毛根地獄
legend of MOTAL KOMBAT


主人公(?)・ライデン様

18禁(笑)

モータルコンバット・・・・・・。

わかる人にはわかるこのゲームは、一般的に言う格ゲーである。破壊と暴力、そして虐殺が渦巻く世界は、およそ日本人には理解しがたいが、メリケンキッズには大人気のゲームである。映画化までされているのだから間違いない。

また、それほどの大人気ゲームだから、当然シリーズ化もされている。このページで扱う内容は、特に第何作目と限定したものではないが、個人的に一番接点の多かった2の話題が中心になっている。

 

ストーリー

なんか人類の危機が迫っているらしい。詳しい経緯は忘れたが、「殺戮の宴」なるいかにも恐ろしげなイベントが催されることになった。そして、そこに腕に覚えのある格闘家や、インチキ臭い忍者、そして明らかに人間じゃないモノとかいろいろ集まってきて、凄惨な殺し合いを繰り広げることになった。

まず最初に断っておきたいのは、このページのタイトル。KOMBATじゃなくてCOMBATだろう、という指摘が聞こえてきそうだが、このゲームはなぜかCをKで代用するのだ。KOMBO、KONTINUEと言う具合に。すでにこのあたりから理解しがたい。

このゲーム、いわゆる「洋ゲー」である。洋ゲーというと、多少ゲームに詳しい人ならゲームシステムは大味で、妙なところでディティールにこだわったゲームと言う印象を持つかもしれない。本作はまさにその好例だ。

ちなみに、日本での発売に当たり「殺戮の宴」と言う訳語を考え出した人に拍手を送りたい。豊かな詩情を醸し出しながら、このゲームの内容を余すところ無く伝えている。まさしく「言い得て妙」の世界だ。それともただの直訳なのだろうか。

このゲーム、色物キャラが目白押しである。まず、いかにもアメリカ側から見た歪曲された日本文化の象徴って感じの、やけにサイバーな感じの胡散臭い忍者がいる。しかも複数。はっきり言って、どこがどう違うのかの区別は付かない。

さらに某斬鉄、もしくは鵜堂刃○風の目が光る男。彼は「シャニシャニキャー」(「サイババカー」とも聞こえる)という謎の奇声を発しながら元気にサイコクラッシャーをかましてくれる。さすがスト2,異国のゲームにも影響を与えているようだ。

この辺はまだ、少なくとも外見が人であるだけましである。下半身馬だとか、手がいっぱいとか、他には見た目はふつうだが中身はトカゲが数体紛れ込んでいる。おもにボスに連なる連中だが、最大の問題は奴らの名前だ。ゴロー、だとかキンタローとか、なんか間違っているのである。坂田の金時さんに対する侮辱のようにもとれる。

このようなキワモノたちが、実写取り込みのリアルな映像で大暴れするのだ。なかには、特殊メイクなどのSFXを駆使して取り込まれた俳優さん?もいるのではないかと思われる。小生はそんなことするならCGで描いた方が無難な気もするのである。そして、実写取り込みの宿命か、映像はきれいなのに動きはとにかく不自然でカクカクしている。メリケンのゲームはなぜか実写にこだわるようだ。摩訶不思議。

さて、実際にプレイしてみると、制作スタッフが適当に思いつきで作り、ろくにテストプレイもせずに市場に流通させたのではないかと疑いたくなるほどすさまじいゲーム性である。唯一の救いは、明確なバグが出ていないことである。少なくともバグチェックぐらいは行われたようだ。

格闘ゲームにおいて重要なのはゲームバランスである。極端に強いキャラ、弱いキャラが分かれるのはあまり好ましくない。ところが、モータルに関しては、そんなちまちましたバランス調整など鼻で笑い飛ばしてしまうほどドラスティックなキャラが登場している。必殺技が一つしかない、ジャンプできないなどの重大なハンデを背負ったキャラが何食わぬ顔してプレイヤーキャラの中にいるのだ。さすが、アメリカ人はおおらかなようである。日本人のせこせこした島国根性のようなモノは、微塵も感じさせない。

そのくせCPU戦は異常にムズイ。制作者サイドに、絶対ユーザーがクリアできないようしよう、と言う意図があるとしか思えないほどである。あるいは、これこそがバグなのかもしれない。

ある程度ゲームに慣れてくるといくつか気になることが出てくるだろう。

“FINISH HIM”

相手の体力が0になったとき、このようなメッセージが表示されるはずだ。勝負がついたのだからFINISHだろう、と思った人、それは間違いである。この先がモータルコンバットの真骨頂であり、これを見ずしてモータルを語るなかれ、と言うほど重要なものだ。極論すれば、この先こそがモータルコンバットそのものである。ここに至るまでの過程は単なるク○ゲー、もとい、ちょっとドラスティックな感じのするゲームにすぎない・・・・・・・。

最初、このメッセージが表示されると、多くの人はふつうに相手に近づいて、虫の息の相手を小突いて終わるだろう。

それではだめだ。ちょっと難しいコマンドを入力すると、事態は思わぬ方向へ向かう。それが「究極神拳」だ。

究極神拳・・・・・・。某天草降臨の断末奥義に近い。結局、相手の人生の幕を派手に引くための技なのだ。最初っから使えば手っ取り早いじゃん、とか思ったりもするのだがそうも行かないようだ。そう言う意味ではウ○トラマンで言うところのスペ○ウム光線に通ずるものがある。さらに言うならば、戦隊物のヒーローが怪人クラスの敵にとどめを刺すためにのみ使用する重火器系の武器と同じような物だ。

吹き出す鮮血、飛び散る肉片、そして響き渡る断末魔の叫び。モータル界において敗者を待つのは残酷な死である。首をすっ飛ばされるのは当たり前、一瞬で冷凍された後に粉々に砕かれたり、獣と化して相手をむさぼり食ったり、右半身と左半身を両断されたりもする。ご丁寧に、切断面から見える内臓のグラフィックなどは、ゲーム内容に反比例するかのようにかなり手が込んでいる。

もうおわかりであろう。このゲームは、残虐シーンに最大の重きが置かれている。究極神拳の他にも、ステージ内の調度品関係を使った凝った殺し方も用意されている。ピラニアの水槽の中に突き落として、魚の餌にしたり、とがった棒で串刺しにしたり、電車に轢かせたり。

(この辺は記憶が不確かです。もしかしたら間違っているかもしれません。あのゲーム内容は悪夢に近かったので記憶の混乱があるかも)

まさに弱肉強食の世界。勝者は敗者に対する生殺与奪の権利をがっちり握っているのである。

ただ、このままではあまりにも残虐非道な内容に思えるので(実際、残虐非道以外の何物でもないが)フォローを。相手を赤ちゃんにしてしまう微笑ましい(?)技もあります。もっとも、この技でさえ、最初は赤ん坊にした相手をぐちゃぐちゃに踏み砕いたりする技なのではないかと邪推したが・・・。

たいていの人の反応は、露骨に嫌悪感を示すか、呆気にとられてただ笑うしかなくなるかのどちらかだろう。少なくとも、この虐殺シーンを心の底から喜び、屈託なく笑いながら眺めるような人とは友達になりたくない。

洒落にならないと思ったのは、少年犯罪が相次いだ時期に、ゲームや漫画の暴力シーンが問題になりニュースで取り上げられたときに、イメージ映像としてモータルの画面が使われていたことである。こりゃあ、悪影響をあたえん訳ないわい、って感じで。いかなる弁解も無駄だね、こりゃ、って感じ。ただ、国内の良識あるゲームメーカーさんは、ここまで露骨な残酷シーンは作ってないはずだ。そう信じたい。

最後にもう一回念を押しておきたい。このゲーム、本国アメリカでは大人気だったようである。

恐るべしアメリカ。恐るべし狩猟民族。彼の国は深く病んでいるのかもしれない・・・・・・。

 

FINISH HIM. HOW TO KILL?


※このコンテンツは以前別サイトで公開していたものに微妙に手を加えたものです。