大名古屋ヂクショナリー
 
名古屋を愛し、名古屋を憎むすべての人に
「悪魔の辞典」的なものをめざしますよ。
BACK


【あ】

★あおなみ線
 名古屋駅と名古屋港・金城埠頭を、面積が広いために地下鉄だけではフォローできない中川区を通って結ぶ使命を帯びて敷設された路線。
 貨物線を旅客運送用に転用したもので、鉄道マニアと沿線在住者にはその値打ちがわかるかもしれないが、東海道本線以東の地域の住人にはいまいちなじみが薄い。

★赤い彗星
 『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する人。そこそこ強いはずなのだがスカッと敵に勝ったことがない。それでいてガノタからはこよなく愛されている。記録よりも記憶に残るタイプなのだろう。
 監督の当初の思惑ではガルマ謀殺後数週で死ぬ予定だったが、名古屋テレビの番組プロデューサーのお気に入りだったため生きのびたという。『富野由悠季全仕事』なる本にその記述があるというが未確認。
 息を永らえたことで後に冠映画まで作られた。

★アサヒドーカメラ
 名古屋においてさえきらりと光るほど独特のセンスを持ったCMを流し続けるカメラ店。「外資系」のビックカメラがライバルか。
 今を去ること十数年まえには、援助交際まがいのかなり際どいCMを流していたが、特に問題になった気配はない。集団窃盗をカミングダウトしてしまって批判をあびる某タレントとテレビ局が存在する2005年からは、隔世の感がある。

★安土桃山時代
 名古屋がもっとも輝いていた時代。


【う】

★ういろう
 もともとは小田原の名産。しかし、真空パックによる保存技術が名古屋で開発されたため、気がつけば名古屋名物になっている。
 名古屋には、「青柳ういろう」と「大須ういろ」の二大メーカーがあり、二社のCMも垂れ流し状態であるが、不思議なことに、街中にういろうがあふれかえっているわけではない。深く、静かに、ういろうは名古屋人の生活に浸透しているのだろうか。

★ウルフィー
 メ〜テレ社名変更時に現れたマスコットキャラクター。「羊の皮をかぶった狼」という、メ〜テレの社是(?)にちなんだ姿をしている。
 名前は一般公募で。その中にはやっぱり、「メーテル」という案もあったらしい。


【え】

★エビフライ
 タモリのネタの中にあった「エビフリャー」という似非名古屋弁で言うエビフライの印象が強烈だったために名古屋=エビフライのイメージが定着したものであって、基本的には名古屋名物ではない。
 しかし最近では、そのイメージを逆手にとってお土産商戦に反映する動きもある。

★NHK名古屋
 チャンネルは3。
 NHKの地方局は地域密着型の番組を制作しつつも、社風は全国的に統一されてしまっているような気がする。
 名古屋放送局が特徴的なのは、『中学生日記』を製作していることくらい。このドラマに登場する先生の名前は、名古屋の地下鉄の駅名だったりする。


【お】

★大いなる田舎
 詩情豊かに名古屋を飾る修飾詞の一つ。人口規模では国内第四位の都市でありながら、決して垢抜けない名古屋のことを「人の多い田舎」と評している。言い得て妙か。


【か】

★上飯田線
 名城線と接続する平安通駅と上飯田駅を結ぶ地下鉄路線。路線カラーはピンク。
 上飯田線に属する駅は、上述平安通-上飯田駅の2駅しか存在しない。他の地下鉄4路線を知ってる人間でも日常的に地下鉄を利用していないと、その存在にすら気付いていないことが多い。路線図中、ピンクというかなり目立つ色で表されるのも、必死で存在感をアピールする意図があると思われる。
 名鉄小牧線への乗り入れを行っているため、名古屋人よりは名古屋北部にある市町の住民に馴染み深い路線か。

★カレーうどん
 実は名古屋発でいつの頃からか全国区になったミクスチャー料理。
 うどんとそばのバリエーションはコンパチになっていることも珍しくないが、「カレーそば」なるメニューが名古屋発なのかどうかは定かではない。


【き】

★喫茶マウンテン
 喫茶店天国として知られる名古屋でも、明らかに異質なベクトルをもつことで知られる喫茶店。そのメニューは、「イチゴスパ」、「甘口バナナスパ」など、さしもの名古屋人も眉をひそめるようなラインナップ。スパとはスパゲティのこと。念のため。
 繁華街での営業でもないのに経営が成り立っている以上、コアなファンの支持に支えられているのだろうか。もちろん、普通のメニューもあるのだけれど。

★金鯱号
 「きんこごう」と読む。名古屋港付近を根城にして活動していた、しゃちほこの皮をかぶった遊覧船。名古屋人ならずともその独特のフォルムを記憶している人は多いかもしれない。
 数年前に引退し、今は上海で余生を過ごしているとのこと。私などは未だに現役だと思っていた。あまりに強烈なインパクトが生み出した残像を見ていたのだろうか。


【く】

★グランパスくん
 名古屋グランパスエイトのマスコットキャラクター。grampusはシャチのこと。「またシャチか」というところだが、名古屋城の屋根の上に乗っかっている鯱は、海で泳いでいるシャチとは別物である。
 Jリーグ発足当初、発表されたマスコットキャラクターの10体の中で、唯一彼だけが素っ裸だと気付いた時のやるせなさと言ったら…。


【こ】

★合理性
 名古屋人が究極的に志向するといわれているもの。外部からは一種異様に見える数々の名古屋文化も、すべては合理性の追求の結果…と解釈されることが多いが、果たして真実は?

★五摂家
 名古屋経済圏で絶大な影響力を誇る五つの地元企業、中部電力、東邦ガス、東海銀行、松坂屋、名鉄のこと。名古屋圏においては地元の世界企業であるトヨタですら抗う事のできない強大な権力。周知の通り、東海銀行は実質的に三和銀行に吸収される形でUFJ銀行となり、五摂家は四摂家になったが、だからといってトヨタが空席におさまれない現実が、名古屋の閉鎖性を語る場合に重宝されている。


【さ】

★桜通線
 名古屋駅の地下を通って中村区役所駅と野並駅を結ぶ地下鉄路線。路線カラーは赤。
 すでに飽和状態に達していた地下鉄東山線の旅客分散のために登場した後発路線と言って良いだろう。桜通りは地下に東山線が延びる広小路通りから一本北側にある大通りで、名古屋駅-今池駅間の二線は事実上の並走状態になっている。この区間こそ桜通線最大の存在意義であって、それ以外の部分は各区役所や瑞穂運動場など公共性の高い施設に横付けするような形でルーティングされているものの、そこはかとなく付け足し感が漂うのも事実。
 目だって乗客数が多いのはやはり名古屋-今池間である。それ以外の区間は時間帯を外すと閑散としていることが多いが、それでも鶴舞線ほどうら寂しい感じがしないのは、駅などのインフラが新しいためか。

★ザ・シーン城北
 住宅地ばかりで高層建築のない北区の、国道41号線矢田川縁にある超高層ビル。高さは180mほどある。
 存在感は抜群なのだが、近所の人以外には正体もろくに知られていない。しこうしてその実態は、高層マンション。市内には高層オフィスビルがほとんど存在しないため、セントラルタワーズについで名古屋第2位の高層ビルになるのではないか。

★3M
 丸栄、三越、松坂屋という在名百貨店三店舗のこと。
 JR高島屋が出来るまで名古屋の百貨店業界はこの三店舗の独占というか寡占状態(今だって3+1に過ぎないのだが)だったため、このような呼称が生まれた。


【し】

★JRセントラルタワーズ
 世界一高い駅ビルで、東京都庁よりも2m高い245mを誇る。構造上はツインビルと言うことになり、普通地元では「タワーズ」と省略される。
 ノッポビルだけあって、地元では展望スポットとして名高い。タダで登れる最上階は15階で、それより上はホテルになっている。真の最上階・パノラマハウスに入るためには、別途700円が必要になるため、金の無いカップルはこの15階か、レストラン街のある12・13階から名古屋の街並を眺めることになるが、この位置は大名古屋ビルのカブリツキである。偶然の産物か、名古屋人一流の諧謔かは定かではないが、視界に飛び込む悪夢の如き九文字(特に頭の1字とかお尻から3文字目のアレとか)だけは、断固として動かしがたい現実である。

★CBC
 新栄のテレビ局。TBS系列。チャンネルは5。マスコットキャラクターはしびしだぞう。
 深夜のローカルバラエティー番組で特徴付けられるか。吉本などの若手芸人を積極的に起用し、駆け出しだった頃のWコウジなどもこの枠に番組をもっていたが、それら芸人が全国区で売れるようになった後、昔売った恩が生かされているかどうかは定かではない。

★しびしだぞう
 CBCのマスコットキャラクター。お供にしびいぬを連れている。露出が少なめなため、やや影が薄い。知名度もかなり低いことが予想される。

★シャオロン
 中日ドラゴンズのマスコットキャラクター。あっさりしたタツノオトシゴのような外観を持つ。どこかエビフライを意識したように見えなくもない。ドアラと二頭体制でドラゴンズを応援する。
 「中日」だから中国語っぽい名前なのか。

★しゃちほこ
 名古屋城のは、もちろん金で出来たしゃちほこ。これは何処でもそうだが、オスとメスのつがい。十数年に一度くらいは地上に降りてきて見世物にされる。
 本来は火伏せの守り神で、もちろん金で作られている必要はないが、江戸時代には尾張徳川藩の財政が窮乏するたびにその身の一部を金塊に変え、物心両面で名古屋をサポートしてきたニクイやつである。初代は太平洋戦争の戦火に巻かれ金の塊に戻ってしまったが、二代目は未だに客寄せパンダに使われており、初代の遺志は確かに引き継がれているようだ。2005年愛知万博の便乗企画は、「新世紀・名古屋城博-よみがえる金シャチ伝説」。やっぱりしゃちほこ頼み。目指すは、World Wide Shachi。

★ジョークタウン
 余人には理解しがたい感性で彩られた名古屋の街を言い表す修飾詞。グローバル化が進む21世紀、海外の人に名古屋を説明する場合に重宝しそうな言葉である。


【す】

★スガキヤ
 ショッピングセンターのフードコートを定位置とする、チープさが身上のラーメン屋。もともと名古屋の企業だったためか、名古屋市内でスガキヤ単独で存在している店舗の数は、他の市町村に比べて有意に多いような気がする。
 「名古屋といえばスガキヤラーメン」とは、カップめんバージョンCMの言。スガキヤの名古屋市場における圧倒的な自信の程がうかがえる。


【せ】

★世界の山ちゃん
 ここ数年の間に名古屋市内で勢力を拡大してきた手羽先を売り物にする居酒屋チェーン店。
 このチェーンに共通の鳥の格好をした奇妙な男の看板が非常に目立ち、初見だと少なからず不信感を抱くのだが、その実態はごく普通の居酒屋。
 名古屋人に行き付けの手羽先居酒屋を問えば、「風来坊」派と「山ちゃん」派に大別されると思われる。


【た】

★大名古屋ビルヂング
 名古屋のランドマークとして、名古屋キッチュの顕現として、日本全国津々浦々にその名を轟かせる名物ビル。
 何をおいても「大」と「ヂ」の二文字が取り返しもつかないほどおびただしく名古屋感を漂わせているが、「Toppy.net」の主宰であるToppy氏の指摘によると、これは名古屋のセンスではなく、三菱地所のセンスなのだという(▼参照外部リンク)。そのためかどうか、地元民は専ら「大名古屋ビル」と呼ぶ。それでも「大」は残っているのだが、とりあえず「ヂング」が省略されるわけだ。
 「ヂング」。韓国語みたいな響きである。


【ち】

★地下
 名古屋の地下街は異様に発達している。「サカエチカ」、「名駅地下」ばかりが脚光をあびがちだが、伏見地下街も地味に規模が大きい。

★チューキョーくん
 そのものズバリの中京テレビマスコットキャラクター。姿かたちは名状しがたきもの。テレビ画面に現れるときは基本的に3DCG。スポットCMへの出演だけでなく、主演番組まである。

★中京テレビ
 八事のテレビ局。日テレ系。チャンネルは35。マスコットキャラクターはチューキョーくん。
 後発局(といってもテレビ愛知よりはかなり古いのだが)らしく郊外に社屋を構え、地域密着型の女性向け情報バラエティー番組の制作に力を入れている。しかし、おしゃれっぽいリトルトーキョー路線を志向していることは容易に見て取れ、名古屋イズムはあまり表出しないつくりの番組。通り一遍の名古屋情報の収集には役立つ。

★中日新聞
 地方紙ながら、愛知県の新聞市場は中日新聞の一人勝ち状態で、シェアは70%以上を誇る、報道姿勢云々より、その異常な量の折り込み広告が身上。キー局はそれぞれ毎日・産経系であるはずのCBCと東海テレビに対する影響力を有している。


【つ】

★鶴舞
 「つるま」と読むか、「つるまい」と読むか、それが問題だ。

★鶴舞線
 上小田井駅と赤池駅を結ぶ地下鉄路線。路線カラーは青。上小田井駅と赤池駅ではそれぞれ、名鉄犬山線、名鉄豊田線との相互乗り入れを実現しているため、名鉄の真っ赤な車両が地下道を走っていることも珍しくない。
 しかし名古屋市内では、意図的に名古屋都心の外縁をなぞるようなコース取りをしており、鶴舞の中央図書館や一部の大学キャンパスを除けば、沿線に特別な集客力のあるスポットが存在するわけでもない。そのためか利用客は少なめ、いまいち垢抜けないイメージを持たれてもいる。メジャー度で言えば、上飯田線以上桜通線未満といったところか。市民生活とのかかわりの深さは、名港線にハナ差で勝っている感じである。


【て】

★でら
 程度が甚だしい事を表す名古屋弁の形容詞。いわゆる「どえりゃあ」の約まったものだと思われる。何となく若者言葉のようなイメージがないでもないが、よほど年のいった人以外は「どえりゃあ」よりも「でら」を好む傾向がある。
 「すごく美人」を名古屋弁で言うと「でらべっぴん」となる。「なぜ名古屋弁?」と訝るのは、名古屋の青少年の通過儀礼のようなものである。ちなみにあちらの「デラ」の正体は「デラックス」のデラである。

★テレビ愛知
 大須のテレビ局。テレビ東京系列。チャンネルは25。
 開局20年余りと歴史は浅めで、キー局同様アニメに強い。この頃はテレ東発の今時のアニメをそのまま放送するパターンが主流だが、一昔前は午後六時半台に『デビルマン』や『ドロロンえん魔くん』といった当時の感覚でも古いアニメを流していた。現在20代〜30代前半あたりの名古屋人が有するレトロアニメに関する知識はテレビ愛知から得たものと思って間違いない。
 ちなみに、在名民放局の中にあってはテレビ愛知のみカバレッジが愛知県に限定されているのだが、実際にはおこぼれ電波が岐阜県・三重県のかなりの部分にまで届いているという。

★テレビ塔
 名古屋の中心部・栄は久屋大通の一角にある文字通りの電波塔。タワーズ完成以前は名古屋市内屈指の展望スポットだったのだが、今見るとビックリするほど低い。それもそのはず、塔高は180mしかなく、展望台があるのは地上90m部分なのである。
 展望室内部の雰囲気は70年代〜80年代を引きずっており、今となっては逆にそこが魅力だろう。

★天むす
 もともとは、さる天麩羅屋の女将さんが、忙しくて飯を食べる間もなかったご主人のため、ご飯とおかずをまとめて食べられるように、天麩羅を具におにぎりにしていたというまかない食。改良を重ねて商品化。
 名古屋の名物料理は、ルーツを探っていくとこんなのばっかである。


【と】

★ドアラ
 中日ドラゴンズのマスコットキャラクター。決してかわいくないし、「ドアラ」という語感もゴツイ。ドラゴンズとコアラを組み合わせた造語なのだろうが。

★東海テレビ
 栄のテレビ局。フジテレビ系列。チャンネルは1。マスコットキャラクターはヤッパくん。
 『ごきげんよう』終了後のいわゆる昼ドラ枠は、東海テレビの制作である。ドラマ制作に独特のノウハウを持っているようだが、いかんせん、独特はどこまで行っても独特で、特有のアクの強さがある。

★トーリーくん
 日本道路公団中部支社名古屋工事事務所のマスコットキャラクター。公式には名港トリトンにちなんだ名前とのこと。
 例によって例のごとく金のしゃちほこをイメージしたデザインだとされている。確かに体の色は金色で金属光沢も持っているのだが、凹凸の少ない流線型の体つきは、ハッキリ言って海生哺乳類のシャチそのものである。手塚治虫の「海のトリトン」で主人公・トリトンがイルカに乗っていたことが、トーリーくんのデザインに影響したような気がしてならない。


【な】

★名古屋城
 「尾張名古屋は城でもつ」と謳われるお城。加藤清正築城の尾張徳川家居城。天守閣は戦災で失われたので、創建当時のものは現存しないが、規模がデカイのだけは間違いない。今まで何だかんだと国内の100以上の城を見てきたが、物理的な大きさだけならその頂点に立つような気がする。
 天守閣の屋根の上に鎮座ましますのは、ご存知金のしゃちほこ。最上階は独特のセンスで満たされたお土産コーナーになっており、この城の頂点付近は名古屋キッチュの聖域とでも呼ぶべき空間になっている。

★ナゴヤドーム
 名古屋圏にある極めて大きな面積のものを表す場合に用いられる名古屋特有の単位。同様のものとして全国的には東京ドームが良く知られているが、大阪では大阪ドーム、福岡では福岡ドームというように、地方ごとにその単位が微妙に異なっている。円滑なコミュニケーションの実現のため、度量衡の早期統一が待たれる。

★名古屋ビル
 桜通りを挟んで大名古屋ビルヂングの向かい側に立つビル。なるほど、大名古屋ビルよりも一回り小さい。

★謎の旅人フー
 中部国際空港のマスコットキャラクター。「謎」を自称するだけあってわからないことが多いキャラクター。
 非常に簡略化された顔立ちのため、電ボに酷似する…というのは指摘してしまっていいものか。

★ナナちゃん
 名鉄名古屋駅前にあるデパート「名鉄セブン」の看板娘。どうも「ぬらっ」としたイメージがあるのだが、最近では「キモカワイイ」という便利な言葉もあるため、まがりなりにも彼女を「かわいい」と評することが出来るのかもしれない。
 スイス出身で三人姉妹の一人だったというが、これはソースにしていたサイトが閉鎖されてしまったようで、未確認。昭和48年4月28日生まれ。身長:610cm、体重:600kg、B:207cm、W:180cm、H:215cm。実物を見ると分かるのだが、背筋はかなり曲げているので、「身長:610cm」をどの程度信用して良いかは微妙。普段は一糸まとわぬ生まれたままの姿で仁王立ちしているが、イベントの時などにはそれにちなんだ服を着る。


【は】

★ハッチー
 名古屋市営地下鉄のマスコットキャラクター。露出度合いが微妙なため、地下鉄の利用者からも「シャッチー」と間違って覚えられていることが間々ある。
 誤解が生じる理由は明白で、頭部がしゃちほこ、胴体が地下鉄職員の服を着た人間というデザインなのである。この格好では普通に考えれば「シャッチー」の方が相応しいと言われても仕方がないのだが、○に八という名古屋市章にちなんで「ハッチー」となっている。
 良く考えると頭一つに胴体が二つあることになり、そこはかとなく怖い。


【ひ】

★東山線
 名古屋駅の地下および栄の街を通って高畑駅と藤が丘駅を結ぶ地下鉄路線。路線カラーは黄色。
 名古屋最古参の地下鉄であり、日本国内でも東京・大阪に次いで登場した由緒正しい路線。
 沿線の発達が先だったのか、地下鉄敷設が起爆剤となったものなのか今となっては定かではないが、名古屋駅以東の東山線沿線は市街地が発達しており、当然この路線の利用客数もかなりの数に上る。ラッシュ時の車内では、満員電車にありがちな地獄絵図が繰り広げられ、名古屋で唯一女性専用車両も設けられているほどである。
 名古屋駅よりも西側の区間は、もう一つメジャーになりきれないイメージがある。

★久屋大通り
 広さがご自慢の名古屋の道路の顔役的存在。100m道路。中央分離帯は、久屋大通公園という公園になっている。
 パリのシャンゼリゼ通りと姉妹提携を結んでいるが、久屋大通ゆかりのはずの久屋大通公園には、名古屋の姉妹都市であるロサンゼルスにちなみのモニュメントがあるばかりで、シャンゼリゼの香りはしないという、フランス人もビックリの状態。

★ひつまぶし
 もともとは皮の固い養殖鰻を少しでも食べやすくするため、ぶつ切りにして誤魔化していたに過ぎない物が、養殖鰻の質の向上もあってか、名物料理化していったもの。昨今の隆盛の影には、何者かの策謀の影すら感じる。

★美宝堂
 清水口で営業を続ける宝石店。東海三県で会長と孫(社長の息子)が共演するこの店のCMを知らない人間はまずいないと思われるほど、そのCMは印象深く、ある意味これほど成功したテレビコマーシャルというのも稀だと思われる。
 このCMが始まった頃、孫は年端も行かぬ幼子だった。この段階で終わっていればわが身一つの徒手空拳で会社を築き上げた(?)先代社長の道楽に近いコマーシャルに過ぎなかったはずだが、今では孫も声変わりが終わってしまっている。孫の反抗期、会長の健康など、このCMの今後が色々と気にかかるところ。


【ふ】

★藤前干潟
 名古屋港の一角に残された日本最大の渡り鳥飛来地。一時はゴミ埋立地となりそうだったが、すんでのところでこれを回避。2002年11月にラムサール条約登録地となった。一方、ゴミの捨て場所を失った名古屋市民は厳しいゴミ減量に取り組み、これが奏効して名古屋市のゴミ排出量は劇的に減少した。
 他所から名古屋に引越してくるとゴミ分別のうるささに辟易するが、これに従って分別を行うと、一見「ゴミ」として捨ててしまいそうなもののかなりの部分がリサイクル可能であることがわかる(実際にリサイクルが行われているかどうかは別として)。逆に分別が進んでいない他地域に行った時に、何でもかんでもゴミとして捨てる現実に空恐ろしさを感じるようになるほどだ。日本の今後のゴミ対策は、名古屋基準であっても良いと思うし、これぐらいは誉めてやりたい。


【み】

★三河
 「名古屋は名古屋県にあり、愛知県は四国にある」。
 名古屋以外の愛知県は影が薄い。特に愛知県の東半分・三河地方は、方言や文化習俗など、名古屋を含む尾張地方とはまったく別のものを持っているのに、静岡県西部在住以外の多くの県外人から名古屋と一緒くたのイメージで語られる。この扱いに対し、特に東三河在住者は強い抵抗感を覚える。他方、名古屋人からは「同じ県とは思えない」などと言われつつ空気のような扱いをされるのも事実であり、少なからず虐げられていると言える。このコンテンツの半分は、虐げられた三河人の迷妄で出来ている。
 なお、尾張:三河の人口比は7:3程度。実数で言うと、名古屋市民が200万人強、名古屋以外の尾張人が300万人弱、三河人も200万人強となる。

★みそカツ
 もともとは、客がソースの変わりに味噌ダレに串カツをつけて食べていたことにヒントを得たさるみそカツ屋の店主が、改良を重ねて開発したというメニュー。
 「矢場とん」が有名。余談だが私は、「この店のマスコットキャラクター(ブタ)が愛らしく、その仲間をカツにして食うのは気がさす」と常々主張しているのだが、未だ同調してくれる人には出会えない。

★みそ煮込みうどん
 慣れない人は生煮えだというが、基本的には固いものである。

★南セントレア市
そこに行けばどんな夢も かなうというよ
誰もみな行きたがるが 遥かな世界
その国の名はセントレア 何処かにあるユートピア
どうしたら行けるのだろう 教えて欲しい
In Centrair, Centrair They say it was in Aichi
Centrair, Centrair 愛の国 セントレア
(南セントレア国歌)
 美浜町+南知多町で南セントレア。心の中に生きる幻なのか。

★宮地佑紀生
 みやちゆきお。コテコテの名古屋弁を武器に、名古屋地区のお茶の間で(主に高年齢層から)絶大な支持を誇っている(らしい)地方タレント。正式な愛称は「みや〜ち」のはずだが、若年層には「宮地将軍」の方が通りが良いと思われる。かつて宮地氏が出演していた中京テレビ(日テレ系列)の番宣番組「電波将軍」での役名に由来している。
 東海ラジオの「聞いてみや〜ち」はともかく、同じく宮地氏がパーソナリティーを務めるメ〜テレ(テレ朝系列)の毎朝の情報番組『どですか』は、前掲三河地区の他、岐阜県や三重県でも放映されている。要するに名古屋弁に馴染みのない地区にも濃ゆい名古屋弁が放送されるわけで、当該地区の視聴者の中には、若干耳ざわりだとする意見もなくはない。若年名古屋人が見ていても「あれはやりすぎだ」と感じることがあるらしい。


【め】

★名駅
 「めいえき」と読む。名古屋駅のこと。単に駅の略称というだけに留まらず、名古屋駅近くの中村区の一部では正式な町名として採用されている。名古屋イズムに染まっている人ほど、この呼称を使いたがる傾向にある。
 ちなみに「メ〜テレ」に社名変更した旧「名古屋テレビ」が、「名テレ」の略称で呼び習わされていた事実はない。

★名港トリトン
 伊勢湾岸道路の名古屋港を跨ぐ区間には、名港西大橋、中央大橋、東大橋の3つの釣り橋がかかっている。橋脚部分はそれぞれ、赤白青のトリコロールに塗り分けられている。
 名称は一般公募。トリトンとはギリシャ神話に登場する半人半魚の海の王子の名前で、トリトンが持つ三又鉾を3つの橋に見立ててもいるのだろう。
 名古屋ベイエリアを代表する観光スポットであり、デートスポット。渡るよりも、埠頭側から見るものであろう。

★名城線(名港線)
 日本初の地下鉄環状運転を成し遂げた誇り高い路線。路線カラーは紫。
 環状線完成に伴い、それまで名城線の一部として扱われていた金山-名古屋港区間には「名港線」の名が与えられたが、実質的には名城線の支線のようなものだろう。
 環状線化直後には「日本初の地下鉄環状運転」が喧伝された。日本初の地下鉄環状線は東京の大江戸線だが、環状運転は名城線が初めてなので、鬼の首でもとったように、とにかくそこを強調していたのである。
 その路線は名古屋の南の玄関口である金山駅、都心地区の栄、愛知県庁や名古屋市役所、名古屋城・ナゴヤドーム・などのランドマーク、大学の密集する文教地区を結ぶ輪を描いており、実用性が高いのは確か。

★名四国道
 国道23号線・名古屋-四日市区間のこと。高速道路同然の規格を誇っている一方、ほぼ平行する形で走る1号線はこの区間では道幅が狭くなるため、名古屋から四日市に抜ける場合には専ら23号線が利用される。

★メ〜テレ
 東別院のテレビ局。テレ朝系。チャンネルは11。マスコットキャラクターはウルフィー。
 番組作りはチャレンジャブルでオフェンシブでアグレッシブ。いわゆる情報バラエティー系の番組である『どですか』、『WAYAYA丼』といったメ〜テレ制作の番組は、ローカル番組とは言え凶悪なまでに名古屋丸出しである。
 このメ〜テレスタイルの成功例は、古くは『機動戦士ガンダム』、最近では『ダムド・ファイル』などだが、実験的な番組の多さゆえに、ハズレに見えることも少なくない。


【も】

★盲導犬サーブ
 目の見えない主人をかばって左前足を失った盲導犬。その功績をたたえ、久屋大通公園にはサーブの像がある。
 もともとは名古屋駅前にあった像で、渋谷駅のハチ公像のような位置付けの像だったのだが、タワーズ他がくっついている現在の駅舎を造った時に、サーブ像は階段下の日陰に追いやられることになってしまった。十人が見れば九人までが首を傾げたくなるような冷遇振りだったため市に対する移設要請運動が起こり、現在の位置へと移転された。


【や】

★ヤッパくん
 「やっぱイチバン東海テレビ」のフレーズとともに現れた東海テレビのマスコットキャラクター。ストレッチマンをデフォルメ後にアク抜きし、小憎らしさを加えたような外見をしている。弟分はもっとくん。

★「やまもとや」
 「山本屋本店」と「山本屋総本家」。ともに名古屋市内で味噌煮込みうどんの店をチェーン展開する2系列の関係は、謎である。というより、似たような名前だがまったく関係がないらしい。


【よ】

★嫁入りトラック
 嫁入り道具を運搬する時に用いられるトラック。コンテナ部分に透明な窓がついていて、荷物の内容が外部から見えるようになっている。嫁入り道具の豪勢さをアピールするために生まれた、名古屋独特の仕様である。
 さすがに最近では絶滅危惧種になっている。


【わ】

★笑われてるんじゃない、笑わせてあげてるんだ
 普通は人から笑われることに慣れていない駆け出しの芸人が先輩芸人あたりから諭すように聞かされる言葉だが、名古屋の人にはこの言葉を支えに頑張ってもらいたい。


とりあえず戻る