またまた問題発言
石原都知事
2003年10月28日更新
<石原都知事>「日韓併合は朝鮮人が選んだ」
石原慎太郎東京都知事は28日、北朝鮮による拉致問題の解決を訴える「救う会東京」の集会で基調講演した際、1910年の日韓併合に触れ、「彼ら(朝鮮人)の総意で日本を選んだ」「どちらかといえば彼らの先祖の責任」などと述べ、当時の朝鮮人が日本との併合を望んだとの見方を示した。
石原知事は、日本民族のルーツについて話す中で、「(日本は)決して武力で侵犯したんじゃない。むしろ朝鮮半島が分裂してまとまらないから、彼らの総意で、ロシアを選ぶか、シナを選ぶか、日本にするかということで、近代化の著しい同じ顔色をした日本人の手助けを得ようということで、世界中の国が合意した中で合併が行われた」と話した。また、「私は日韓合併を100%正当化するつもりはない」としたうえで「彼らの感情からすれば、そりゃやっぱりいまいましいし、屈辱でもありましょう。しかし、どちらかといえば彼らの先祖の責任であってね」と述べた。
日韓併合条約では、韓国の統治権を完全かつ永久的に譲渡することなどを取り決め、韓国の名称は廃止され朝鮮となった。日本は終戦まで支配を続けた。
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日韓併合をめぐっては近年、併合を評価する韓国人の著作も出て話題を呼んだ。ただ、救う会の西岡力・副会長(東京基督教大学教授)は「独立運動があったのは事実であり、併合が総意だったというのは言い過ぎだ」と話した。
95年10月、当時の江藤隆美総務庁長官が「植民地時代には日本が韓国にいいこともした」とオフレコ懇談で発言、日韓関係が悪化し、江藤長官が辞任に追い込まれた。
事態の収束に当たった村山富市首相は、韓国の金泳三(キムヨンサム)大統領あてに(1)日韓併合条約は不平等な関係で締結された帝国主義時代の条約(2)同条約が韓国国民の心に残した傷の深さを胸に刻む――との内容の親書を送った。(毎日新聞)
この発言を受け以下の記事な連鎖
【ソウル29日時事】韓国外交通商省スポークスマンは29日、石原慎太郎東京都知事が28日夜、1910年の日韓併合を「彼ら(朝鮮人)の総意で日本を選んだ」などと発言したことについて、「日本の責任ある政治家が誤った歴史観に基づき、時代に逆行するような発言をしたことに深く失望せざるを得ない」との論評を発表した。
論評は、石原都知事について「過去にも民族差別的、国粋主義的な発言で物議を醸し、内外の批判で不適切と自ら認めたことがある」と指摘。「またしても軽率な発言をしたことは非常に遺憾」と断じ、「正しい歴史認識がなければ、韓日の良好な関係を発展させづらい」と述べた。 (時事通信)