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子どもの身を守るために(不審電話編)
「クラスの子の名前と電話番号を教えてください」という不審電話を受けたことはありませんか?最近では、聞き出す手口も巧妙になっていて、コロっと騙されるようなケースもあるようです。
そこで、不審電話への対応と巧妙なセリフについて考えてみました。
不審電話がかかってきた!
「キミのクラスの子の名前と電話番号を教えてほしい」という、個人の情報を手に入れようとする不審な電話が横行しています。誰が一体何の目的で集めているのか実態はわかりませんが、年々手口が巧妙になっています。「子どもがいなくなった…」などの慌てた様子で話され、「それは大変!」と善意から教えてしまった…などというケースもあります。
おかげで、クラスの名簿も電話連絡網も個人情報保護の観点から作成しない学校も増え、実際にはお友達とお約束してきても「連絡の取りようがない(-_-;)」などといった不自由さもでていますね。
そこで、小学校でで配布されている不審電話の対応マニュアルを紹介します。
A小学校用
不審電話への対応
- 子どもが電話に出た場合
- 「お母さん(お父さん)にかわります。」
- 「わかりません。」
- 大人が電話に出た場合
- 「それはできません。」
- 「そんなおぼえはありません。」
- 「こちらから電話しますので、お宅の電話番号を教えてください」
※いずれの場合も、学校に連絡をすること。
※緊急の場合は、110番または警察署生活安全課へ。
B小学校用
ご指導いただきたいこと
- 聞き出しなどの奇妙な電話がかかってきたら、取り合わずにすぐに電話を切ること。
- 学校へその旨を連絡すること。
ご協力いただきたいこと
- 学校では情報が入り次第、連絡網により、当該学級のみならず学年全体に注意を促す連絡を入れます。
- 土・日曜日など、学校と連絡が取れない場合は、学級委員に連絡して順次注意を促す連絡を回してください。
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子どもが電話に出るとき
子どもが2~3歳くらいになると、やたらと電話に出たがったり、大きくなってくれば、親が手が離せないときなどは、「ちょっと代りに出てくれる?」とお願いしたりすることも多くなりますね。そこで子どもが電話にでることの危険性について考えてみました。
どんな危険があるの?
- 子どもが電話に出ることで、その家庭には子どもがいることがわかる。
(→ 親が不在時に押し入られる危険性が発生する。)
- 子どもの性別・年齢が推定できる。
- 親の年齢も推定できる。
- 家族構成が推定できる。
- 相手の質問に対し無防備に答えてしまい、家族の個人情報がもれることがある。
《こんなところに気をつけよう》
- 子どもが1人で留守番する場合は、身内以外の電話には応答しないようにする。
- ナンバーディスプレイなど、誰からの電話かがわかるようにしておく。
- 留守番電話を設定し、応答音声の後の声を確認してから出るようにする。
- 親子でルールを決めておく。(2回鳴らして切ってから、もう一度かけるなど)
- 子どもが1人で留守番する場合は、侵入されないように防犯対策を行う。
あらかじめ電話をかけて留守であることを確認してから犯行を行う侵入犯もいます。子どもが1人で留守番をしていて、電話に出ないことで「留守」であると思われ、侵入犯と出くわしでもしたら大変!こんな防犯対策も必要です。
- 1ドア2ロックにする。
- 窓の下に足場を作らない。
- ガラスを割られないよう、強化ガラスに変えたり飛散防止フィルムを貼る。
- 防犯グッズをドアや窓につける。
- 警備会社のサービスを契約する。
(参考文献:「徹底!親子で覚える安全ガイド」(主婦の友社)佐伯幸子著)
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不審電話の事例集
つきぐまの学校で配布されている「不審電話」のプリントをまとめて整理し、事例集にまとめてみました。内容はいろいろあるけど、パターンは以下ものが多い!!!(>_<)
単純に「名簿と電番を教えて!」というもの
- 「○○さんがどんなテレビを見てるか調べています。だからその子の電話番号教えてくれるかな?」
- 「子ども110番・子ども安全の家の連絡網があるはずだろう。教えてください」(2005年)
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まず親がいるかどうかを確認し、いないことがわかると、「クラスの他の児童の電番を1つずつ教えてほしい」(2004年)
- クラスの担任の名前と他のクラスの児童の名前をあげて、話しかける。(2003年)
- 「卒業アルバムの件で、住所を確認したいから、連絡網を教えてほしい」(男性の声、2001年)
- 「学級名簿をコピーさせてほしい」(女性の声、2001年)
- 「クラスの他の家の電話番号を教えてほしい」(男性の声、2001年)
PTA関係・同窓会を名乗るもの
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「お母さんの同窓会を開くので、アルバムや連絡網を持ってきて他の家の電話番号を教えてほしい」(男性の声、2002年)
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「お母さんの同窓会を開きます。子どもさんたちも一緒にやるので、友達が多いほうがいいから、電話番号やアルバムや連絡網を持ってきて教えてほしい。(電話を取った子が「後で母に連絡させます」というと、)6時から会議なので急いでほしい」(女性の声、2002年)
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「PTAの○○です。実は明日学校で行事があるのですが、お母さんが後で全部の家に電話するのが大変でしょうから私のほうから連絡します。だからクラスの児童の電話番号を全部教えてもらえますか?」(女性の声、2001年)
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「PTAの○○ですが。小学校の運動場でバザーをするんですが、緊急の連絡で混乱しているので、クラスの名簿と電話番号を教えてください」(女性の声、2001年)
- 「PTAの○○ですが、△さんの電話番号が変わったのでお知らせします」(男性の声、2001年)
- 「お母さんには1週間前に頼んでるのですが、クラスの連絡網を教えてもらえますか?」(2000年)
子どもの安全に関わる連絡網のフリをするもの
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「うちの息子が母親とケンカして帰ってこない。今、母親と先生が探しにいっているが、自分でもできることがしたいので、隣のクラスのあなたに電話をかけた。クラス連絡網を知りたい」
- 「クラブから子どもが帰ってこない。連絡を取りたいので、クラスの人の名前と電話番号を教えてほしい」
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「○○さんのお宅ですね。学校のものですが、○○ちゃんがまだ学校へ来ていないのですが」(男性の声、2001年)
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「○○警察署です。女児がいなくなり同級生の安否を確認したいので、同級生の住所や電話番号を教えてほしい」(男性の声、2001年)
当局や会社(JRやNTT、宅配業者など)を名乗るもの
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警察署や警察官を名乗って、電話番号を聞き出します。教えなかったり断ったりすると「公務執行妨害」「罪に問われる」などと脅してくることがあります。(2006年)
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「着払い商品の配達が、いたずらのためか相手方がわからず、業務に支障がでています。小学校の名簿で確認したいので教えてください」(2005年)
- 「子ども安全の家」「子ども110番の家」に関係した内容で、電話番号を聞き出します。(2005年)
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「NTTの○○という者ですが、お母さんと防犯登録して迷惑電話をなくす相談をしています。君のクラスの人が迷惑電話をしているかもしれないので、できるだけ電話番号を教えて下さい」(2004年)
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宅配業者を名乗り、着払いで学習教材を購入したかを聞いた上で、悪徳商法の被害が拡大していることを、実在している保護者名をあげて信じさせた上で名簿を入手しようとしたもの。(2003年10月)
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「○○配送の△ですが、名古屋の●●社というところから、小学校の児童宛にディズニーのファンシーグッズセットが代金着払いでの配達依頼が200件以上あるので確認を取っています。もし依頼されていなければ止めます。
他の家にも確認を取りたいので知り合いの児童の名前と電話番号を教えてください」(2002年)
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「こちらはNTTです。いたずら電話防止用のシステムを案内したいのですが、クラスの児童の電話番号を教えてもらえますか」(2001年)
- 「JR○○駅ですが、落し物の連絡をしたいので同級生の住所を教えてほしい」(男性の声、2001年)
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「○○駅の遺失物係です。財布を落とされた人を捜しているのですが、連絡先がはっきりとわからないので名簿の名前と電話番号を教えてください」(男性の声、2001年)
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「個人情報保護のために、連絡網をなくそうということになり、これから警察と話し合うので資料が必要です。クラスの人の名前と電話番号を教えてもらえますか?」(2000年)
暴力団や先輩と名乗って脅すもの
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「キミは今度うちの学校に入学するらしいけど、今俺らの学校のサッカー部が人数が足りないんだよね~。そこでさ~頼み��とがあるんだけど。俺もやりたくないんだけど、先輩から「5人入部する子を探して来い!」って言われてさぁ~。連れてこないと木刀で叩かれるから入部しない?」
(大抵の子は話の中にある『木刀で叩かれる』と言うセリフに対して危険を感じ、×と答えると)「入部しないんなら入学早々いじめるからなっ!いいか~!それが嫌なら自分の知り合いを紹介しろ!」⇒次は「○○君から紹介されて電話してるんだけど」と同じ内容を繰り返す。
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「近くで車を傷つけられた。土曜日の午前中に中学生が何人かでやったらしい。兄弟はいるか?弁償しろ。他の子の名簿あるやろ。電話番号と住所を教えろ!若い衆をやらせる。よその家では、母親が泣きを入れて謝った」(男性の声 2004年)
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「俺はやくざのもんや。3~4回ベンツにキズをつけられた。何回もやられて親分が怒ってる。犯人を捜してボコボコにしたいけど、犯人がお前だと言ってる者が近所に3~4人ほどいる。
犯人はお前か?(「ちがう!」と答えると)それなら、いろんな人に聞きたいからクラスの名簿を教えろ!」(男性の声、2003年)
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「暴力団の○○やけど、こわがらんといて。実はベンツに10円玉でキズをつけられたんやけど、それをしたのは5年生くらいの人と聞いた。君はしてないやろな。その人の調査をしてるので5年生の名簿を教えてほしい。このことは先生には言わんといてな」(男性の声、2001年)
「子どもを誘拐した」と話すもの
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振り込め詐欺の「子ども誘拐版」です。「子どもを誘拐した!」と児童や生徒の家庭に電話があり、現金の振込みを要求されます(金額は100~300万)。(2005年)
※母親が金融機関を訪れ振り込もうとしていたところ、金融機関の職員が事情を察知し未然に防いだケースもあります。
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子どもの泣き声のあとに、子どもの実名をあげて「子どもを誘拐した」や「子どもを誘拐した。外国に売る。」「学校から子どもを誘拐した。人身売買する」などの脅迫が続く。身代金を要求するケースもあります。(男性の声 2005年)
※2005年になってから増えている不審電話です。現在のところ子どもが学校に在校する時間(午前11時、午後1時など)にかかっているので「学校に確認します」との対応で電話は切れています。
お金を払って名簿を買い取るもの
- 学校周辺を車で走り、高学年の子どもに「3000円あげるので、連絡網の紙をコピさせてくれる?」
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