諸磯の隆起海岸

昭和三年三月二十四日　国指定天然記念物　諸磯の隆起海岸（２００３年８月３１日撮影）

文化庁のホームページを探ると、文化財として「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」 「伝統的建造物群保存地区」「選定保存技術」「埋蔵文化財」「登録有形文化財」「世界遺産」が列挙されています。 記念物には、「史跡」「名勝」「天然記念物」が列挙されています。 天然記念物は文化財だったんですね。 文化庁のデータベースを探ると、三浦市に天然記念物が登録されていました。 好奇心を持って、見に行きました。

文化庁のデータベースには「三浦市三崎町諸磯」とだけ書かれていて、詳細な場所はわかりません。 三浦市の地図を買って場所を確かめました。 地図では、一番近いバス停は「海外入口」となっていましたが、この路線にバスが走ってるのを確認できませんでした。 現地に行ってもバス停はあったけど時刻表が貼っていなかったので、走っていないのかもしれません。 結局、京急の三崎口の駅から三崎方面（三崎東岡行きや城ヶ島行きなど）のバスで、天神町で降りて、歩きました。 途中に看板は何もないので、知らずに行くと迷います。 近くに「特別養護老人ホームはまゆう荘」があり、大きな道案内の看板が出てるので、行く場合はこちらを目印にしたほうがいいでしょう。 下っていった谷の崖に天然記念物があります。 現地に行っても看板らしきものは、３０ｍぐらい手前にある写真の１枚と、現物の前にある解説板のみです。

行った日（２００３年８月３１日）の、現地の様子ですが、谷間なので、元は湿地か田んぼなのでしょうが、 今は造成してる宅地の中にぽつんと取り残されている感じでした（後日また行ってみたら、周りは宅地ではなく大根畑でした）。 三浦半島の先端であまり便利のいいところではないのですが、開発の手が伸びてるようです。 天然記念物といっても、地味なので観光資源にもならないので、きちんと保護されてる気配はありませんでした。 出入りは自由なので、そのうち子供か何かに荒らされてしまいそうで、心配です。 辺りには見るべきものは何もないし、とても暑かったので、ざっとみただけで、さっさと移動しました。

国指定天然記念物　諸磯の隆起海岸
                       昭和三年二月二十四日　文部省指定
  この崖の表面にみられる小穴の列は、穿孔貝の巣穴の跡で、
堆積時期を異にするシルト（砂泥）岩質の地質の側面に、小規
模のものを含めて六列ぐらい数えられる。
  巣穴の多くは風化され、形はさまざまであるが、一般に下部
の列のものほど、よく保存されている。
  穿孔貝（ほとんどがイシマテガイで、別名この貝をヒミズ
ガイ」ともいう。三崎ではこれを「ミズガイ」と呼んでいる。）
は、波打ちきわで岩をほり、巣穴をつくってその中で生活する。
したがって、古い巣穴の跡があれば、これから過去の汀線の位
置や高度を知ることができ、また、これによって、歴史上の大
地震の間隔や隆起量などが推定される
  この崖の巣穴の跡は、この種の推定を試みるにあたって、そ
の出発点となったもので、それぞれの列は、いずれも、ある時
代に汀線だったことを示している。そして列の数や巣穴の保存
状態から、この場所が、過去なん回かにわたって隆起したこと
を物語っており、歴史上の大地震を知る上で貴重な資料といえ
る。
平成八年七月一日
                                       三浦市教育委員会

ちょうど昼時だったので、どっかで食事をと思って、バスに乗って城ヶ島まで出てしまいました。 城ヶ島は空いていました。 日曜日とはいえ、夏休みの最後の日なので、誰も行かないみたいですね。 最近は三崎はマグロで有名でも、城ヶ島までは行かないのでしょうし。 ここまで着た事なので、城ヶ島京急ホテルで昼食にしました。 高いかと思ったら、周囲の店とあまり変らない値段でした。 城ヶ島京急ホテルは、城ヶ島の西側先端の一等地に立っていました。 空気が澄んでいれば富士山が見えるそうです。 でも、夏なので海面は水蒸気で曇っていて無理でした。