5章 暴れ柳

  フレッドとジョージは、その夜の締めくくりに「ドクター・フィリバスターの長々花火」を仕掛け、台所をいっぱいに埋めた赤や青の星が、少なくとも三十分は天井と壁の間をポーンポーンと跳ね回った。
 家の中で花火って迷惑だと思うんですけど……。こういうのはモリーは怒らないのかな。

 またいつ来れるのだろう、と思うまもなく、車は引き返した。ジョージがフィリバスター花火の箱を忘れたのだ。五分後、まだ庭から出ないうちに車は急停車した。フレッドが箒を取りに走って行った。
 花火って、そんなもんどうだっていいでしょう! と私なら怒るなあ。フレッド、箒忘れるってそりゃひどすぎるだろう(笑)。二人とも……。

 パーシーがきびきびと前進し、消えた。ウィーズリーおじさんが次で、フレッドとジョージがそれに続いた。
 常にきびきびしてるのね、パーシー。で、フレッドとジョージはいつも続いていくのねん。

 それに、ホグワーツの城の広々とした芝生に、はなばなしくスイーッと着陸したときのフレッドやジョージの羨ましそうな顔が見えるようだ。
 ロンならともかく、ハリ−まで双子に対抗意識持たなくても(笑)。

 フレッドとジョージが人並を掻き分けて前の方にやってきて、口をそろえて言った。 「オイ、なんで、俺たちを呼び戻してくれなかったんだよ?」
 呼び戻せたら車で来なかったんだよ。で、二人は羨ましそうな顔をしたんだろうか。





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