携帯自動者電話番号の変遷


(1)地域指定方式

昭和54年(1979年)12月3日のサービス開始から昭和63年(1988年)3月17日までの初期の自動車電話では、 各地域への経路選択のため、電話する際に地域を指定する方式を取っていました。 この方式では自動車電話にかける場合、発呼者は自動車電話加入者が どこにいるか予想してダイヤルしする必要があり、間違っていると 「おかけになった電話はこのエリアにはいらっしゃいません。 局番の「XX」を「YY」に変えて、おかけ直しください」といった 内容のトーキーが流れてたそうです。

最初は自動車電話に030番を使用し、加入者番号は5桁しかないので最大でも10万加入者分でした (試験用の番号や、解約直後で寝かしておく番号などがあるため、 実際に使える番号の数はこの7〜9割ぐらいになります)。昭和61年(1986年)9月1日に040番が追加になりました。

サービス指定 地域指定 加入者番号
030
040
XX XXXXX

昭和54年12月〜昭和55年11月の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
7時〜20時
夜間
20時〜7時
160キロメートル内 6.5秒 12秒
320キロメートル内 4秒 7秒
320キロメートル超 2.5秒 4秒

昭和55年11月から昭和56年8月の通話料金

  ダイヤル通話
(10円でかけられる秒数)
100番通話
(最初の3分)
昼間
8時〜19時
夜間
19時〜21時
6時〜8時
深夜
21時〜6時
昼間 夜間
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 270円
320キロメートル内 4秒 7秒 8.5秒 450円 270円
320キロメートル超 2.5秒 4秒 6.5秒 720円 450円
自動車電話から一般電話も、一般電話から自動車電話も同額
100番通話は3分を超える1分ごとに3分の料金の1/3が加算

昭和56年8月〜昭和58年7月の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜21時
6時〜8時
深夜
21時〜6時
平日
土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 12秒
320キロメートル内 4秒 7秒 7秒 8.5秒
320キロメートル超 3秒 5秒 5秒 7.5秒

昭和58年7月〜昭和61年7月19日の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜21時
6時〜8時
深夜
21時〜6時
平日
土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 12秒
160キロメートル超 4.5秒 7.5秒 7.5秒 8.5秒

(2)準地域無指定方式

自動車電話加入者の増加とIDOやセルラー(今のAUの前身)の事業開始のため、 昭和63年3月17日からはCDコードを事業者と加入者の識別に使用する準地域無指定方式が導入されました。 料金は160km以内と160km以遠の2段階制で課金上の距離区分を区別するために 030と040が使われました。 この方式では、発呼者は自動車携帯電話加入者が160km以内いるかどうか予想してダイヤルし、 間違っていると「030を040に変えて、おかけ直しください」といった内容のトーキーが流れました。

なお、NTTの加入者交換機で事業者を区別するのが大変だったため、 一般電話発自動車電話着の料金に着信加入者がNTTかIDOかセルラーかの区別はありませんでした。 この料金の区別が出来るようになったのは、 平成9年12月にNTTにアナログ交換機のデジタル化が完了した後で、 平成10年1月に柔軟課金方式が開始された時になります。 加入者番号はCDコードを含めて7桁なので1000万加入者分でした。

地域指定方式からの加入者は、加入者の収容交換局により、 札幌交換局に収容されていれば030/040−11−XXXXX、 仙台は030/040−12−XXXXX、 東京は030/040−13−XXXXX、 前橋が030/040−14−XXXXX、 名古屋が030/040−15−XXXXX・・・・となったそうです。 5桁目の数字は各地域の市外局番の0の次の数字と概ね一致しているそうです (例えば、北海道は1、東北は2、関東は3と4、中部は5、関西は6・・・など)。 わかりやすさのためだったのでしょうか?

距離指定 事業者指定 加入者番号
030
040
CD XXXXX

昭和61年7月19日〜平成2年2月の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜21時
6時〜8時
深夜
21時〜6時
平日 土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 12秒
160キロメートル超 4.5秒 7.5秒 7.5秒 8.5秒

平成2年3月〜平成3年3月19日の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜23
6時〜8時
深夜
23時〜6時
平日 土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 13秒
160キロメートル超 4.5秒 8.5秒 8.5秒 9秒

平成3年3月19日〜平成3年9月1日の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜23時
深夜
23時〜
平日 土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 6.5秒 12秒 12秒 13秒
160キロメートル超 4.5秒 8.5秒 8.5秒 9秒

平成3年9月1日〜平成6年12月1日の通話料金(10円でかけられる秒数)

  昼間
8時〜19時
夜間
19時〜23時
深夜
23時〜8時
平日 土曜日
日曜日
祝日
160キロメートル内 7秒 13秒 13秒 14秒
160キロメートル超 5.5秒 10秒 10秒 11秒

平成6年4月1日以降は料金プランが導入されて、料金が複雑になったので以後の料金は省略。

NTT・ドコモ加入者数の推移

昭和54年12月3日自動車電話サービス開始
昭和62年5月10万加入突破
昭和63年10月20万加入突破
平成1年9月30万加入突破
平成2年5月40万加入突破
平成2年12月50万加入突破
平成5年2月100万加入突破
平成7年2月200万加入突破
平成7年8月300万加入突破
平成8年1月400万加入突破

平成8年以降の加入者数は電気通信事業者協会のページを参照してください


(3)080/090の導入

自動車電話加入者の増加により030の番号が不足したため、 平成8年1月4日に080/090の番号が導入されました。 このときからA0CDで事業者を識別することになりました。 080/090導入以前は無線区間ではC〜Jの7桁で加入者を区別していたましたが、 導入以降は0A〜Jの10桁で加入者を区別することになりました。 080/090導入以前に販売された移動機は7桁の加入者番号を使用しているため、 無線区間で7桁の加入者番号と10桁の加入者番号が混在する状況になっています。 これ以前に販売された携帯電話では一部を除き、自端末番号を表示すると7桁で表示されていましたが、 これ以後に販売された携帯電話では自端末番号を表示は10桁になっています。 (IDOの端末は自端末番号を表示する際端末で頭に030を付けていたので、 端末が作り直しになったと聞いています)。

080/090の導入直前は電話番号がとても不足しており、 TVコマーシャルを自粛したり(コマーシャルの効果は結構大きいそうです)、 グループ会社間で電話番号を100番号単位で融通するといった事が行われました。 このころの番号の良い悪いの話題で030番号の方が昔から携帯電話を持ってるようでかっこいいとか、 会社のPBXの規制で03番号や04番号(関東圏の一般電話)はかけられるけど、 08番号や09番号(中国・四国・九州)はかけれないから030がいいとか、 あったようです。

距離&事業者指定 加入者番号
030
040
CD XXXXX
080
090
CD XXXXX

(4)地域無指定方式

030/040と080/090の導入でも番号が不足したため、 平成8年9月1日に010の番号が導入されました。 しかし0A0系の番号が不足してきたため020は導入しないこととし、 また040と090の番号を廃止して完全な地域無指定の方式としました。 その後加入者の増加に伴い平成9年4月1日に020、平成9年11月4日には040が導入されました。 この時期NTTにはまだクロスバー交換機が残っており、 NTTで160km以内と160km以遠の区別をした課金が出来ず、 NTT発の自動車携帯電話着の料金は距離に関わらず均一料金となりました。

時期的にはこれより前になりますが、平成7年7月にPHSサービスがはじまりました。 当時携帯電話の通話料は高く、PHSはこれに対して安い簡易型携帯電話と位置付けられていたため、 電話番号も携帯電話と区別した番号の050になりました。 NTT発PHSの方は距離に関わらず同じ、PHSサービスの開始当初から1つの電話番号でした (多分これはPHS交換機でPHS着信の料金明細を収集していたため可能になったのだと思います)。

サービス指定兼事業者指定 加入者番号
PHS: 050
060
CD XXXXX
携帯自動車電話: 010
020
030
040
080
CD XXXXX

(5)11桁化

0A0の番号が不足が明確になったため、 平成11年1月1日午前2時に携帯電話とPHSの番号を1桁増し11桁化されました。 午前0時でなく2時なのは「おめでとうコール」で輻輳してる時間帯の工事を避けるためです (実際は0時から2時の間はどちらの番号でも電話できる状態だったようです)。 携帯電話が普及してからの初めての大規模な切り替え作業だったので、 ウサギの耳で11を表現してコマーシャルしたり、 メモリダイヤルの書き換えを出来るようにコンビニに電話番号の書き換え装置を置くなど、 携帯電話事業者は対策におおわらわでした。

同じ日に大阪の電話番号も9桁から10桁に変更になり、 日本に残る9桁番号は、0460(神奈川県足柄下郡箱根町と静岡県裾野市茶畑)と 0578(岐阜県吉城郡神岡町と上宝村)の2ヶ所だけになりました。

平成14年3月に携帯電話の番号が090だけでは足りなくなったため 080も携帯電話で使うようになりました。 なお、0800は着信課金サービスで使用しているので携帯自動車電話では使用しません。 また、0900も将来のサービスのために空けてあります。

サービス指定 事業者指定 加入者番号
ポケットベル: 020 CDE XXXXX
PHS: 070 CDE XXXXX
携帯自動車電話: 080
090
CDE XXXXX

新旧電話番号の対応
区分 旧(〜H11.1.1 AM2:00) 新(H11.1.1 AM2:00〜)
携帯電話 010−○○○−×××× 090−1○○○−××××
020−○○○−×××× 090−2○○○−××××
030−○○○−×××× 090−3○○○−××××
040−○○○−×××× 090−4○○○−××××
080−○○○−×××× 090−8○○○−××××
PHS 050−○○○−×××× 070−5○○○−××××
060−○○○−×××× 070−6○○○−××××
大阪 06−○○○−×××× 06−6○○○−××××

参考

電話でダイヤルする番号には以下のようにいろいろな意味があります。 これを知ってると上の話が理解しやすくなるかもしれないので解説しておきます。

  • 加入者識別:電話の着信者を識別したり(ダイヤルする事)、 電話の発信者を伝える(発信者番号通知)ために使う番号。 普通電話番号というとこの意味イメージされると思います。
  • 経路選択:特に固定網の交換機は電話番号で電話の接続を制御します。 例えば、日本の固定電話の電話番号は0の次の第2桁目で大体の位置がわかり (北海道から九州への順で1から9が振ってある)、 第3桁目でほぼ都道府県がわかり、第6桁目まで見るとどの通信事業者の電話かがわかります。 携帯電話でも最初3桁で携帯電話と判明し、次の6桁目でどの通信事業者の電話かわかります。 交換機はこれを手がかりに次に電話をどっちにつなぐか判断しています。 (※番号ポータビリティを使っている場合など、一部例外がある)
  • 課金レート:たいていの場合、交換機は発信者のダイヤルした番号で課金レートの決定をしています。 特に昔のクロスバー交換機などは、発信者のダイヤルした番号でしか課金レートの決定できず、 携帯電話着信の課金レートを設定しなおすために、ユーザにダイヤルをやり直しさせていたほどです。
  • 事業者選択:00で始まる番号は事業者選択番号といわれます。 発信者が利用する長距離事業者や国際事業者を明示するために、電話番号の前にダイヤルします。
  • サービス選択:184をつけてダイヤルすると発信者番号を非通知にする事ができます。 昔は030が自動車電話サービスを識別する番号とか言われていました。

日本の電話の世界では電話番号の各桁をABCで表現する習慣があります。 例えば以下のような表現をします。

  • 0ABCDEFGHJ:普通の固定電話の電話番号です。0A〜Jと書いたりもします。 ほとんどの固定電話の番号は10桁なのでこのような表現をします。 9桁の電話番号も存在するので、これを気にしてる場合は 0ABCDEFGH(J)と書くこともあります。 Iがないのは、アルファベットのIと数字の1が区別しづらいためIを使わないからです。 同様にアルファベットのOと数字の0が区別しつずらいので、Oも使いません。
  • 0A0CDEFGHJK:携帯電話やPHSなどの電話番号です。 0A0だけで表現することもあります。
  • 00XY:事業者選択番号は通常このように表現します。 KDDIの国際電話は001と3桁なので、これを気にする場合は00X(Y)と書いたりもします。 この応用で、国内の長距離中継サービスの電話番号を00XY−0ABCDEFGHJと書いたりします。
ドコモ基地局名で使われる略語
CV民間基地局
SSスモール基地局
STスポット基地局
RK光張り出し子機
BFFOMAブースター
BC BM簡易FOMAブースター

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First write 2002/3/30, Final update 2007/7/22