「イチロー・シート」継続のお知らせ |
■イチロー・シート継続のお知らせ シアトル・マリナーズのイチロー選手が、阪神大震災後の1997年以降継続している「イチロー・シート」につき、下記のとおり今シーズンも引き続き継続する旨の申し入れがありました。 記
●シアトル・マリナーズ イチロー選手コメント |
イチローの活躍で「イチロー・シート」の子供たちも大喜び…そんな光景が今季は見られそうだ(共同) |
【シアトル(米ワシントン州) 奥田秀樹通信員】マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドに“イチロー・シート”が設置されることが24日、明らかになった。イチロー外野手が日産自動車の協力を得て子供たちを年間数千人招待するというもので、総額7万5000ドル(約1050万円)にも上るビッグなプレゼント。今季は子供たちの大声援を背に躍動する背番号「51」の雄姿が見られそうだ。
「イ・チ・ロ〜!」背番号51が打席に入るたびに子供たちの大声援が響き渡る。メジャーリーガーを目指すシアトルの子供たちに夢を与えるプラン。それが「イチロー・コミュニティー・セクション」の設置だ。
オリックス時代にも阪神淡路大震災で被災した児童を球場に招待していたが、今回はかなり大規模な試みとなっている。年間81試合ある本拠地セーフコ・フィールドの1つのセクション(スタンドの一画)を買い取り、毎試合50〜100人の子供たちを招待。チケットの総額が日本円で1000万円の大台に乗ってしまうほどのスケールになっている。
マ軍は毎年、地域との交流を目的にさまざまな慈善事業に取り組んでおり、今回の“イチロー・シート”設置はその一環。これまでもエース左腕モイヤーら多くの選手が子供たちを招待しているが、セーフコ・フィールドの観客席に選手の名前がついた一画が登場するのは初めてだ。
1年目から首位打者、盗塁王、MVPを獲得して一気にスーパースターに上り詰めたイチロー。もちろんシアトルの子供たちにとって今やあこがれの存在だ。地元の野球チームではフォームをまねする少年たちが増えているほど。また昨年7月31日にはシアトル近郊の小学校を訪問。野球用具の大切さについて熱弁を振るうイチローのほほえましい光景も話題となった。
さらにイチローと子供たちをつなぐもう一つのプロモーションも発表された。7月2日のロイヤルズ戦で配られる「イチローMVPバブルヘッド(首振り人形)」だ。昨年は7月28日に2万個の人形を求めて徹夜組が出るほど社会現象となったが、今年は14歳以下の子供たち全員にプレゼントされることが決まった。
「僕たちの職業は見ている人たちに影響を与える数少ない仕事ですからね」と話すイチロー。打って走って守って、一つ一つのプレーが子供たちに夢を与えることは十分承知している。新たなモチベーションが加わった2年目のシーズン。イチローに対する注目度は幅広い世代で高まりそうだ。
◇バブルヘッド 60〜70年代に人気を集め、数年前からブーム再燃。イチロー人形は昨年オールスター版とプロモーション版の2種類が発売され、ネット上では10万円近い値がついた。
≪イチローの日本での慈善活動≫イチローはオリックス時代にも慈善活動を積極的に行っていた。95年1月の阪神淡路大震災後、ポケットマネーでグリーンスタジアム神戸に“イチローシート”を毎年20席(約140万円分)確保。また出身が愛知県ということもあってナゴヤドームにもチャリティー用の年間シートを持っていた。また同県が00年9月、東海豪雨の被害に見舞われた際、県に1300万円相当の衣類を救援物資として贈っている。
≪イチローは今季も一番≫ピネラ監督が今年のイチローの起用法について早くも言及。「昨年と同じく一番打者として使う」と明言した。今オフ、昨年まで三番を務めていたブーンがFAとなり、一時「イチロー・三番説」が浮上したが、結局ブーンは残留。同監督は「イチローの働きにこれ以上注文をつけられるわけがない」とリーグMVP&新人王を受賞した核弾頭に絶大な信頼を寄せていた。