世界の中心らしい場所
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エアーズロック登岩記

エアーズロックへは、キングスキャニオン、風の谷を含むザ・オルガスなどが組み込まれたアリススプリングスからのキャンプツアーで訪れた。

早朝6時半出発のまるまる2泊3日のツアーで約17000円(295オーストラリアドルA$)
地球の歩き方に書いてあったのより大分安かったが、前日マタランカからBPを予約する時に一緒に予約したツアーで、中身も充実してて大満足だった。(ただし寝るのは野外で寝袋)

オーストラリアの安宿(BPやYHA)は予約をいれると(大都会でない限りは)バス停まで迎えにきてくれる。また迎えにきてもらわないと、交通手段がない。グレハンのバス、安宿、現地ツアーが三位一体なのは旅人にとっても助かる。
またどの地域のキャンプツアーでもそうだが、数日泊のキャンプツアーでは4WDの車一台もしくは二台で行かなければならないので、定員に満たない場合、人員を確保する為に直前になって大幅にディスカウントすることがある。予約は現地のBPやYHA(ユースホステル)などで受け付けるが、運がよければ「ちょっと待って」と電話の横のメモを見て、「明日(または今日これから・・・なんてのもある)のツアーに参加するなら半額だけど、どう?」っていうのはザラだ。

4WDキャンプツアー オーストラリア
トヨタのランクルにコンテナを引いた車にカウボーイハットのガイド兼運転手が一人。
私達人間は車、コンテナの中は食料や水、テーブルなど、屋根の上には寝袋とテントが積まれる。


ところがエアーズロック地帯の場合は、拠点であるアリススプリングスまで行ってしまうと、限られた数社の(たぶん高めの)ツアーしか申し込めないらしい。アリス事体がエアーズロックのイメージからは考えられないほどの高級?リゾート地で、ここまで入ってしまうと「エアーズロックリゾート」の中の5軒しか泊まる所はなく、しかも常に混んでいる。空港からは約5キロだが、ホテルの予約が取れてないとシャトルバスに乗せてもらえないという噂もあるほどだ。

結論、この地域は、エアーズロックから少し離れた町の安宿に泊まり、もし時間を無駄にしたくないなら、バスは早朝5時半に到着するので、そのまま、前日までに予約をしたツアーに参加するのがおすすめ。でないと、次の日まで丸一日、何もすることなくBPでボーっとしなければならない。またうっかりリゾートまで行ってしまうと、灼熱の大地の真ん中で途方にくれることにもなりかねない。「現地に行けばなんとかなる」という考えは、ここに限っては捨てたほうがいい。
ツアーは2泊と1泊があるが、絶対2泊をおすすめする。とにかくこの地域はオーストラリア随一の観光地といえども、厳しい大自然のど真ん中。それだけに見所も多いから、4WDの車で慣れたガイドに案内してもらって、何も考えずに、ただただ、思いっきり満喫したい。

アボリジニアート オーストラリア
ウルルカタジュタカルチャーセンターに描かれたアボリジニアート

いよいよエアーズロックだ。
前夜満天の星空の下、キャンプファイヤーを囲み夜中の1時すぎまで起きていたにもかかわらず、朝4時起きでエアーズロックのサンライズを見る。そのあと原住民アボリジニ文化を展示してるウルル・カタジュタ・カルチャーセンターへ行ったあと、9時にエアーズロックの登り口に着く。10時半まで自由時間で、この間に登りたい人は登る。
実はエアーズロックはアボリにとっては神聖なる場所、ここに登るのは冒涜になるというので、その想いを尊重する一部の西洋人は登らない。そのかわり歩いて2〜3時間かかるエアーズロックの周り(ベース)を散策する。
私は迷うまでもなく登ったが、その後ランチを挟んで1〜2時間ベースも歩いた。これがなかなか良かったのだ。体力のない人、「エアーズに登りたいという好奇心」を抑えられるなら、写真を撮る人にも、むしろ、このベース散策をおすすめする。

さて「なにがなんでも登りたい派」の私は、誰よりも早く、真っ先に登りはじめた。
登り45分、下り30分といわれるが、私には写真を撮るという使命?がある。あまりのんびりしてる時間はない。振り返りもせず、黙々と登り続け、所要時間30分で一番先に頂上に着いて、「マシーンのようだ」という賞賛?までうけたものの、降りてきたのは一番最後だった。

エアーズロック 登頂

エアーズロック 登岩

灼熱の太陽に向かって心臓破りの急斜面が続く。
降りる時は下まで滑り落ちそうで、めまいがするほど怖い。



エアーズロックの登りはじめは、かなり急な斜面。そのため鎖が設置されている。いくら運動神経のいい私と言えども、この鎖を辿らなければ、とてもじゃないが登れない。
遥か上の方に鎖の終わる所が見える。きっとそこが頂上だ・・・とがんばるが、その先にはアップダウンの続く道がえんえんとあって、がっかりする。
鎖の斜面ですれ違う、降りてくる人の90%は日本人。丁度日本人のツアーとかち合ったのかも。その人達から「あそこは頂上じゃないよ。がっかりしないで」とアドバイスを受けたので、覚悟できてたものの、何も知らないと、そこでかなりの力が抜けるらしい。

鎖のあとは赤い地面に書かれた矢印や点々の白線を辿る。だだっ広いので、どこでも歩けるが、一番楽で安全なコースを記してある。赤い地面は雨が降るとツルツルになって危険だし、わずかな草や水溜りはあるものの、何も掴まるものや遮る物はないから、天候によっては規制されて登れなくなってしまう。実際、せっかく行ったのに「風が強くて」「雨で」「高温で」登れなかったという話をけっこう聞く。

エアーズロック 頂上

赤い地面に記された白線
下界には何処までも続く大地と、遠方に小さく見えるマウントオルガ


頂上には銅版がある。銅版があるだけで、特にここが頂上という感じはしない。周りを見てもここが一番高い実感は何もない。だから、唯一の証の銅版の上に乗っかったりして記念撮影する。

エアーズロック 頂上
真ん中にエアーズロックの文字、周り360度の地名が記されてる。



前述したようにベースウオーキングもおすすめだ。

エアーズロック ベーストレッキング
ウエーブロックほどの規模はないが、波のようにえぐられたような岩壁


ベースを歩くと、エアーズロックの岩肌って「地震でもあったの?」という感じで崩れかけてたり、トンネルになりそこなったような抉れや人が住めそうな程大きな窪みがある。信仰の対象になってるのが納得できるようなアメージングな雰囲気満点。
私はエアーズロックの赤い岩肌や地面の赤い土の色が大好き。写真で見て「ほんとかな?」と思う方もおられるだろうが、ほんとに赤いのだ。視界には赤い色と青い空、その中にポツポツと木や草の沈んだ緑色が焼き付いている。

ウルル ベーストレッキング
遠景では単純な長方形のエアーズロックも、真近ではかなりデコボコしてる。


池まであった。エアーズの周りは赤土色のせいか、「乾ききった」イメージがあるので、この池はかなり神秘的に見えた。この日は水量が少なかったが、上から細い滝が流れ込んでいる。滝というより雨水が流れるトイのようなものかな?登岩途中でも水溜りがあったし、今日のような快晴では信じられないが、雨もそれなりに降るらしい。

アリススプリングス ベーストレッキング
宇宙的というか未来的というか過去的というか、不思議な空気が漂う

このあとエアーズロックリゾートでプールに入ったり、シャワーを浴びてから、エアーズロックサンセットを見る。真っ赤に染まった岩の上には三日月が浮かんでいた。そのまま野外で食事、少し移動してブッシュキャンプ。
各地のツアーでは、「景色を見ながら歩く」時間配分なので、写真を撮ろうと思ったら、「歩く代わりに小走り」、「前を撮りたいなら一番前へ、後ろを撮りたいなら一番後ろへ」向かって、ツアー仲間の前後を右往左往しなければならない。想像つくと思うが、日本人の中でもチビで1歩の距離が短い私が、巨大な白人の歩みを追い越すのは結構大変だった。 しかも律儀に三脚を引きずって、ズルズルと線を引きながら・・・

〜〜〜そのうち つづくかも〜〜〜
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