1/1250スケールの艦船模型・洋上模型は日本ではあまり一般的ではありませんが、実は世界的には1/700以上にメジャーな存在です。
日本ではウォーターラインシリーズやピットロードのすばらしい製品のおかげで、洋上模型といえば1/700がスタンダードなスケールとなっています。これはプラモデルとして作ることを楽しんだり、改造をしたりといった楽しみ方には非常に適したサイズです。
しかし一方、第一次大戦の頃からイギリス・アメリカでは1/1200による洋上模型が製作、販売されていました。また戦間期にはドイツで1/1250の模型が作られ始め、次第にその精巧さからスタンダードの地位を得ました。戦後、洋上模型の世界ではこれが標準となっています。
その製品サイズは当然ながら驚くほど小さく、しかしながら(多少メーカーによる差はありますが)非常に細密なものです。プラスチック製ではなく、ラテックス・ゴムの鋳型に真鍮や錫を流し込んで鋳造され、塗装済み完成品として販売されています(一部キャスト整形のものもあるようです)。作って楽しむのではなく、純粋にコレクションのための模型なのです。
プラモデルのような高価な金型が必要ないため、多くのメーカーから様々な種類の船が販売化されています。
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その範囲は非常に多岐にわたります。近代の戦闘艦はもちろん、18世紀から第二次大戦にいたる各国の艦船、戦前戦後の大西洋航路の花形だったオーシャンライナーたち、メガシップと呼ばれる現代の豪華客船等など、水に浮かぶものならまさになんでもありです。特に第二次大戦中の艦船は、1,000トン以下の補助艦艇までほとんどが網羅されています。大きさを見ても、数十万トン級のタンカーから数トンのタグボートまで。欧米メーカーが中心ですから商船などはヨーロッパのものが数は豊富ですが、だからといって日本の船がないということもありませんし(日本艦は世界的にも人気のあるジャンルなのです)、日本のメーカーもありますので現用の護衛艦や国内の客船、フェリーなども一通り揃っています。1/700ではこうはいきません。まさにありとあらゆる大きさ、時代、種類の船を、卓上にコレクションすることができるのです。
このページでは、まだ数は少ないのですが立田山が所有する1/1250洋上模型の画像を展示しています。1/700ファンの方も是非このプラモデルとはちょっと違った1/1250の世界を覗いてみてくださいませ。
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