2006年夏、草津・浅間方面へ旅行にいきました。 去年、北海道に4泊5日で旅行し、散財したので、今年は少し控えめに2泊3日です。
草津へは上野10時丁度発の特急草津で行きました。 2006年8月22日、通勤ラッシュを避けたいと思い、上野まで何時に行くか少し悩みました。 結局子供連れなので、早めに行くことにしました。 若干誤算があり、早めすぎる7時半ごろに上野に着いてしまいました。 上野駅の3階は以前とは異なりかなり店が出ていたので、朝食にしました。 回転寿司の寿司の代わりにおかずが回っている店です。 塩鮭、焼鯖、鯖味噌、おひたし、目玉焼き、玉子焼き、納豆、豆腐、サラダ、荒煮、・・・ 朝食のおかずはけっこう種類がありますね。
食べ終わっても時間があるので少し上野駅を回ってみました。
記憶の中にある上の駅では3階にも新幹線口があったのですが、なくなっていました。
ジャイアントパンダがいたと記憶があり、
床に埋め込まれた案内標識は、記憶にあるパンダの位置を示しているのですが
そこにはパンダはいませんでした。
少し歩き回ったらぜんぜん違う場所でパンダを発見しました。
隅へ移動したんですね。
ちょっぴり悲しそうなパンダでした。
8時ぐらいの時間には通路の真ん中にかまぼこ型の大きなものがありました。 KIOSKと書いてあるので、丸い屋根が上に伸びて売店になるのかなと予想したら、 予想通り、9時ごろには売店になって、お土産を売っていました。 売店が夜は小さくなっているとは知りませんでした。
9時ぐらいになるとあちこちの店が開きだしました。 大きな本屋さんがあり、無印良品があり、駅構内はずいぶん店が増えましたねぇ。 JRは駅の改札を使ってお客を物理的に囲い込みしていますが、 駅の外の店からするとずるいと思うでしょうねぇ。
東北・上越新幹線が東京まで伸びて、上野駅は空いてるかと思ったら、
東北線・常磐線から山手線・京浜東北線へ乗り換える通勤客がたくさんいました。
駅に啄木の歌の碑がありますが、今でも北への玄関口は健在の様です。
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」
今時電車で草津方面に行く人はいないと思っていたのですが、 特急草津はほぼ乗車率100%で、意外と混んでいました。
長野原草津口駅の到着はほぼ12時半ごろで、 駅レンタカーを予約していたので借りに向かいました。 レンタカーの窓口は・・・無く、売店のおばちゃんがレンタカー屋でした。
車を借りて、まず品木ダムに向かいました。
品木ダムが作った上州湯ノ湖は緑白く濁った水です。
上流の草津から流れる湯川と、白根山から流れる谷沢川・大沢川は元々PH2〜3の強酸性で
現在は中和のために川の途中でアルカリ性の石灰を流し込んでいます。
中和の際に出来る化合物で湖は濁っているのかと思います。
湖では化合物が沈殿するので、それを回収し脱水する施設が湖畔に作られていました。
草津の宿にチェックインして、街中を歩くことにしました。
湯畑に行くと、そこには見慣れた光景がありました。
湯畑の脇に足湯と手湯が出来ていて、人が群がっていました。
湯畑の上流側には木の四角い枠が残っており、江戸時代に江戸城へ運ぶ湯を汲んだ場所らしいです。
その周囲は湯の花で黄色くなっていました。
湯畑に少しはなれて「白旗湯畑と頼朝宮」と書かれた場所がありました。
源泉に屋根をした場所です。
何でも鎌倉時代に頼朝が入浴した場所らしいです。
かなりお賽銭が投げ込まれていましたが、5円10円は真っ黒になっていました。
温泉饅頭を食べるんだ、というので、いくつかの場所で買って食べました。 西の河原公園へ向かう途中に3件ほど饅頭屋がありましたが、ここは売り切れ看板が出ていました。 朝早く行かないとだめみたいです。 また、歩く人に饅頭とお茶を配っている店がありました。 テレビでお馴染みの店ということです。 食べるだけで買わない人も多いようですが、元は取れているのでしょうか? 草津は饅頭屋が多いので食べ歩くのもいいかも。
西の河原公園にある西の河原露天風呂へ行きました。
ただ大きいだけの風呂です。
山がよく見えて景色がいいです。
開放的なので、男湯は外から丸見えかもしれません。
風呂の一部は砂が入っていたり、緑の苔っぽいのが生えていたりと、自然なままの風呂です。
普段小さなお風呂しか入れないので、子供は喜ぶかなと思いましたが、
子供の感想は、「ちょっと大きすぎ・・・」。
風呂は奥から手前に向かって湯が流れる仕組みです。
露天風呂なのに意外と熱く、奥側では1分も浸かってられなかったです。
夏休みなのでかなりの人が来ていましたが、
熱いので、風呂から出て石の上などでくつろいでる人の方が多いようでした。
翌日23日、朝から品木ダム水質管理所に行きました。
酸性度の高い湯川に石灰を流し込んでいる現場です。
環境体験アミューズメントとして開放されています。
お約束の、○日浸して溶けたコンクリートとか釘とかが展示してありました。
また、石灰を溶かした白い液体(石灰ミルク)を川に流し込んでるのも見れました。
流す量はダム側でPHを測定しながら決めるそうです。
川の上流は透明ですが白っぽい感じ、下流は白濁していました。
リトマス試験紙で川の水や白い液体のPHを計ってみろと書いていました。
ちょうどこの場所が管理区域の境になってるようで、上流群馬県、下流国土交通省と看板が出ていました。
これは自然破壊なのか、死の川を蘇らせる行為なのか、自然との共存なのか、意見が分かれそうな現場です。
草津から車で鬼押出まで行きました。 天明3年(1783年)の浅間山噴火の溶岩が固まって出来た景色の面白いところです。 駐車場付近はちょうど溶岩が流れたところと流れていないところの境の様で、 噴火は200年以上前ですが、明らかに植生が異なっていました。 溶岩が流れた跡は、岩に付いている地衣類と、低木が主な植生です。 樹木は少し松と白樺が生えています。 松の木は栄養がない所に生えると聞いたことがありますが、 岩から生えているとしか思えない様な生え方をしていました。 盆栽を大きくした感じです。
鬼押出し園の道は園の地図で見ると近そうでも、意外と距離がありました。 園内には建物や石碑や観音などが立っていました。 基本的には噴火で死んだ人の供養らしいです。
鬼押出し園内にはいたる所に避難所がありました。 コンクリートの箱の中にベンチがある物です。 暑かったので、ちょうどいい日陰の休息場所になっていました。
園内から、浅間山側に廃墟が見えました。 後でネットで調べたら浅間展望台だそうです。 岩だらけの荒涼とした風景と、夏の暑さの中歩いていると、廃墟が妙に景色に馴染んで見えます。
鬼押出し園の一部で、天然記念物のヒカリゴケを見ることが出来ます。
ヒカリと言っても、自分で発行するのではなく、外光を反射しているそうです。
岩の隙間の暗い所で、蛍光緑に光って見えました。
鬼押出しの近くに、国指定特別天然記念物の浅間山溶岩樹型というのがあります。 鬼押出しの西と東にありますが、西側に行ってみました。 あまり有名でないスポットの様ですが、カーナビの地図で確認できたので向かってみました。 近くまで来たら案内板が出ていたのでよかったと思い、案内標識通りに進んだら限り通り過ぎちゃいました。 カーナビを見ていて気づいてあわてて戻ると、途中の分かれ道に、こっそり入り口の案内が出ていました。 迷いやすいので要注意です。 おまけにカーナビで道となってる部分に実際には道がなかったりして、危険です。 現地は道が狭く、駐車場も整備されていないので、あまり多数でつめかけると困りそうな場所です。
溶岩樹型は溶岩が樹木を取り囲み、溶岩が冷えて固まったあとで、樹幹の型が残ったものです。特別天
然記念物なので、どんなものかと思いきや、林の中に穴が沢山・・・。
なんでも468個あるそうです(数えた人はご苦労様です)。
直径は50〜200cm、深さ3〜7mぐらいで、いちを周りを白い鎖で囲っていましたが、万一落ちたら上がるのは大変でしょうね。
溶岩樹形の中にものヒカリゴケを見ることが出来ます。
溶岩樹形はあんまり多いので、数箇所のぞいたら飽きちゃいました。
溶岩樹形から、宿の高峰温泉に向かいました。 高峰温泉は、2000m近くの高所にある温泉宿です。 隣にアサマパーク2000スキー場がありますが、ほぼ一軒宿です。 源泉は宿の下の谷間にあり、昔は源泉の谷間に宿があったそうです。
高峰温泉への車での道はほぼ3方向からあります。 一番いい道は長野県の小諸から登ってくるチェリーパークラインで、 路線バス(といっても季節運行を除く定期便は1日に2往復しかありませんが)の登ってくる道です。 この道は下山に使いました。
2番目は群馬県側から登るルートです。 このルートから登った人の話では、かなりすごい林道で、すれ違うのに困ったそうです。
3番目の道は群馬と長野の境の地蔵峠から湯の丸スキー場を通っていく道です。
17時から翌朝まで通行禁止になる危険な道です。
3番目の道で高峰温泉に向かいました。
湯の丸スキー場内の道は、冬になれば初心者コースになるんだろうなと想像できる道で、
ほぼ同じ傾斜の上り坂の続く、舗装された道でした。
池の平らまでは舗装道路で、時間があれば池の平の湿地を歩いてもよかったのですが、
時間が遅かったのでそのまま進みました。
池の平を過ぎると急に道は悪路の下りの砂利道になりました。
右側は谷底で、道幅は車1台がやっと通れる幅です。
え〜、と思いましたがいまさら引返す時間もなかったのでそのまま突入しました。
距離にすれば3キロぐらい、時間にすれば10分ぐらいかと思いますが、
たまたま対向車がなくてよかったですが、走っている間は怖かったです。
道は急に高峰温泉に到着しました。
到着してしばらくすると、道は閉鎖されてしまいました。
宿に入って気がついたらポテトチップの袋がパンパンに膨れ上がっていました。
高山を実感します。
天然ガスが使い放題なのか、ロビーの暖炉はいつも火がついていました。
また、そば茶と熊笹茶が常に沸いていていつでも飲める状態でした。
風呂は男女それぞれ2箇所ありました。
1階の風呂は昔のランプの宿の面影を残したもので、暗い風呂でした。
浴槽は2つあり、源泉そのまま(ややぬるい)と、沸かしたものです。
沸かすとお湯の成分が出てくるようで、沸かしたお湯は濁っていました。
源泉は飲めますが、ちょいと苦かったです。
食事は野菜、山菜、川魚中心で、大人向けのヘルシーな料理です。
野菜嫌いの子供にはちょっと食べるものがないかもしれません。
高峰温泉は見晴らしがよく、夜になると星の観察会が開かれます。 少し霧が出ていましたが、目が慣れてくると天の川が見えました。 久しぶりに見る天の川です。 宿の人が直径4〜50cmはあろうかという望遠鏡を持ち出してきました。 覗くと木星が縞模様まではっきち見えました。 観察会のあと宿に入ると、五平餅を出してくれました。 割り箸にご飯を巻いたもので、暖炉で自分で焼いて食べます。 割り箸は焼けていたりするので、再利用してるようです。 もしかしたらご飯も夕食の残りの再利用かな。 自分で焼くのが面白いらしく、子供が喜んで焼いては食べ焼いては食べしていました。
夜になると窓には蛾がいっぱいいました。
久しぶりに見る蛾かも。
翌朝24日、2重窓の外側をあけっぱなしにしたため、窓は冬のように水滴で曇っていました。
とにかく、涼しくていい所です。
景色を期待していましたが雲が出てあまり遠くまでは見えませんでした。
外を少し散歩してみたら花がたくさん咲き、トンボがたくさん飛んでいました。
そういえば8月の高山はトンボが多い季節でしたっけ。
高峰温泉から小諸方面に下り、軽井沢・碓氷峠を経て横川駅に向かいます。 目的地は鉄道文化むらです。 途中、碓氷峠の旧道を下ると、途中にレンガ造りの橋梁を見ることが出来ます。 横川駅からは、第3橋梁まで、旧鉄道跡を歩くことが出来ます。 片道4.7km、90分ほどの道だそうです。 いつか歩いて見たいと思いながらも、幼児を連れては無理っぽいので、この日はあきらめです。
碓氷峠鉄道文化むらは、碓氷峠の路線廃止に伴い、跡地を利用して作った鉄道のテーマパークです。
場所柄、鉄道ファン以外来そうにないためか、かなりマニアックな施設です。
横川駅脇の駐車場からから園内まで、昔のレール(多分)が舗装された中にそのまま残っています。
入って正面にある鉄道展示館は、車両整備用の車庫がそのまま使われており、
内部には道具類がそのまま残っていました。
鉄道展示館や、園の奥にある屋外展示場に展示されている車両は多くが内部に入ることが出来、
運転台に座ることが出来ます。
碓氷峠の専用機関車EF63形車両が動態保存されており、実際に運転する事も出来ます。
もっとも運転のためには1日3万円の講習と、1回(30分600m)5千円の料金がかかるので、
気合を入れて行かないと無理ですけどね。
しかし100円で手こぎトロッコを動かしたり出来るなど、
とにかく鉄道に関しては楽しめる所です。
鉄道資料館は、建物の外見からは、JRの建物をそのまま使っている感じで、
碓氷峠鉄道の資料展示や鉄道ジオラマ運転やお土産販売をしています。
クーラーが効いているので、暑いときの避難所だったりもします。
碓氷峠鉄道文化むらから、碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」までのおよそ2.6km、 トロッコ列車が走っていたので、乗りました。 本数は1日5往復でちょっと少ないです。 列車は自由席で、遅く行くと立って乗ることになります。 動力車両は横川側に付いているので、鉄道文化むらから森公園交流館方向に進むときは オープン客車が先頭になります。 つまり、一番いい場所は、オープン客車の先頭立見席ですね。 早く並ばなかったので、いい席は取れませんでした。 スピードはかなりゆっくりで、片道20分ぐらいかけて進みました。 途中の旧丸山変電所駅で停車があり、短時間ですが降りて写真を撮る事も出来ました。
園の奥にある屋外展示場は、機関車だけでなく特殊車両や、客車なども置いてあります。
とくにお座敷列車の車両は、そのまま休憩所になっていました。
目に付くところにクレーン車がありました。
ディーゼルエンジンで自走可能で最大35トンの持ち上げが可能だそうです。
車輪の数がとても多く異彩を放っています。
これはぜひクレーンを伸ばしている所が見たいですね。
安中榛名駅でレンタカーを返して、岐路に着きました。 安中榛名駅のレンタカー屋さんは、駅の売店の人でした。 駅は閑散としていて、観光客は見当たりませんでした。
Presented by Ishida So |