毎年夏休みになると、親子で悩む宿題の1つが「読書感想文」!
つきぐまもそうでしたが、つきぐまJrも毎年悩んでました。(「書けない…」と泣いてる年もありました^_^;)
そこで、とりあえず宿題として学校に提出するための「読書感想文」の書き方を考えてみました。
夏休みの宿題の定番といえば「読書感想文」。どの本屋の子どもコーナーには「課題図書」と呼ばれる図書がずら~と並べられますね。でもこの「読書感想文」、書くのがとっても苦手な子が多いものですね。
(つきぐまなんぞはどうしても規定の量を書けなくて、しょ~がないから本の最後にある「解説」をテキトーに書き換えて提出したこともありました(^^ゞ。)
丸谷才一氏によれば「読書感想文は「一種の書評・文芸評論」」といわれるものらしく、作家のような本業の人でもなかなか難しいものなんだそうです。なので、子どもにはちょっと荷が重過ぎるのも事実なのです。
でも、夏休みの宿題として出されたものはとにかく提出しなきゃいけない。というわけで「とりあえず提出する読書感想文の書き方」を考えてみました。
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夏休みに学校から宿題として出される読書感想文は、たいてい新聞社なんかが募集している「読書感想文コンクール」への応募作品になります。全国大会もの(全国で募集してるやつ)はまず学校で予選を行い、選ばれたものが都道府県の大会へ、そこで勝ち残ったものが全国大会へと進むようです。いわば読書感想文の甲子園みたいなものですね。
自由に書く読書感想文なら枚数も用紙も自由でいいのですが、応募作品は字数や用紙が決められています。書く前にきちんとチェックしておきましょう。
課題は、「課題図書」といって主催者が選んだ本の中から選ぶコースと、「自由図書」といってど~んな本でもいいよ(といってもコミックなどは×)というコースがあります。
(例)青少年読書感想文コンクール
(主催:毎日新聞社など)
応募対象図書
字数について
用紙・応募作品について
作品提出の方法
応募票に必要事項を記入の上、作品の一番上に添付して右肩をとじて、学校に提出します。
応募票に記入する内容
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「作文が書けない…(涙)」という場合、書いたり消したりを繰り返すだけで3時間かかっても1行も書けてない…なんてこともしばしば。算数や漢字ならテキトーでも書いておけば、答えが間違っていたとしても形だけは「やった」に見えるから気がラクだけど、作文は書けなきゃ白紙になってしまう。
そこで「とりあえず提出しなきゃいけない!」と切羽詰まった状態のお子ちゃまのために、「とにかく提出できればいい!」程度の感想文の書き方を考えてみました。
もちろん『読書感想文の書き方』という本もたくさん出版されてますので、どういったものもぜひ参考にしてください。素人の書いたホムペのページよりそっちのほうが専門的でいいです。
コンクールで入賞を狙うぞ!というなら、ひねりのはいった構成や豊富なボキャブラリーに体験談、あとは出だしのインパクトが必要。そういう場合は推敲に推敲を重ねて書くんだろうな~というような結構立派な作品というか文章が多いです。(※文中の例文はつきぐまやつきぐまJrが書いたものです。)
導入部
「私はこの夏休み、○○という本を読みました。」で始めることが多いけど、この出だしだと、次はいきなり中間部の「ここが感動した~!」と話になって字数を埋めるのに苦労するかも。
「○○という本を読みました」で始めたいなら、「どうしてこの本を読むことになったのか」や「どうしてこの本を選んだのか」で書くほうが書きやすいかも。(150字くらい)
本を選んだ理由は、こんな動機でOK!
(例1)
この前ビデオを借りに行ったら、入り口に課題図書というのがいっぱい積んであって、表紙がきれいそうだったので買ってみた。(60字。←これだけで3行も埋まる!かな書きならもっと字数が稼げる!)
(例2)
夏休みになってお母さんといっしょに本屋さんに行ったら、お母さんが「この本、お母さんが子どもの頃読んでおもしろかったよ。」と言ってたので、読んでみようかなと思った。(84字)
(例1)『きかんしゃやえもん』
やえもんくんはきかんしゃです。それも日本に2だいか3だいくらいしかない、すごくめずらしいきかんしゃです。
(例2)『かわいそうなぞう』
むかし、日本でせんそうがあったとき、ぞうのジョンもトンキーもワンリーもみんなころされてしまいました。ばくだんがおちて、どうぶつえんのオリがこわれたらこまるからです。
中間部
まだ本を読んでいない人にもわかるように書くことと、どこがどうしておもしろいと思ったかを書きます。「こんなところがおもしろい」「こんなことあったらいいな」「こんなふうにすれば(なれば)よかったのに」いう感じで書ければOK。
行数が埋まらないときは、2番目によかったところ、3番目と増やしていく。
主人公や登場人物と同じような体験をしたことがあるなら、エピソードとして挿入しておくと、いい作品になります。ただしこの部分ばかりになると、これは読書感想文ではなくて生活文という分類になってしまうので注意。
(例1)『きかんしゃやえもん』
やえもんはおこって火のこをとばしました。たいへんなことになったと思いました。やえもんはてつくずにするといわれました。わたしはえんとつにバケツかなにかをかぶせて火がでないようにすればいいと思いました。
(例2)『そらいろのたね』
ゆうじくんはそらいろのたねをうえると、いえがはえてきました。とってもおもしろいなと思いました。そんなたねをわたしは見たことがないので、またさがしたいです。もしそんなたねをうっているところを知ってる人がいれば、おしえてほしいと思いました。
完結部
「私も主人公の○○のようにがんばりたいです。」になることが多いけど、具体的に何をどう頑張るのかを書こう。例えば「今日から○○を始めよう。」とか「今度、本のシーンのようなことがあれば、自分はこうしようと思う」など。
なかなか「こうしたい」がなければ、いわゆる宣伝するつもり、たとえば「こんなにおも しろい本だったからオススメだよ~。ぜひ読んでみて!」って感じでしめてもいいかも。 (200字~)
(例)『花さき山』
花さき山を村の人は信じなかったけれど、私は花さき山はみんなの心の中にあると思います。わたしも、これからあやちゃんみたいに、いいことをいっぱいして花さき山に私の花を、赤い花やピンクの花や黄色い花をいっぱいさかせたいと思います。
(例)『車のいろは空のいろ』
松井さんのタクシーは空の色です。そういうタクシーをわたしはみたことがありません。一ど松井さんのタクシーに乗ってみたいと思いました。みなさんも松井さんのタクシーに乗せてもらったら楽しいと思います。
完結部(ちょっと大きい子向け)
つきぐまとしては最後のシメに「作者が言いたかったことはこういうことではないか?」を想像して書くのもいいのではないかと思っています。
作家さんは、わざわざ「本(作品)を書いた」ということは、きっと「これを伝えたい!」 「こんなことを言いたい」という強い思い(動機)があったはずです。
例えば
とかです。何か気付いたことがあれば「作者はきっと○○と言いたかったのだと思います」と書いてみましょう。もちろんそこで終わりにしないで、それについて自分はどう思うのか・どう考えるのかまで書ければ立派な感想文になりますよ。
《こんなところに気をつけよう》
親が手伝うと言葉や内容が大人っぽくなりがち。あくまで子どもの作品だということをお忘れなく。
人間の内面や心の葛藤などは高学年からでOK。小さいうちはそんなに心の機微はわからない。
親の手伝いが多いと、子どもは「自分の作品じゃない…」と達成感が少ないうえに、「代表に選ばれたらどうしよう~。」とドキドキすることに。
マス目を稼ぐためにやたらと句読点をつける子も多いけど、大目にみてあげよう。ただし文節単位で読点をいれるのはNG。改行だらけも詩じゃないから×。
子どもが一人で書けばなんとなく「幼い」文章が多いけど、それでもよし!と褒めてあげよう。とりあえず提出できれば先生も花◎をつけてくれる。
課題図書で提出すると比べられやすい。おのずと先生の点数も辛くなるみたいだって。
どうしてもどうしてもどうしても書けない…という場合、あの400字の原稿用紙そのものもプレッシャーに。60文字(3行)ぐらいずつ切り離して短冊状にして、「書かなきゃ」のプレッシャーを下げてあげるのもいいと思いました。(←これぐらいなら何とかなる!と思えるところまで、ハードルは下げるべし。)
《こんなことができれば◎》
感想文はあらすじじゃない。本を読んで、空想したことを書けばOK。
いきなり長い文章を書くのは至難のワザ。まず感じたこと、思ったことを単語で書きだしてみよう。最初は「おもしろかった」「悲しかった」などの言葉だけでOK。そこから「どんなところが?」「何が?」「なんで?」「自分ならどうする」などの根拠をポツポツと1文ずつ書き出して、最後に接続詞などを使って文章に組み立てれば結構ちゃんとしたものになります。
長い文章は短い文の集まり!って考えるととってもラク。
自分の体験と本の内容が結びつけばそこそこの内容になります。字数だって稼げる!
《これだけは厳禁!》
なかなか筆が進まないと、ママはすぐに「何でもいいから書きなよ~」って怒鳴るけど、 これは拷問のセリフ。その「何でも」がわからないから困ってるんだってば(笑)。
質問は「主人公の○○は、好き?キライ?」などと具体的な事例をあげて聞いてあげよう。(「何でもいいから」といわれて、子どもがあらすじ書いてたら「これは、あらすじで しょうが!感想文を書くんだってば!」って怒鳴るハズですから。)
一度コンクールで入選してしまった子は、やはりプレッシャーがあるもの。(うまく書かないと「前回は手伝ってもらったにちがいない」と思われるのではないか?と悩んでます。)「次もがんばってね☆」などという励ましは禁句。
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読書感想文があるから、本を読むのがキライになる!」とまでは思いませんけど、でも読書感想文が子どもたちにとって重荷であることには間違いない!だって…本を読んで心にズシ~ンときて、「これまでの生き方や考え方が転換する」ような経験って、10年そこら生きてるくらいで経験するハズがないんじゃないかな~。
ちなみに私がほんとにほんと心にズシ~ンときたのは「風の谷のナウシカ」(それもビデオ)。でもつい数年前のことです。これは、生まれて初めて「感想文」にしたい!と思いましたよ(書いてないけど…)。ほんとにいいものと出会えたときって、人間、誰かに訴えたくなるもんですよ、絶対!
だから、書けないで困ってる子どもさんのこと、ママは責めないであげてほしいです。
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