温泉修行
 〜ぶらり山陰陽 〜



【湯村温泉】 兵庫県温泉町
0796-92-0800
夢千代日記のモデルとなった湯村温泉。いまだに町中、夢千代一色である。夢千代像(もちろん吉永小百合の顔)もあるし、鯉の泳ぐ川沿いには、この町を訪れた有名人(ほとんど夢千代関係)の手形が並んでいる。お土産も看板もパンフレットにも、夢千代の文字が溢れかえり、まさに夢千代づくしの町だが、ドラマで夢千代が聞いたはずの日本海の波の音は、この町には聞こえない。ドラマでは人には言えない事情で都会の人が逃げてくるような、寂れた山陰の温泉町という設定だったが、そうでもない。こんだけ観光化されてたら、すぐに見つかっちゃうだろう。ドラマに出てくる喫茶店兼ストリップ小屋みたいなのもなさそうだった。

この町は浸かる温泉よりも、温泉にまつわるETCが楽しそうな町だったが、一応温泉にも入っておきたい.
日帰り入浴は公衆浴場の薬師湯で 6:00〜21:00 ¥300で入れる。 ここは内湯と小さいジャグジーだけの普通の銭湯。(下写真)
露天風呂や色んなお風呂に入りたいなら、リフレッシュパークゆむら ¥1100 10:00〜19:00 木曜休み



さて、この町の目玉は「荒湯」という、温泉湯で卵や野菜をゆがく場所だ。
生卵なら約12分、野菜や、やかんに入れた豆をゆでる地元の人、カニをゆでる魚屋さんもいる。茹でている間、階段下の足湯を楽しんだり、手形巡りをするのもいい。 卵はゆで上がったら、すぐに慈覚大師像の横にある水道で冷やすのがポイント。この慈覚大師像の足元には90度の源泉が湧き出ている。これを長-い柄の柄杓で汲んで、持ち帰る人もいる。私はこれでコーヒーを沸かしてみたけどGoodでした。


(左下)魚屋で親カニ(メスのカニで小さい 一匹¥250位)を買ってきた。まだ生きてる。魚屋さんが荒湯でゆでるのは、もっと大きい松葉かに。実際には、この親カニは「出汁用」として料理するカニなので、荒湯で茹でるのはもったいない。
(右下)こうやってヤカンやカゴの中に茹でたいものを入れ、紐で釘にひっかけて吊るす。




足湯(無料)はベンチに座って足を浸けるのだが、これがかなり熱い。お湯の出口のところなんて痛いくらいだ。この河原の地面(コンクリート)も温かく、地元のおばさんが犬の散歩帰りに、犬と並んで地べたに座って腰を温めてたりする。夜は若いコ達(中高生?)がだべってたり(コンビニが見あたらないから、ここがコンビ二前の代用になってるのかも)、観光で来たお姉さん達が打ち明け話をしてたり、そうかと思うと、旅館の浴衣を着たおじさん軍団がけたたましくやってきて、ベンチの席を巡って、胡麻をすりあったりしている。
この足湯、ちょっとした人間ドラマも垣間見られて、けっこうおもしろい。



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