■2014年2月号

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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●EU最高裁、GMジャガイモの承認取り消しに

 欧州司法裁判所第二最高裁は12月13日、ドイツ企業BASF社が開発したGMジャガイモ「アムフローラ(Amflora)」について、欧州委員会による栽培・流通の承認を取り消す決定を下した。ハンガリーが提訴し、オーストリア、ポーランド、フランスなどが支援していた。欧州委員会の承認はEUの規則に則っていない強引なものだった、というのがその理由である。〔Reuters 2013/12/20〕


●ロシアでGM種子登録の可能性

 ロシアでは昨年2013年9月23日に、メドベージェフ首相が署名して種子の州登録を変更する「政令839号」が採択された。2014年6月1日から、GM種子が州登録される可能性があるとして、食糧安全保障にかかわる専門家たちはGM種子を登録しないよう最高裁に提訴した。〔Sustainable Pulse 2013/12/20〕
●中東事情
●トルコで2種類のGMトウモロコシの承認取消に

 トルコ国会は、モンサント社のGMトウモロコシ「MON810」「MON810×88017」の承認を取り消した。これまでトルコでは、政府のバイオセキュリティ会議が16種類のGMトウモロコシと3種類のGM大豆について、飼料としての輸入・使用を認めてきたが、その内の2種類が取り消された。承認にあたってバイオセキュリティ会議が、リスクアセスメント委員会と社会経済評価委員会が示した遺伝子汚染の危険性を考慮しなかったことが、この決定につながったと思われる。〔Sustainable Pulse 2013/12/20〕
●アフリカ事情
●東部南部アフリカ共同市場がGM種子承認

 エチオピア・アジスアベバで開催していた、東部南部アフリカ共同市場(COMESA、19か国加盟)の諮問委員会が、GM種子を推進するための種子規則を承認した。施行されれば、加盟国はこの種子規則を順守しなければならず、国独自にGM種子の輸入規制をすることは貿易障壁とみなされる。また、この規則は種子登録の際に、種子の明瞭性、均一性、安定性を求めているため、在来の種子を守る運動を妨げる可能性もある。〔Kurunzi Africa 2013/12/18〕


●ガーナのバイオセーフティ法、内実伴わぬまま施行

 ガーナではバイオセーフティ法が施行したが、設置を義務付けている監視機関やリスクアセスメントを行なう技術委員会がいまだ設立されていない。にもかかわらず、GM綿の試験栽培が北部6カ所で予定され、すでに3カ所では始まっている。市民団体「食料主権ガーナ」は政府に対して、この試験栽培は違法であり、監視機関の設立までGM作物の試験栽培凍結を求めた。〔Ghana Web 2014/1/2〕

●東アフリカで耐乾燥性トウモロコシ試験栽培開始

 東アフリカの科学者とアフリカ農業技術基金(AATF)が共同で、2007年から「耐乾燥性トウモロコシ・アフリカ計画」を進めてきた。ウガンダで4系統、ケニヤで3系統、タンザニアで3系統、計10系統の耐乾燥性トウモロコシの準備が整い、2014年7月には種子を配布、2017年の商業栽培開始を目指す。AATFは10カ国がかかわっており、最終的にはそれらの国での栽培を目指している。〔East African 2014/1/9〕
●オセアニア事情
●豪州タスマニアがGM作物栽培禁止を無期限に

 オーストラリアで唯一GMフリー政策を維持しているタスマニア州政府は1月9日、2014年11月に期限切れになるGM作物栽培のモラトリアム(一時停止)を無期限にすることを決定した。タスマニア政府は、GM作物の栽培禁止は多くの食料・農業関係者の要望であり、禁止により州の農業の競争力が高まる、としている。〔The Advocate 2014/1/11〕