり、果物ナイフで神沢さんの右脇腹や左腕などを刺した疑い。2人は以前からそりが合わなかったという。 2005年11月15日更新 <連帯保証人>知的障害の男性、自宅失う 債務者は失跡 福井県に住む知的障害のある男性(49)が、消費者金融で借金した知人の男(50)に連帯保証人にされ、担保として自宅の土地・建物を競売される被害に遭っていたことが分かった。男はその後、行方不明。NPO法人「障害児・者人権ネットワーク」(事務局・東京都中央区)は「連帯保証し、自宅まで失ってしまうのは、聞いたことがなく極めて深刻」としている。 男性は軽度の知的障害で、合理的な判断能力に乏しい。中学を卒業後に職業訓練を受け、パチンコ店など職を転々とし99年ごろ失業。母親が昨年亡くなって1人暮らしとなり、親族が生活を支えていたが、現在は障害者施設に入所している。 関係者や男性によると、知人の男はパチンコ店に勤務していた当時の客。林業を営み、男性は失業後、枝打ちを手伝うなどしていた。02年4月、男から公園に呼び出され、契約書への署名押印を求められた。住所、氏名、押印欄以外は、金額欄を含め大半が黒いシートで覆われていた。当初は拒否したが「返済できる」と強引に要求され、応じてしまったという。 連帯保証額は250万円。男性が親から相続した木造2階建て住宅(延べ約110平方メートル)と土地(約150平方メートル)に根抵当権が設定されていた。男が借金を返さなかったため、03年3月に福井地裁で競売開始が決定。通知書などの郵便は自宅に届き、受け取っていたらしいが、男性は「覚えていない」と話す。 今年6月に購入者が決まり、8月に競売を知った男性の妹(46)が、男の家を訪ねたが行方が分からなくなっていた。男性は自宅を立ち退いた。妹は「兄の理解力が乏しいのを利用した」と憤り、男性は取材に「家がなくなるとは分からなかった。悔しい」と話した。 消費者金融側は取材に対し「調査の結果、契約は適正だったと考えている」とコメントした。 消費者金融に損害賠償を請求しても、契約書に自筆署名と押印があり、男性が1人で生活もしていたため、意思無能力による契約無効が認められるかは、判断が分かれている。相手が失跡しているため、詐欺などで被害を届けても捜査が難しい状況だ。【田辺一城】 ■ことば(保佐人と補助人) 民法の成年後見制度の法定後見は、後見、保佐、補助の3類型がある。軽度の知的障害や認知症の場合、判断力を「常に欠く」状態ではないので、後見人は選任できない。一方、「著しく不十分」「不十分」と認められれば保佐人や補助人が選任でき、不動産処分など特定の法律行為について同意がなければ、取り消しが可能。親族や市町村長の申し立てで家裁が選任する。 2005年1月8日更新 台所がオール電化のグループホームでの火災事故の報道がありました。そもそも福祉関係の建物は一般的な建物より火事が起こらないような構造になっている上に、世話人など職員が常駐しているため、安全面はしっかりしています。10人ほどのすぐに逃げだせるような小さな建物でなぜこんなに大きな火災になったのか、非常に残念です。徘徊で外に出ないように外かぎや利用者の方に鍵が開けられないようにかぎにかぎをしたりして、非難を難しくしたんでしょうか?痴呆症の方にたばこの管理を自由にさせることは考えにくいので、まさかの職員のたばこが原因の可能性もあります。ストレスのためか、福祉施設の現場職員、看護婦さんの喫煙率は驚くほど高いです <グループホーム火災>6人死亡 認知症の入所者生活 長崎 8日午前2時25分ごろ、長崎県大村市陰平町のグループホーム「やすらぎの里」から出火。木造平屋の同建物約280平方メートルを全焼し、約2時間半後に鎮火した。焼け跡から入所者とみられる5人を遺体で発見。病院に搬送された92歳の男性も死亡し、死者は計6人になった。他に3人が病院に運ばれた。 大村署などによると、当直の女性職員から110番通報があり、「施設が火事で、かなりの勢いで燃えている」という内容だった。この職員は逃げて無事だった。 同施設では認知症の68〜92歳の入所者9人(男性1人、女性8人)が生活している。毎日午後8時から翌朝9時までは入所者を除き当直職員は1人態勢という。現場は大村市役所から約2キロ南東の山間部。大村署などが出火原因を調べるとともに、身元の確認を急いでいる。【西貴晴】 (毎日新聞) - 1月8日9時45分更新
別紙ホームページより 施設は「オール電化」で台所で火は使われておらず、原則、禁煙だが、入所者には喫煙者もいたという。警察や消防は消防庁と合同で実況見分を行い、燃え方が激しいリビングを中心にたばこの火の不始末がなかったかなどを調べている。 1月13日追加 避難訓練をしていなかったとのことです。これでは遺族に裁判を起こされても、仕方がないです。自分には何で火がでたかの方が疑問に思えます。責任者の起訴後、裁判へと報道はこれからも続きます。 「避難訓練実施せず」=聞き取り調査に施設長−グループホーム火災・長崎県 長崎県大村市のグループホーム「やすらぎの里さくら館」の死者7人を出した火災で、県は11日、施設の渕綾美代表が県と市の聞き取り調査に対し、2003年9月の開設以来、一度も避難訓練を実施していないと答えたことを明らかにした。 県監査指導課などによると、介護保険法に基づく省令では、消防計画作成のほか、定期的な避難や救出の訓練が義務付けられており、04年11月の県の監査では書類上、訓練が実施されたことになっていた。 2006年1月15日更新 近頃、幼稚園、保育児の散歩中など屋外活動での事故が増えています。昨日、一昨日と気温が高かったのに埋まってしまうほどの雪が落ちることがなぜ予見できなかったのか、残念です。 屋根の雪が園児3人に落下、2人意識不明…福島 16日午後1時50分ごろ、福島県下郷町豊成の町立しもごう保育所(五十嵐勝幸所長)で、屋根に積もっていた雪が落下、園庭で遊んでいた男児3人が巻き込まれ、このうち2人が生き埋めになり、1人が肩に打撲を負った。 生き埋めの2人は駆けつけた南会津消防本部の消防隊員に救助され、会津若松市内の病院に搬送されたが、ともに意識不明の重体の模様。 当時は職員2人が見守る中、園児35人が園庭で遊んでいた。 東横イン 身障者用駐車場を勝手に撤去 横浜の2ホテルで
ホテルのうち1棟は今月23日に開業した「横浜日本大通り駅日銀前」(中区)。東横インによると、昨年12月にいったん完成。民間建築確認検査機関の完了検査を受けた後、身障者用駐車区画(1台分)を含む計7台分の駐車場と、身障者用客室2室を撤去。屋外に駐車スペースを3台分用意し開業した。改造は昨年9月ごろに計画したという。 市まちづくり調整局によると、市駐車場条例でホテルには床面積に応じた駐車スペース確保が求められ、このホテルの場合は7台分が必要だった。また、市福祉まちづくり条例では、総客室数に応じた身障者用客室の確保を定め、このホテルは2室必要だった。同局は「駐車場条例違反と断ぜざるを得ないし、他にも法に違反する可能性がある」と話している。 また、もう1棟は02年開業の「新横浜駅前本館」(港北区)で、必要な4台分の駐車場を設置後に撤去。後に別に3台分のスペースを用意した。 西田憲正社長は「誠に申し訳ない。(「日本大通り駅」は)格好が悪いと思って改造した。すぐ元に戻し、社会に対する信用を取り戻す努力をする」と話している。 横浜市は27日午後「日本大通り駅」を立ち入り検査した。「新横浜駅前本館」と、残る市内7棟の東横インについても調査を進める。【木村光則、堀智行】 (毎日新聞) - 1月27日17時49分更新
二重図面用意、検査後に違法設備改造…「東横イン」
同市では、市の駐車場条例に違反していることを確認、他の法令違反の可能性もあるとみて、同日午後、立ち入り調査を実施する。同社は建築確認用と改造用の2種類の図面を作成していた。ほかにも同市港北区新横浜のホテルなど2、3件で改造工事をしたことを認めており、国土交通省も調査を始めた。 同社の西田憲正社長は、27日午前9時から本社で会見し、改造工事を認めて謝罪した。 違反改造が発覚したホテルは、横浜市中区太田町の「横浜日本大通り駅日銀前」(10階建て、133室)。建築計画概要書によると、2004年11月に民間確認検査機関が建築確認を行った後に着工。工事完了後、05年12月26日に完了検査済証が交付された。 西田社長の説明によると、ホテルの玄関部分に7台分の駐車場、2階に身体障害者用の客室を設けるなど、条例に合致するよう設計されていた。しかし、完了検査を受けた後の今年1月11日ごろから、条例違反となることを知りながらロビーや一般の客室に改造した。内装工事に着手する昨年9月ごろ、営業企画部から改造工事の申し出があり、了承したという。改造工事はグループ会社が実施した。 西田社長は「玄関前に駐車場がない方が見栄えがいいし、身体障害者用の部屋も年1、2人しか泊まらない。条例違反の認識があったが、深く考えずに了承した」と説明している。 同市によると、今回のホテルの場合、交通渋滞の緩和などを目的とした市の「駐車場条例」で7台分の駐車場が必要になる。市では、現時点では駐車場が足りないことを確認しており、「駐車場条例に明らかに違反する」との認識を示している。 また、不特定多数の人が利用する建築物を高齢者や身体障害者に使いやすいようにすることを目的にしたハートビル法では、床面積が2000平方メートル以上のホテルを含む建築物に対し、駐車場を設置する場合は障害者などが使いやすい駐車場の整備を義務づけている。横浜市の「福祉のまちづくり条例」でも、床面積が1000平方メートル以上の宿泊施設について、障害者向けの客室を設けるよう定めている。現時点ではホテルに障害者用の駐車場や客室がないという。 27日午前、記者会見した市まちづくり調整局の樋高雄治指導部長は「明らかに故意で、極めて悪質。遺憾だ」とする一方、「一連の手続きの中で、(工事を)見つけることは無理」と話した。 ハートビル法では100万円以下の罰金が、駐車場条例では50万円以下の罰金が科せられる。福祉のまちづくり条例では社名が公表される。 (読売新聞) - 1月27日14時37分更新
<東横イン>客室31室増やす 横浜市の立ち入り調査で判明 ビジネスホテルチェーン「東横イン」(本社・東京都大田区)による無断改築問題で、同社が横浜市内の2棟のホテルで、無届けで客室を31室増やすなど大幅な増築をしていたことが28日、同市の立ち入り調査で分かった。市は建築基準法(容積率の制限)違反にあたるとみて近く、同社に是正を求める。 無断改築が判明したのは「横浜西口」(西区)と「横浜関内阪東橋」(南区)。「横浜西口」では、建築確認時の駐車場や壁に囲まれた場所に客室を増築。当初70室だった客室が90室になっている。「横浜関内」でも、建築確認時の吹き抜けや駐車場に客室を増築し、66室のはずが77室になっている。 市まちづくり調整局によると、両ホテルとも建築確認時で容積率が基準いっぱいだったため、増室で容積率が基準を上回るのは確実だという。 27日夜に横浜市役所で会見した同社取締役の加藤敏子営業企画部長は、3年前から50〜60件のホテルの建設に携わっているが、無断改築した件数は「即答できない」と回答。しかし、市条例で定められている身体障害者用の部屋を客室などに転用したことについては「場所が取れないときには、別のものに替えることは普通にやっていた」と述べ、転用は恒常的だったことを明らかにしている。【堀智行】 ハートビル法で初の是正命令、横浜市が東横インに 大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」(東京都大田区)の不正改造問題で、横浜市は24日、身体障害者用駐車場をロビーの一部にした「横浜日本大通り駅日銀前」(横浜市中区)に対し、ハートビル法に基づく是正命令を出した。 同法に基づく是正命令は、2003年4月の改正法施行後、全国初という。命令では、身体障害者用駐車場を3月末までに1台以上設置するよう求めている。 リオス選手 金メダルを車椅子の少女にプレゼント
少女は大阪府豊中市北桜塚、市立第三中学2年、穂積瑞樹(みずき)さん(14)。脳性マヒで下半身が不自由で、車椅子生活を続けている。製パン店を営む父の統史(つぐし)さん(42)が、別府大分毎日マラソンなどに参加した市民ランナーだったこともあり、「びわ湖」には数年前から毎年、親子で応援に駆けつけている。一昨年、マラソン初挑戦だったリオス選手に沿道から声をかけ、手を振ったところ、同選手が小さく手を上げて応え、2時間7分42秒の好タイムで優勝した。 以来、昨年、今年とリオス選手を応援。今回も沿道でエールを送った後、ゴールの皇子山陸上競技場へ。「優勝の祝福をしてあげよう」と、競技場入り口付近で待っていたところ、穂積さん親子を見つけたリオス選手が笑顔で近寄り、首にかけていた金メダルをプレゼントした。 統史さんは「優勝メダルはリオス選手にとって、一生思い出となる大切なもの。本当にもらっていいのかどうか……」とうれしさの半面、戸惑いも。瑞樹さんらは近く、リオス選手にお礼の手紙を出すことにしている。【江尻進一、平本泰章】 <車椅子マーク>駐車場に健常者 苦情急増 健常者が車に「車椅子マーク」を付けて障害者用駐車場に止めている、との苦情が増え、マークの権利を持つ日本障害者リハビリテーション協会(東京)が、製造業者に注意書きを要請。商品に添付されるようになった。しかし苦情は一向に減らず、同協会は「本当に困っている人たちのために、どうか悪用しないで」と訴えている。【扇沢秀明】 車椅子マークは正式名を「国際シンボルマーク」といい、国際リハビリテーション協会が69年に制定。日本では障害者リハビリテーション協会が商標権を持っている。 本来は「障害者が利用できる建築物や公共輸送機関」であることを示すマークだが、他のドライバーに配慮を求める意味などから、マイカーへの利用も制限していない。複数の業者が製造し、昨年は約1万7000枚作られた。1枚数百円で、カー用品店などで売られている。購入時に障害者手帳の提示を求めることも検討されたが「高齢で足腰が弱った人など、必ずしもすべての障害者が手帳を持っているわけではない」と見送られた。 ところがここ2、3年、協会には毎月「不正使用」の苦情がある。このため昨年8月から「正しい用途でお使い下さい」などの注意書きを裏書の目立つ場所に入れているが、東横インの不正改築で障害者用駐車場問題が注目され、苦情はむしろ増えているという。スーパーなどの団体・日本チェーンストア協会も「苦情は把握しているが、利用者のモラルに委ねるしかない」と困惑している。 ただ、外見では有無が分かりにくい障害もあり、リハビリテーション協会は「見た目だけで不正と決めつけるのは危険」と注意も呼びかけている。 ◇スーパーで直撃 「今は乗せてないけど」 スーパーが込み合う土曜(4日)の午後、千葉県内の郊外型スーパーの駐車場で、車椅子マークを付けた車を追った。5時間で約30台が障害者用区画に止め、うち健常者らしい数台の運転者に聞いた。「足が痛い」「家族に外見で分からない障害がある」などと答えた人を除き、2台は障害者が乗っていないことを認めた。 うち1台は若い女性の2人組。「(車椅子マークは)おしゃれで付けてます。ごめんなさーい」と笑って、店内に駆け込んだ。また、子どもを連れた女性は「足の悪いおばあさんがいる。今は乗せてないけど」と言って、車で走り去った。 この日、千数百台収容の駐車場はほぼ満杯で、100メートル以上離れた区画まで車は列を成していた。しかし、入り口正面の障害者用区画は空いており、大多数はルールを守っていた。警備員の男性は「正直、障害者用区画の利用者で『そうかなあ』と思う人は少なくないが、聞くわけにもいかない」と肩をすくめた。 (毎日新聞) - 3月7日11時15分更新
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