味覚の話 

 人間には、味の感覚があります。味覚の4の味は、甘味、塩味、酸味および苦みです。よく辛いは味覚だという人がいますが、辛いは痛覚ですので、味覚とは関係ありません。

 味覚はほとんど、舌で感じますが、一部のども関係します。舌には味蕾といって、舌の表面のブツブツで感じます。舌の真ん中は小さいブツブツですが(糸上味蕾といいます)舌の左右の縁では線上です。舌の奥ではこれが大きくなって少し大きいぶつぶつ(有郭乳頭といいます)となります。味覚の障害には、次のようなものがあります。

  1. 味覚低下、味覚消失
    味覚が鈍くなっているか、全くない状態です。原因は様々です。舌の萎縮、ビタミンや血液中の亜鉛の不足、味覚神経の麻痺などです。原因に応じた治療をしますが、かなり回復に時間のかかるときもあります。早期の方が回復が早いので、味覚の異常がでたら早く治療してください。

  2. 異味症
    同じものを味わっても、今までとは違う味に感じるときです。はっきりした原因は分かっていません。上記の味覚低下に準じた治療をします。


味覚障害の原因

  1. 薬剤性
    <薬剤の種類>
    利尿剤、降圧剤、抗うつ剤、睡眠薬、抗てんかん薬、抗パーキンソン剤、抗生剤、通風治療剤など

  2. 特発性
    原因が特定できないもの

  3. 亜鉛が足りないとき

  4. 感冒後

  5. その他

味覚障害の治療

 原因がわかれば、その治療。亜鉛が不足ならばその補給をします。一度、耳鼻咽喉科を受診し、その原因を探す必要があります。

 ちなみに、亜鉛の多い食品例は…
 牡蠣(かき)、イワシ、豚レバー、牛肉、氷豆腐、ごま、カシューナッツ、アーモンド、チーズ、ココア、抹茶などです。