書籍紹介


扶桑社ミステリー アン・ライス著、柿沼瑛子訳「トニオ、天使の歌声」
 (上巻下巻に分かれた文庫本) 2冊とも800円+税
1人のカストラートの生涯を書いた作品 下巻の最後に増山のりえ先生の解説あり

「TOKYO FM少年合唱団 20年のあゆみ」


 ウィーン少年合唱団をはじめ、世界の少年合唱団について採り上げた書籍はそれなりにありますが、日本の少年合唱団に関する書籍は、ほとんどないというのが実情でしょう。磯部俶の自伝エッセイ「遙かな友に」の中にフレーベル少年合唱団のことが採り上げられた数ページと、もともと少年合唱団として出発した東京少年少女合唱隊の「歌おう 東京少年少女合唱隊 50年の挑戦」ぐらいかもしれません。アルバムとしても、桃太郎少年合唱団第40回定期演奏会のときに発行されたメッセージと写真で綴られた豪華なプログラムがあるぐらいです。
 2005年、TOKYO FM 少年合唱団が創設20周年を迎えましたが、その20年のあゆみをを編集したアルバムが発行されました。フルカラー88頁の豪華版で、過去のすべての定期演奏会、外部出演、海外公演の記録、合宿等が掲載されています。
 写真集ではありますが、定期演奏会のプログラムも掲載されていることから、この合唱団がどのような曲を採り上げて演奏きたかということがよくわかります。指導者がプロの音楽家であることから、いわゆる教育音楽としての合唱曲だけにとどまらない多様な選曲が見られます。また、写真を見ても、視覚的にも楽しめる演出がある合唱団であることがわかります。さらに、この20年間の制服だけでなく少年服の変遷が伺えるのも、写真集ならではです。
 卒団生たちの一言も、短い言葉の中に万感が込められており、読みごたえがあります。あの美しい歌声を届けてくれた少年が、ステージの裏側ではこんな悩みをかかえながら頑張っていたのかということを知るとき、かえって感動が大きくなるのを覚えます。

桃太郎少年合唱団創立50周年記念誌


   平成24(2012)年、桃太郎少年合唱団は創立50周年を迎えました。11月には記念定期演奏会を行いましたが、それに先立って同年8月に創立50周年記念誌を発行しています。ページ数も128ページからなり、桃太郎少年合唱団の紹介や歴史はもとより、多くの写真によって飾られています。
特筆すべきは、多くの紙面を使って、当時の三木行治岡山県知事の情熱によって桃太郎少年合唱団が誕生したことが描かれていることです。また、日本の少年少女合唱団組織への参加を通して、児童合唱の振興に貢献したことや、数少なくなった少年合唱団の調査を通して、組織化を図っていったことは、高く評価されますが、これらの詳細についても記述されています。







「音楽現代」’14 3月号

  

ボーイ・ソプラノのコンサート評が、著名な音楽雑誌に掲載されることは、極めて稀なことです。ところが、「音楽現代」’14 3月号 142ページ(写真は136ページ)には、津嶋りえこが、平成25(2013)年12月23日にサントリーホールで行われた東京ヴィヴァルディ合奏団 第14回ファンタジックなクリスマス(独唱 栗原一朗)のコンサート評を書いています。限られた紙面の中で、栗原一朗の歌の本質について正鵠を射た批評を書いています。

 隔月刊 Hanna(ショパン5月号別冊第61号)


 日本の児童合唱を長年にわたってリードしてきた東京少年少女合唱隊正指揮者長谷川冴子先生が、「日本の少年合唱」という表題の記事(話し言葉で書かれているので、おそらくインタビューをもとにして編集されたものと考えられる)が、掲載されていました。約60年近く前のウィーン少年合唱団の来日が日本の音楽教育や児童合唱界に与えた影響から始まって、その後の日本の社会的変化の中で、「うたごえ運動」「ママさんコーラス」「合唱コンクール」などがどのような変遷をしてきたかとか、時代と共にそこから派生した課題など、少年合唱について巨視的な観点から述べられています。






 歌唱指導を通した人間教育
「白ひげ先生の心に響く歌唱指導の言葉がけ」
                     蓮沼 勇一 著


 この本の存在を知ったのは、今年(2015)年3月の暁星小学校聖歌隊のチャリティコンサートの会場に、見本本が置いてあったことがきっかけです。これまでも蓮沼先生は、ビデオやDVDを通して、全国の音楽教育、とりわけ合唱指導者に多くの指導上の示唆を与えてこられました。ところが、この本は、蓮沼先生の歌唱指導の在り方を文章化しただけにとどまらず、一冊全体が人間形成・人間教育のための本に感じられました。この著は、大きく、気持ちづくりの章、声づくりの章、曲づくりの章からなっていますが、どの章でも日頃の児童への言葉掛けや、その指導を支える理念のようなものが、強く感じられ、何によって人は育つのかということを考えさせます。また、終章は合唱や音楽を通して学べることや教師の在り方にまでふれられています。暁星小学校の児童は、卒業してから社会の様々な分野で活躍しています。そのうち何人かは職業として音楽の道に進むこともあるでしょうが、ほとんどの卒業生にとって音楽は趣味などの人生を豊かにしてくれるものになるでしょう。そのときに、永久に生き続けるものは何かを考えたとき、終章の言葉にたどり着きます。そのような意味で、この本は音楽教育に携わる人はもとより、教育に関心のあるすべての人にとって座右の書になることでしょう。


 「童謡百年史」   童謡歌手がいた時代
                                                       井上 英二  著


   今年(平成30年)は、鈴木三重吉の児童雑誌『赤い鳥』発刊から百年ということで、そこから誕生した「童謡」百年記念の演奏会等の行事や出版が行われています。日本における「子どものための歌文化・童謡」は世界に類のないものといわれており、それらの歌への愛着は今もなお根強く残っています。ところが、大正時代と昭和20~30年代に多く作られた童謡の名曲の愛好者はむしろ高齢者に多く、若い世代に歌い継がれていない傾向もみられます。現代においても「だんご三兄弟」のように新しい童謡も作られ歌われてはいますが、一時的なもので永続性に欠けるようです。本著は、童謡文化の歴史をたどりながら、その魅力を多面的・多角的に語っています。また、副題にもある童謡歌手が童謡を広める上で果たした役割の大きさについて述べているのが本著の特色の一つでもあります。
 著者の井上英二氏は、元日本コロムビア学芸部プロデューサーということで、特に録音された童謡については、詳細な記録をもとに執筆しています。とりわけ、第四章 レコード文化の隆盛と童謡歌手においては、「ボーイソプラノの活躍」という一項を設けて、藤山一郎、村山忠義、金子一雄、石井亀次郎、加賀美一郎、桑原研郎、土屋忠一、土屋道典、岡田孝、佐々木行綱、河野ヨシユキを採り上げて8ページにわたってその録音について記載しています。ただし、これほど多くのボーイソプラノたちの歌声を耳にしていながら、歌唱の特色についての記載はほとんどなく、録音された記録の記載が中心であることが惜しまれます。
  また、土屋忠一と土屋道典とは兄弟であろうかと、確かなことは述べていません。これについては、以前このホームページに投稿されていたTosiさんも同様に述べています。そこで、この分野において近年情報を頂いている方に問い合わせたところ、土屋道典と同時期に在団したひばり児童合唱団の卒団生の方より、兄弟ではないという確かな情報を得ました。これで、長年の謎であったこの問題に結論が出ました。

「桃太郎少年合唱団とともに半世紀」
          
                   棚田 國雄 著


 著者の棚田國雄先生は、昭和37(1962)年の桃太郎少年合唱団創設以来、創立50周年記念定期演奏会までの半世紀にわたって、桃太郎少年合唱団を指導してこられました。現在は名誉団長になっておられ、指導を後進に譲られましたが、平成30(2018)年11月23日の定期演奏会の後には、関係者が集まって米寿のお祝いをしました。この40ページほどの小冊子は、公式記録を中心に編集された創立50周年記念誌に載せられなかった指導者として取り組んできたことはもとより、今だからこそ語れる練習場と近隣との関係のエピソードに到るまでが詳細に写真入りで描かれています。この冊子を読んで、少年合唱団を創立することよりも、長期間にわたって少年合唱団を維持・発展していくことの方がいかに難しいかを痛感しました。桃太郎少年合唱団が創立したころ、ウィーン少年合唱団等の来日を契機として、児童合唱への関心が高まり、全国各地で少年合唱団が創立されましたが、数年経つと、少年少女合唱団に移行したり、解散したりするところが相次ぎました。棚田先生は桃太郎少年合唱団を育成するだけでなく、日本各地の児童合唱団はもとより、ウィーン少年合唱団やレーゲンスブルグ大聖堂少年合唱団等と交流することで、視野を広め、音楽の質的向上を図ろうとされました。また、数少なくなった日本の少年合唱団の調査を通して、「全国少年合唱大会(祭)」という形で、その組織化を図っていこうとされた志は、高く評価されますが、同時にこのような宿泊を伴う形での交流の難しさや、指導者の交代等による継続の難しさも感じます。棚田先生は、自らが指導された桃太郎少年合唱団だけがよくなればよいという狭量な考えではなく、日本に児童合唱の文化(とりわけ少年合唱の文化)をそれぞれの地域に根付かせようという高邁な理想を実現しようとされました。この冊子は、書店で入手できませんが、この道一筋に生きた音楽教師の生きざまを知る上で貴重な資料になっています。

 少年合唱団―天使の歌声 (エトワールブックス)
                                                     2004/7/1 ダンスマガジン (編集)

  「今更、この本を紹介しないでもよいでしょう、」という声が聞こえてきそうですが、20年近く前にこの本が出版されて以来、日本で、少年合唱団をテーマにして描かれた単行本が書店で発売されていないというところに、今の日本のおける少年合唱をめぐる実態が反映されているように思います。
 この本に描かれているのは、主として海外のウィーン少年合唱団、テルツ少年合唱団、聖トーマス少年合唱団、パリ木の十字架少年合唱団等著名な少年合唱団のことが中心で、当時人気が上昇してきて初来日したリベラやこの時期に存在したイギリスの聖歌隊のトップソリストを集めたboys air choirも採り上げられています。それ以外の合唱団は1ページ程度の簡単な紹介です。また、日本については、暁星小学校聖歌隊のことがわずかに記載されている程度で、その辺りは不満もありますが、実態として日本の少年合唱団の多くは、その演奏を鑑賞した人のほとんどがその合唱団(隊)が在住する地域に限定されていることもあって、所属する合唱連盟の演奏会に参加したり、年に1度ぐらい演奏旅行することはあっても、その演奏の姿が全国的に知られているとは言えないと評価されているのではないかと思われます。
 ただ、この本のよい特色は、ボーイソプラノの歴史やその魅力にも触れていることで、ビブラートのない硬質の声は、変声前の少年期だけに与えられたものであり、「癒し」という側面を持っていることに触れられていることです。
 それ以後、少年合唱団を扱った書籍が全国区で出版されていないのは、日本において少年合唱の人気が高いとは言えないことがその理由でしょうが、この本は、この紹介文を書く時点で20年近く発売され続けており、現在の日本においては、この分野の入門書としての位置づけはされるのではないかと考えられます。

 ウィーン少年合唱団に特化して書かれた書籍

 これまで、ウィーン少年合唱団に特化して書かれた書籍は、管見によれば、日本では6冊発売されています。また、以前紹介したダンスマガジン 編 『少年合唱団 天使の歌声』新書館や、長谷川新一 著「世界の少年合唱をたずねて」 東京音楽社(後年、「うたごえはひびく~世界の少年少女合唱団をたずねて~」として出版)のように、世界の多くの少年合唱団を紹介する中で部分的に採り上げているものを入れるとさらに多くなるでしょうが、ここでは、省略します。また、それ以後書籍は出版されていませんが、1980年代後半以降、ウィーン少年合唱団を紹介するVHSビデオが発売されており、短時間で視覚的に歴史や団員の練習風景や生活を把握することができます。

 ① アレキサンダー・ヴィテシュニック 『ウィーン少年合唱団』金子登・金子エリカ 共訳(7版)
               東京音楽社 原著・初版:1969年 1983年3月 (原著1969年)- 7版

  この本が出版されたのは、1969年で、日本において少年合唱を含む児童合唱が非常に人気の高い時期でした。日本で児童合唱が一番盛んであったのは、1960年代で、1970年代には既に一時的なブームは去って、下降線をたどっていました。しかし、第二次ベビーブームと重なってきたので、この頃、児童数は多かったと思います。ウィーン少年合唱団の来日もこの年6回目(2~3年に1回)となり、そのたびに来日記念盤としてLPレコードが発売されていました。

  原著者のアレキサンダー・ヴィテシュニック(Alexander Witeschnik)は、l909年ウィーンで、オーストリアの古い音楽家の家系の一員として生まれました。ウィーンでゲルマン学と音楽学を学び、1933年哲学博士の称号を受けました。はじめは、ウィーンにある大出版社の主筆となり、以来文化記者として、また音楽批評家としてウィーンの一流紙に寄稿、そのかたわら、ウィーン国立オペラ劇場の広報担当者となって同劇場百年祭記念展覧会の準備などを行いました。また、ウィーンフィルハーモニーの公演旅行の常置随行者であり、カラヤン指揮による世界公演旅行についての著書も著しています。オーストリア楽界の基礎的知識についての研究、評論の著者として多くのすぐれた作品を発表していますが、1959年教授の称号を受け、1965年美学者として芸術家としてオーストリアの勲章を受けました。  

 本の構成は、グラビア(天使はほほえみ天使は歌う 楽しいオペレッタ 明るい友情のなかで 世界の旅のアルバムからの4つに分けて掲載)、本文、楽譜、特別付録ステレオレコード(ウェルナーの「野ばら」モーツァルトの「お前たちが語るならば」)からなる豪華なもので、140ページ+楽譜で1200円です。さすがにこの当時カラー写真は少ないですが、白黒写真も多く掲載されており、この当時の本としては、かなり視覚的に訴えるものです。哲学や音楽学を修めた評論家によって書かれているため、本著は、特にウィーン少年合唱団の歴史について、資料をもとに深く堀り下げています。

 本文は、全体の前文とも言える「けがれ知らぬうたごえ」に始まり、ウィーン少年合唱団の前身となるハプスブルク帝国の宮廷音楽隊に発する歴史的な経緯をつづった「歴代皇帝の寵児」「もっとも有名な少年合唱団員」「軍服に身をかためて」「救い主ヨセブ・シュニット」、現在のウィーン少年合唱団の団員の生活や演奏旅行のことについて書かれた「少年合唱団員の牧歌生活」「ヒンタービッヒュル」「アウガルテン宮殿にて」「後継者」「ヴェルテル湖畔の休暇楽園」「少年合唱団員としての生涯」「天使が旅にたてば」、1962年に撮影されたディズニー映画「歌うために生れて」(邦題"青きドナウ")、「ウィーン少年合唱団の秘密」からなるもので、作者が音楽評論家でもあることから、文章はやや硬い感じがします。

 当然のことながら、半世紀以上前の本ですから、インターナショナル化した現在のウィーン少年合唱団とは違うこともありますが、この当時は、プログラムにオペレッタがかなりの比重であったこと、日本にもそれまで5回来日しているため、日本での写真では、鎌倉の大仏を背景にした写真と共に、皇太子殿下(現 上皇陛下)と幼い浩宮様(現 天皇陛下)が出迎えた写真や、佐藤栄作総理大臣が迎えた写真などもあり、浩宮様は、当時からウィーン少年合唱団のファンであったことなどが書かれています。

 ② ラインハルト・ティール 『天使はうたう ウィーン少年合唱団物語』堀江みどり 訳
                       東京音楽社
1983年3月 原タイトル:Als ob Engel singen

 前著『ウィーン少年合唱団』が出版されてから10年経つと、歴史的なことは、新説が現れない限り変わらないにしても、それ以外のことでは変わってくることもあります。

 本著は、ドイツのフランクフルト生まれのラインハルト・ティール(Reinhard Thiel 1952年生まれ)が、1979年にウィーンに取材に行ったものをまとめて翌年1冊の本にまとめたものですが、20歳の時、ミュンヘン・ジャーナリスト学校でジャーナリズムの勉強を始め、優秀な成績で卒業後、ドイツの三大新聞に、編集記者として勤め、1979年、子どもの交通事故についての連載記事で「クリストフォルス著作家賞」(交通およびそれに関する諸問題を扱った優秀なジャーナリスト活動に対し、ハンブルク・クリストフォルス財団より贈られるもの)を受けるなど、ジャーナリストとして活躍しています。本著は、受賞直後、他の分野での経験をさらに深めるため、当時の仕事の"一時休業"を決意。ウィーン少年合唱団についてのルポルタージュに着手。その取材中に、合唱団でプレフェクト(教育係の先生)を一人さがしていることを聞き、応募して、タウチュニック理事長の許可を受けて、合唱団に入って内部からの情報を掲載しています。

 そのようなことから、ウィーン少年合唱団について書かれた前著 『ウィーン少年合唱団』と比べて、カラー写真を含む写真が多く掲載されているだけでなく。文章表現が柔らかく、内部にいなければわからないようなことも書かれており、読みやすくなっています。本の構成は、ウィーンとその少年合唱団、歴史について少し、ヨーゼフ・シュニット、少年合唱団員だった大音楽家、といった歴史的なことと比べ、制服までの長い道、アウガルテン宮殿、少年合唱団の一日、オペラの世界、"声がわり"すると、組織と役割と運営と、"正しい教育"への信念といった現在の団の組織運営やと団員たちの学び・遊んで、交友する姿に重点が置かれて書かれています。文章は、前著よりも平易で、しかも生活の写真が多いので、大変わかりやすいです。値段も164ページで3000円とこの時代の本としては豪華本です。

 序文を書いた当時理事長でもある卒団生のヴァルター・タウチュニック(Walter Tautschnic)博士は、団員の生活についてもっと詳しく知りたいという声が団に多く届いたことについて、この著書を通してきちんと答えようと心がけています。この姿勢が、一貫しており、ウィーン少年合唱団について正しくしることができるようになった点でも、価値ある一冊です。

 ③ 竹宮惠子『ウィーン幻想』 白泉社 1979年1月

 漫画家で京都精華大学名誉教授・元学長の竹宮惠子(1950~  )が、少年合唱ファンで、『鏡の国の少年たち』の中でも、世界の少年合唱団や少年歌手について採り上げていることは知られていますが、1冊全体としてウィーン少年合唱団を採り上げた著書としては、『ウィーン幻想』が挙げられます。

 『ウィーン幻想』は、これまで雑誌に掲載されたウィーン少年合唱団を舞台にした漫画「アウフ・ヴイーダーゼーエン」「アンドレア」「ウィーン協奏曲」に加え、旅行記「古き良き維納-初めてのウィーン印象記-」、エッセイ「少年の光と影」、訪問記とタウチェニク団長や団員との対談「ウィーン少年合唱団訪問記」コラム「ウィーン少年合唱団こぼれ話」から成り立っています。

 漫画そのものは、竹宮惠子による創作ですが、この著書で興味深いのは、タウチェニク(本著ではこのように表記されています)団長との対談です。そこには、経営者としての工夫と苦労が述べられています。それを列記すると、
 ①変声期(肉体的成長)が、どんどん早まってしまったため、音楽を深くすることが難しく、一人のソリストが歌う期間が短いこと。また、かつては家庭や学校で歌を歌っていたが、そのような文化が廃れてしまったこと。そのため、なるべく早い段階から合唱団に入れて、寄宿生活をすることことが重要になってきていること。
 ②制服の歴史とか制服を身につける意味の指導。
 ③歌声は残しても、歌った団員の名前は残さないこと
 が挙げられます、この著書は今から40数年前のものですので、現在の視点からすると変わってきているものもあります。①は、第二次世界大戦後、特に先進国では変声期が急激に前傾化したこともあるでしょうが、近年は、多少落ち着いてきているのではないでしょうか。しかし、10歳で入団しても、12~13歳で変声期を迎える団員が増えてきています。実際にステージを見ても、アルト側で歌っている体格の大きい団員のかなりが変声期に入っていると感じます。②の制服に誇りを持たせる指導は、現在も変わらないと考えられます。③については、かつて(1950年代)あるいは、それ以後(マックス・エマニュエル・ツェンチッチ等)、名前や顔写真を付けたレコード・CDを発売したことがあるので、ある部分は、時代とともに変わるのではないかと考えられます。最近は個人情報保護の観点からか、ファーストネームしか公表していません。

 ④ 『ようこそ天使たち ウィーン少年合唱団'86年来日記念号.』東京音楽社 1986年4月   『ショパン』別冊

 この著書は、「ショパン別冊」ということから、本というよりも雑誌という扱いかもしれません。しかし、売れる見込みが全くない雑誌を発行するはずはありません。出版社名は、「東京音楽社」から現在は「株式会社ハンナ」になっていますが、現在もピアノ雑誌としての「ショパン」は、継続発行されていますし、かつては、その中に少年合唱やボーイ・ソプラノの記事があったこともあります。それよりも、日本で合唱が盛んであった頃は、「合唱界」(1956-1969)「合唱界ヤング」( ? ~1972)を発行していました。
 2~3年に1度来日することが通例になっていたこの頃、この年が特別な年であったかどうかはわかりませんが、来日してすぐの東京や沖縄の公演やレセプションの写真等を巻頭に置き、本文としては、これまで同社が刊行したウィーン少年合唱団の著書で書かれた歴史と生活をさらにかみ砕いて紹介し、ウィーン少年合唱団についてのいろいろなこと、例えば、団員への手紙の出し方のようなことをQ&Aで答えるという手軽な冊子と言えるでしょう。お値段も980円(消費税のない時代)で、1000円出すとおつりが来ます。
 ちなみに、質問には、次のようなものがあります。手紙の出し方/ウィーンで聴くには/どんなオペラに出ているか/参加している音楽祭/出演している映画/指揮者のその後の活動は/どんな国へ行っているのか/来日に同行してくる人はどんなことをしているのか/声変りしたら/寄宿舎から家に帰るときは/休暇の家はどこにあるか/団員番号/私服と制服/団員の寝起きする部屋/飲みもの/来日中何をしているのか/演奏旅行中、家族との通信は/団員と話してみたい
 また、読み物としては、「宮廷内礼拝堂のミサとアウガルテン宮殿のコンサート」と「夢のように過したウィーンでのクリスマス」があり、「来日したウィーン少年合唱団 思い出の少年たち」の特集があり、熱心なファンにとっては貴重な文献と写真になったことでしょう。
 さらに、ウィーンの観光についてもかなりの紙面が採られており、をQ&Aで答えています。当時は、ウィーンへの直行便もない頃ですので、ウィーンに行きたい人にとっては、役立つガイドブックになったことでしょう。
 音楽の都ウィーン街(まち)案内Q&A留音楽の都/ウィーンへのルート/航空券の購入/ホテル探し/市内の交通/名所/食べもの/買いもの/名産品/音楽祭/コンサート/服装/電話/郵硬/トイレ/ウィーンの人の楽しみは?
 さらに、同社が発行しているブックガイドや第12回日本公演日程 メンバー Aプログラム Bプログラムなども掲載されています。ここで気になったのは公演の回数で、3月22日から6月8日までの間に、北海道から沖縄まで全都道府県ではありませんが、全57公演行っていることです。今年(2023年)は、コロナ禍直後とはいえ、5月3日から6月18日までの28公演(しかも東京が7回)と半数以下になっていることは、日本における少年合唱の人気の低下(特に地方)やファン層の高齢化があるのではないかということが危惧されます。

⑤ フランツ・エンドラー 著、門屋留樹、門屋厚子 共訳 編 『アウガルテン宮殿から ウィーン少年合唱団苦難と栄光の歴史』
        東京音楽社、1989年3月 - 付属資料(録音ディスク1枚8cm袋入)

 この著書の特色は、フランツ・エンドラー(著者)と、ブリッツ・シーマーク(カメラマン)が共に、元団員であるということです。従って、共通の体験をしてきたことから、歴史的な視点から文を書き、現在の団の姿を公と私の両面から最新の写真を撮って掲載しているというのが特色と言えます。ただ、著者の経歴等は、音楽評論家であることぐらいしか載っておらず、顔写真も団員当時のものが掲載されているため、1948年から在籍していたこと(当時10歳として、執筆時は、50歳ぐらいでしょうか。)ぐらいしかわかりません。あとがきの文から、タウチェニック会長とも親しい訳者によって小見出しをつけて、終章は日本の読者のために書かれた部分を加筆されたものであり、訳者によって、かなりわかりやすく書き直された部分もあると考えられます。 
 著書の構成は、前と後にカラーページの(当時の)ウィーン少年合唱団の歌ったり、学んだり、遊んだり、演じたりしている写真で、本文は、ウィーン少年合唱団の歴史や団員の生活を俯瞰的にいろいろな角度から述べています。「ウィーン少年合唱団と日本の友だち」は、まさに、日本の読者向けにそのかかわりを肯定的に述べて加筆されたものと言えます。また、1926~1987年までの海外演奏旅行記録が付録として掲載されています。
 歴史に学ぶことは大切であると同時に、歴史は、常に新たなページが、書き加えられていきます。この著書が出版されてから約35年が経ちます。その後、インターナショナル化し、ステージにおいては、オペレッタをプログラムから排し、2部構成となった現在のウィーン少年合唱団の姿について書かれた本は、まだ日本では単著として出版されていないのが現実です。 

 ⑥ ショパン編集部 編   『ウィーン少年合唱団 たのしいオペレッタ』  東京音楽社 2002年3月

 平成4(1992)年に発売されたこの本は、ウィーン少年合唱団がレパートリーとしていた写真とその解説本と言った方がよいかもしれません。この当時(昭和~平成の初め頃まで)、ウィーン少年合唱団の公演プログラムは、第1部 宗教曲 第2部 オペレッタ 第3部 オーストリア民謡・ドイツ歌曲・公演した国の歌・シュトラウス家の音楽という構成になっていました。日本公演だけがそうであっただけではないことは、ウィーン少年合唱団が出演する映画『野ばら』や『青きドナウ』でも、オペレッタの場面は出てきます。『野ばら』は、モーツァルトの『バスティアンとバスティアンヌ』、ドレクスラー(Josef Dreschsler 1782-1852)の『優しいお兄さん(愛しの兄弟)』、『青きドナウ』では、ヨハンシュトラウスⅡの曲をアレンジした『古いウィーンの物語』の練習の一場面が出てきます。このようなプログラム構成は、20世紀までで、21世紀からは、このオペレッタはなくなり、現在の2部構成になっています。

 古くからのファンは、このオペレッタに懐かしさを感じていると思われます。この本では、オペレッタのあらすじとその写真、あるいはあらすじだけが18作品紹介され、巻末には日本公演における上演記録を掲載しています。第1回の来日では2演目でしたが、第2~4回の来日では3演目で、それ以後2演目にもだったことなど、ウィーン少年合唱団のファンには興味深いことが記載されています。

 オペレッタは、ヨーロッパで生まれ発展した音楽劇で、イタリア語をそのまま訳せば、「小さいオペラ」となりますが、時間的に短いものばかりではなく、日本では以前は「喜歌劇」と訳されていたこともあります。ほとんどは、コミカルなものが多いですが、必ずしもすべてが喜劇ではありません。オッフェンバック、スッペ、ヨハン・シュトラウスの作品は、オペレッタと呼ばれるものが多いと言えます。オペレッタは、歌やオーケストラの演奏する音楽と、セリフの部分から成り立っているところがオペラとの大きな違いでしょう。これから発展して、ミュージカルが生まれました。

 さて、ウィーン少年合唱団が、21世紀になったころから2部構成になってオペレッタを全く採り上げなった理由は、女装を嫌がる団員がいる、教育的な配慮から、団員がインターナショナル化した等諸説ありますが、本当のところは不明です。

 ⑦ パッハー・眞理 『アウガルテン宮殿への道 ウィーン少年合唱団とともに』 ショパン、2002年4月

この著書は、これまでに出版されたウィーン少年合唱団関連の著書と大きく違います。それは、ウィーン少年合唱団員の息子をもった日本人の母親の視点で書かれた著書であるからです。著者のパッハー・眞理は、プロフィールを見ると、指揮者の佐藤菊夫、チェンバリストの西川清子を両親として、オーストリアのウィーンで生まれ、ウィーン国立音楽大学、ロンドンギルドホール音楽院でピアノ・打楽器を学び、1982年ハンスローピアノコンクール協奏曲部門で1位。1984年ケント州ブロンベリーピアノコンクールショパン部門2位。1980~86年ピアノ教室寺子屋を創立。1986年自動車事故のためロンドンを離れ、生まれ故郷のウィーンに戻り現在に至る。と書かれていますが、その後のプロフィールを見ると、人生の40年は海外暮らし。ロンドン7年、ニューデリー3年滞在し、現在は東京を拠点に海外事情を発信している。ジャーナリストの実績が認められ2017年オーストリア政府より十字厚労勲章を受賞したジャーナリストとして、本著のほかに、『ニッポンの評判』(共著・新潮新書)、『インディ泥んこウィーン生活』(文芸社)があります。
 1970年頃、日本人の少年が、ウィーン少年合唱団に入るかというニュースが流れたことがありましたが、結局言葉(ドイツ語)を話すことができないという理由で入団できなかったということがありました。現在は、インターナショナル化しており、約30か国から団員が入団しているようですが、例えば、ウクライナ難民の場合、言葉の指導・援助などどうしているでしょうか。
 著者の長男アンディがウィーン少年合唱団の入団試験を受けるところから始まり、合格して、団員になって寄宿舎生活を送りながら、内外のコンサート活動や、いろいろな形をとっての親子の対話、親同士の会話など、内部にいなければわからないことが綴れれているエッセイ風の著書です。

 竹宮惠子(恵子)著『鏡の国の少年たち』

   ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』をイメージしたという表紙を見ると、文学的な雰囲気があり、少女漫画で、その世界を表現した本かと思えば、文学や映画における少年について述べたことが前の半分で、後の半分くらいは少年歌手や少年合唱団の記事です。この本が発行された昭和55(1980)年当時、日本における少年(児童)合唱はすでに峠を越えた頃でもありましたが、海外の少年合唱団は、毎年入れ替わりながら来日公演をしていた時期でもあります。また、著者の竹宮惠子(当時は恵子)は、この著書を上梓する前年、LP「過ぎゆく時と友だち」をリリースしたこともあり、前年には、ウィーン少年合唱団をテーマとする漫画やウィーン少年合唱団を訪問したときのことを描いた『ウィーン幻想』 も上梓されており、これまでと違った層の人々が少年合唱に興味をもつようになってきていました。

 内容は、自分の人生の中で出会った少年合唱団(聖歌隊)や少年歌手を綴ったものであり、特に、これまであまり知られることのなかったレーゲンスブルグ大聖堂聖歌隊を訪問した時のことが大きく取り上げられています。当時、海外までこの分野の取材に行ったり、レコードを買って紹介したりする人はほとんどいなかったため、そこから入ってくる情報は、これまで日本に出回っていたウィーン少年合唱団の翻訳本などと違って、文章の読みやすさとあいまって、親しみの持てるものになっていました。また、当時は日本で知られていなかったハインチェのような少年歌手やサイモン・ウルフのようなクラシック系のソリストのLPを紹介したことも、日本にいるだけではわからないことが多いことを知らされました。 最後には、今日本で入手できるウィーン少年合唱団のLPレコードが写真入りで紹介されており、全体的に「竹宮惠子の世界」を表した一冊となっています。

 『少年合唱団』 天使たちのコンサート

 『少年合唱団』―天使の歌声 (エトワールブックス)2004/7/1 ダンスマガジン(編集)が発売される20年近く前の1986年に、このムック本は発売されています。雑誌「ダンスマガジン」を発行している会社ですから、実は、同じ会社から、発行されていると言えます。しかし、この時代は、1960~1970年代という大きな峠を越えていたとはいえ、まだ、日本において少年合唱をはじめとする児童合唱は盛んな時期でした。
 そのような時代背景の下、カラー写真を含む写真満載の120ページの本が出版されたこと自体、当時の日本における少年合唱の人気を反映していると考えられます。同年4月には、東京音楽社より『ようこそ天使たち ウィーン少年合唱団'86年来日記念号』が発行されていることから、その違いなどにもふれてみましょう。また、テルツ少年合唱団は、この年に初来日しました。

 先ずこの本は、特集1.ウィーン少年合唱団、特集2.テルツ少年合唱団、特集3.世界の少年合唱団力夕ログ+当時のトップソリストの紹介や制服、外国のレコードの買い方などの3部構成になっています。また、執筆陣も、当時の日本を代表する音楽評論家や音楽にも造詣の深いドイツ文学者、合唱指導者を前面に出しながらも、漫画家で世界の少年合唱団に関心が高く『バイエルンの天使』を通して、日本にテルツ少年合唱団を紹介したと言ってもよい桵沢(たらさわ)みちなど、豪華な執筆陣が並んでいます。このことから、当時の日本では、ドイツ語圏の少年合唱が主流であったことがわかります。なお、この年、テルツ少年合唱団は、初来日をしています。

 さらには、その当時の日本には、その名前さえほとんど知られていなかったテルツ少年合唱団のアラン・ベルギウスや、LPやCDが次々と発売されることでその名を知られるようになってきたアレッド・ジョーンズが大きく取り上げられています。また、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの「レクイエム」の初演にも携わったポール・マイルズーキングストンのQ&Aも採り上げられています。この本が発行された当時、日本で少年合唱の鑑賞を目的とする海外旅行をする人は限られており、外国のレコードを入手する方法がわからず、文章と写真から海外のソリストを想像するしかなかった当時の少年合唱ファンにとって、さらに想像を深める一冊であったと言えるでしょう。そういう意味では、文章の一つずつは短いとはいえ、多くの執筆者によっていろいろな角度から海外の少年合唱が論じられ、その活躍が日本の児童合唱への影響が述べられているという意味でも貴重な本であったと言えましょう。

 『ラヴェンダー・エンジェル』

  『ラヴェンダー・エンジェル』は、本全体としては、スクリーンに登場する少年子役や漫画における少年、パブリックスクール等について紹介しているムック本です。従って、この本全体を紹介しても、本ホームページの趣旨に合わないところも出てきますので、増山法恵が語った「天使の歌声~合唱団・聖歌隊・少年歌手」の部分のみを採り上げて、論評します。本にも、文を掲載したものと、インタビューや座談を採り上げるようなものがありますが、増山法恵が語ったものを編集部が写真入りで6ページに構成したものが、天使の歌声~合唱団・聖歌隊・少年歌手 “変声期の残酷”で輝きを増す、少年たちの聖なる声という文学的な表題が付けられています。

 ここでは、まず、少年合唱団と聖歌隊を分け、さらに、少年合唱団を少年の声の美しさを追求する合唱団と、アメリカによく見られるようなショーアップされ合唱団に分けています。さらに自分の成育歴の中で少年合唱団や聖歌隊との出会いを語り、アレッド・ジョーンズと・ニコラス・シリトーを対比しながら、ボーイ・ソプラノが美しかった少年にとって変声期の克服がいかに困難なことであるかを述べています。さらに、ポップスの世界における少年歌手の代表として、ルイス・ミゲールを採り上げながらも、変声期で一線を引くわけを述べています。そして、いろいろな芸術とふれ、また、自分が年を重ねることによって、「少年」の好みが少しずつ変化していることなどが、私的な想いとして語られています。
 

参考・引用文献


本ホームページの研究編については、下記の文献を参考・引用しております。

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3、音楽の友社 編 「オペラ辞典」   音楽の友社 1993
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5、音楽の友社 編 「GRAND OPERA」 音楽の友社 1991~93
6、増山 のりえ 著 「天使の歌声」~「ラヴェンダー・エンジェル」 白夜書房 1993
7、増山 のりえ 著 「THE・TREBLE」 雑誌「ショパン」 東京音楽社 1991~92
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11、加藤 友康 著 「ボイス&ボディートレーニング」 桐書房 1989
12、永吉 大三 著 「発声法の理論と技法」(改訂版) 音楽の友社 1982
13、澤田 昭 著 「現代青少年の発達加速」 創元社 1982
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15、堀内 修 著 「オペラに乾杯」 ベストブック 1994
16、永竹 由幸 著 「オペラと歌舞伎」 丸善 1993
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18、ペヨトル工房 編「カストラート・カウンターテナー」ペヨトル工房 1995
19、アンガス・ヘリオット 著 美山 良夫他 訳 「カストラートの世界」 図書刊行会  1995
20、パトリック・バルビエ 著 野村 正人 訳  「カストラートの歴史」 筑摩書房  1995
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23、中尾 和人 著 「発声のヒント」  音楽の友社   1974
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36、永田 文夫 著 「世界の名曲とレコード・シャンソン・カンツォーネ編」 誠文堂新光社 1967
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38、五十嵐 喜芳 著「五十嵐喜芳自伝 わが心のベルカント」水曜社 2011
39、美輪 明宏 著 「紫の履歴書」 角川書店 1983
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45、神渡 良平 著 「天地を貫く真理を己の生き方とする」~雑誌「致知」 致知出版社 1994.2
46、磯部 俶 著「遙かな友に-我が音楽人生」音楽の友社 1991
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49、ダンスマガジン 編 「少年合唱団」 新書館 2004
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54、額田 成 著 「子どもの身長を伸ばす育児法と治療法」  2004

55、竹内 秀男 著 「変声期と合唱指導法のエッセンス」~授業で聴かせたい変声の様子~ 教育出版 2013
56、坂本 博士 著 「見果てぬ夢」~はかせの音楽談義~ 音楽之友社 1993
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