■2002年2月4日(月曜日)曇り時々晴れ
今日は基礎コンクリート(生コン)の打ち込みです。心配していた雨も上がり、予定通り作業が行われました。午前中休暇を取って工事に立ち会うことにしました。
■作業開始
7時半頃、現場を覗いてみると、すでに警備の方が2名到着し、コンクリートポンプ車が横の広い道路で待機していました。8時10分頃、1台目のミキサー車が到着。コンクリートポンプ車も所定の位置につきました。
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1台目のミキサー車は6.5t車でした。大きな車体を巧みに操りながらバックで狭い道を難なく入っていく技術はさすがです。道路に張り出した近所の家の立木の枝を折らないように注意。手前のクルマはコンクリートポンプ車。
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8時22分、最初の生コンがポンプ車後部の注入口に流し込まれ始めました。受け渡された納品書には出発時刻が7時36分となっていて30分とちょっとで到着したことが分かります。よしよし。
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後部に流し込まれた生コンはポンプ車の長いホースを通って、基礎の型枠の上まで運ばれます。
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ミキサー車は4メートル道路をいっぱいに塞いでしまいます。左側に自転車が通れるくらいの隙間はあるのですが、近隣の方にはご迷惑をおかけしました。また、騒音や排気ガスも結構気になります。特に排気ガスは1時間も現場にいると臭いが服に染み付いて取れなくなってしまうので、お隣さんが洗濯物を干していたりしたらちょっと声を掛けておくといいかもしれません。
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ポンプ車の注入口です。常にフィンが回っており、攪拌しながらポンプ本体に生コンを送っています。
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■型枠への打ち込み
まずはベース部分への打ち込みです。
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ポンプ車から送られた生コンを型枠に流し込んでいきます。流し込み作業は、一人が流し込み、もう一人がすかさずドリルのような形をしたバイブレーターで振動を与え、生コンが均一に行き渡るようにしていきます。
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もう一人が状況を見ながら作業しやすいようにホースの位置を調整していきます。写真ではちょっとわかりにくいですが、職人さんが左手で操作しているのはちょうどお弁当箱のような大きさのリモコン(ラジコン)装置で、ポンプ車のアームを操作することができます。アームの向きや角度だけでなく、ポンプの始動・停止などほとんどの操作がリモコンでできるそうです。こちらも慣れた手つきで、ほとんど手元を見ずに操作していました。また、ポンプ車の注入口の状態を見ながら、ミキサー車から出る生コンの量を常に調整する人の役割も重要です。コンクリートの打ち込みはあうんの呼吸が必要なチームワークだと感じました。
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1台目のミキサー車が空になったのは打ち込み開始からおよそ30分後。ただちに待機していた2号車(6t)と後退し、ベース部分への打ち込みが続けられました。打ち込み開始から約1時間後、2台目のミキサー車にまだ生コンを残した状態でベース部分への打ち込みが完了。30分くらいの間をおいてベースのコンクリートの粘度が上がった頃、立ち上がり部分への打ち込みが始まりました。「早いときは間を置かずにはじめの場所から立ち上がりの打ち込みをしても大丈夫なんですよ」と監督さん。冬場の気温では強度を確保するために少し時間をおく必要があるようです。
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一見すると簡単そうに見えますが、ホースの先端からどんどんあふれ出る生コンを手早く均等に流し込んでいくのは結構熟練が必要なのだと思います。私が「バイブレーターは結構シビレませんか」と尋ねると、「結構シビレます」と工事主任さん。
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打ち込みを終えた部分は若い職人さんが丁寧にならしていきます。
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■生コンの品質検査(荷卸し時検査)
打ち込み開始前にコンクリートの品質検査を担当するT・P検査工業の検査員の方が到着しており、打ち込み開始と同時に検査を始められました。全国生コンクリート工業組合連合会(略称「全ナマ」だそうです…といっても生ビールではない)のホームページによると、生コンの荷卸し時の品質検査項目と基準値は以下のようになっています。
荷卸し時の品質検査基準
(1)スランプ試験
必要に応じて(通常は圧縮強度試験用供試体採取時)試験を行い、その試験結果が所定の品質を
満足していれば合格。
判定基準:スランプ
2.5cm→±1.0cm
5および6.5cm→±1.5cm
8cm以上18cm以下→±2.5cm
21cm→±1.5cm
(2)空気量試験
必要に応じて試験を行い、所定の品質を満足していれば合格。
判定基準:規格品
普通コンクリート 4.5%±1.5%
軽量コンクリート 5.0%±1.5%
舗装コンクリート 4.5%±1.5%
(3)塩化物量試験
工場で行うことにより省略する。(運用指針=JIS)
(4)強度試験
150立方mに1回試験を行い、20±3℃の水中養生を行った供試体の試験
結果が、
1回の試験結果が、呼び強度の値の85%以上でかつ、3回の試験
結果の平均値が呼び強度の値以上であれば合格。
(5)軽量コンクリートの単位容積質量試験
指定が有る場合、購入者と協議により試験を行い、その試験結果が、所定
の品質を満足すれば合格とする。(今回は該当しません)
(6)コンクリートの温度
指定がある場合は、購入者と協議により試験を行う。
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・検査の手順
打ち込み開始と同時に、ミキサー車の排出口からスコップで生コンを3〜4回ネコ車に移し取ります。まずはスランプコーンに生コンを詰め、逆さにして生コンをシートの上に出し(プッチンプリンのよう)、スケールの腕を乗せておきます。
次に試験体採取容器に生コンを詰め、1本詰めるたびに棒で数回突きます。突く回数は8回と決められているそうです。「以前は12〜13回だったのですが、規格がどんどん変わるんですよ」と検査員さんがぼやいていました。
ここでプラスチック製のリトマス試験紙のようなものを取り出し、6本の試験体のうち3本に挿入。これは塩化物量を測定するものだそうです。前述の記述では省略してよいことになっているのですが、ちゃんと行われていました。
最後はエア・メーターに生コンをぴっちり詰め、ふたをして圧力をかけて空気量の測定です。
ちなみにスランプ値とは、「上の内径が10cm、下の内径が20cm、高さが30cmの鋼製中空のコーンにつめたコンクリートが、コーンを引き抜いた後に最初の高さからどのくらい下がる(スランプする)かを示すものであり、スランプ値が大きいコンクリートは軟らかいコンクリートということになる」(全ナマホームページより)だそうです。
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ずらりと並んだ検査器具。左から、強度試験体採取容器、空気量測定器(エア・メーター)、スランプコーンです。
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現地での検査結果をその場で写真に記録していました。当方も便乗して写真をパチリ。ちなみに配合の「普33−15−20H」とは、「種類が普通コンクリートで、呼び強度が33N/平方m、スランプ値15cm、粗骨材(混入している砂利など)の最大寸法が20mm」を表しています。最後のHは“早強コンクリート”(全ページを参照)を意味するのでしょうか。
納品されたコンクリートの実測値は、スランプ値13.5cm、空気量3.9%でしたが、この値はビルの建築に使われる“高強度コンクリート”に匹敵します(高強度コンクリートの呼び強度は36N/平方m以上)。塩化物含有量も全く問題ありません。ちなみに検査員さんの話では、「関東ではまず心配ないが、関西では海砂などが使われることも相対的に多く、塩化物濃度に注意が必要」とのことでした。
現場での検査は30分ほどで終了し、検査員さんは機具類一式と試験体を軽ワゴン車に積んで去っていきました。試験体は28日間の養生の後、強度試験で予定通りの呼び強度が出ているかどうかを検査されて報告書が提出されることになります。
■コンクリート打ち込み終了
いったん現場を離れ、11時半頃戻ってみると、ミキサー車の姿がありません。打ち込み終わった部分には、コンクリートが型枠と接する部分に残った空気を抜くために、らせん状の長いドリルのようなもので型枠の内側のコンクリートをかき回しています。
「打ち込みはもう終わったのですか」と私。
「いや3台目のミキサー車を待っているんです」
なに?ミキサー車が来ない?トラブルか?と一瞬あせりましたが、皆さん割とのんびり落ち着いています。
「後どのくらいなんですか」
「後は玄関周りだけなのでミキサー車が来れば10分くらいで終わってしまいます」
と、そこへ3台目が到着。やれやれ。
「オーイ、来たよー」
のかけ声とともに作業再開です。
ここで私は会社に行くために現場を離れてしまったので正確な完了時刻は分かりませんが、12時頃には打ち込みが終わり、お昼を挟んで片づけ、養生シートをかけ終わったのは午後早くだったのではないかと思われます。
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左の写真は妻が撮りました。生コンの表面はきれいにならされています。左の写真の奥に写っているのが養生シートです。
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高さも均一できれいに仕上がっています。
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表面もきれいにならされています。
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実は3台目のミキサー車を運転してきた篠田石材店の職人さんも、昨年の11月にヘーベルハウスで建てたんだそうです。職人の目から見てもメーカー住宅の中でヘーベルハウスの基礎が一番しっかりしているそうです。「生コンの強度も強いものを使っているし、ベースと立ち上がりを一度に造るのもヘーベルの利点」とのことです。(最近は○水ハウスもこの工法をまねし始めたと言ってました)
専門の職人さんの口からそう言う話を聞くと説得力があって、うれしいものです。
下の写真は養生シートがかけられた状態です。(2月6日撮影)
このコンクリートの養生期間は中5日間なので、2月10日以降であれば型枠をはずすことができるそうです。具体的な日程は改めて連絡いただけることになりました。型枠ばらしの日が楽しみです。
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