睡眠時無呼吸症候群

 新幹線の事件以来、注目されている病気です。
 耳鼻咽喉科関連の病気でもあります。
 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠しているときに呼吸が一時的に止まる病気です。1回10秒以上の呼吸停止で、これが1時間に頻回におきる時に睡眠時無呼吸症候群といいます。
 原因としては、中枢性、上気道性と混合型があります。

1.家族に睡眠時無呼吸症候群の心配のある方がいるとき

 本人には普通、睡眠時無呼吸の感覚はありません。睡眠時に大きいいびきをかいていて、突然いびきが止まり、呼吸も停止しています。しばらくすると呼吸が再開するのですが、この再開するときに非常に大きいいびきをかきます。このような方は、睡眠時無呼吸の可能性大です。

2.診断

 ポリグラフという機器を装着し、睡眠中の呼吸状態やこの時の脳波、どの程度血液中の酸素濃度が低下するか計ります。これで
大体、中枢性か上気道性か判断できます。また、無呼吸の程度もわかります。
 上気道性のときは、肥満の程度や、鼻、咽頭、喉頭や下顎の状態を診察します。

3.原因

  1. 肥満
    太れば、お腹だけではなく、のども肥満状態になります。
    のどは、肥満になれば狭くなりますのいびきもかきやすくなります。


  2. 慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、などの鼻がつまる病気を持っている方。

  3. 咽頭、喉頭
    咽頭、喉頭が狭くなるような病気の方。
    代表的のものに、扁桃肥大があります。

  4. 下顎後退
    下顎骨が比較的小さくて、後ろに位置している方。下顎が後方にあるため、咽喉頭が狭くなります。

4.治療

  1. 原因除去
    原因があれば、それを除去します。扁桃摘出、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の治療。肥満が高度なら、減量。

  2. CPAP療法
    睡眠時に、マスクを装着します。機器で、強制的に圧力をかけて空気を送り込みます。そうすると十分に呼吸が可能となります。
    マスクを装着するので、慣れるまで違和感があります。


 睡眠が十分に取れていない状態ですので、昼間の生活にも影響があります。
 家族などに指摘されて、心当たりのある方は医師に相談されること勧めます。