土井「まちんに鉄の粉をまぜて食わせると即死するという」




けっこう怖いことをさらりと言う人です。
さて、この「まちん」という植物ですが、聞いたことがないので幾つかの植物図鑑を見てみましたが、植物の全体像はわかりませんでした。『本草図譜総合解説』という図鑑では、種子の絵はありましたがまるで裏返したシイタケのようでした。
まちんはその種子を「番木鼈」(ばんもくべつ)「馬銭子」「ホミカ」と呼び、熱帯アジア産の生薬で中国には『本草綱目』に初めて記載された。「ホミカ」はアルカロイド、ストリキニーネ、及びbruncineを主成分とし、総アルカロイドの50%近くを占め、毒性が極めて強く、生薬をそのまま薬用にすることはなく、ホミカエキス、ホミカチンキ、硝酸ストリキニーネの製造原料とする。ホミカエキス、ホミカチンキは消化不良、胃下垂症などに健胃剤として処方に配合して使用し、硝酸ストリキニーネは中枢神経興奮薬として諸種の症状に用いられるが、毒性が強く、中毒量ではわずかな刺激で全身が強直性けいれんを起こす。
毒と薬は使い方次第ですが、「まちん」が胃の薬になるとは意外でした。