祈りの言葉

心に恐れを抱かず (こうべ)を高く掲げ 胸を広く張り
深々と大気を呼吸しながら 心ゆくまで勉強することのできる所
垣根の中にまた垣根があり この世界がこま切れのように
せせこましく区切られていない所

言葉という言葉は 真理の深みから踊り出し
たゆまぬ努力はいつむ完成に向かって(かいな)を差し延べ
理性の澄み通った流れが古び朽ちたしきたりの
ひからびた砂の中にいつしか消えてゆくことのない所

そして あなたのおん導きによって 精神は先へ先へと進み
限りなく広がってゆく 理想と行為となって実を結ぶ所

どうかそんな天国に そんな自由の国に
父よ わたしの国が目覚めますように


      
タゴールの詩「ギータンジャリ」の中の一節
ネルー「父が子に語る世界歴史」訳大山聡[みすず書房]から)

ラビンドラナート・タゴール
 1861年5月7日 - 1941年8月7日。インドの詩人,思想家。


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