2001.7.17発売
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わんほい!

このすんばらしいカヴァーは、かの祖父江慎さんデザインによるもの。
使用したカワイイカワイイ絵は、武田先生が狂ったように(失礼!)
蒐集中の中華人民共和国ポスターです。

先生はしばらくまえから自称「ゲッターロボ」におなりになって
コレクションの深みにずぶずぶとハマってゆかれました。
数々の激戦を超えて、いまは「少年画王」になられたそうです。
武田先生のタマシイに幸いあれ!
そして読者のみなさんは、武田先生が集めなすった
中国図像世界をこころゆくまで眺め、
先生の「解きあかし」をじっくりとお読みください。

では、まずは武田先生の「口上」をば、
おききください。


お集まりのよいこのみなさん。
ゆきずりのわるいこのみなさん。
本日はまたご多のところ、「新千年図像晩会」に
ご参加くださり、ありがとうございます。
 
「新千年」すなわち新ミレニアムをことほいで、
旧ミレニアム最後の世紀の、
文字と絵のおりなす楽しげな中国世界を、この小さな宴会で
お楽しみいただこうという次第であります。

 
「図像」という二文字は、文字でもでも、
中国のかたがたが描いてきた、
目に見えるカタチあるもののことくらいにご理解くださいまし。

 
「晩会」というのは「夜のうたげ」のような
意味でありますが、
この二文字だけは、
「わんほい」と、
中国語ふうにお読みいただければ幸いであります。
別に
「ばんかい」でもよろしいのでありますが、
「わんほい」と声に出したほうが、
「わんッ」「ほいッ」と、
すくなくともわれら異人の耳には、
そこはかとなくにぎやかで愉快な感じがするのではないか、という、それだけの配慮なんであります。

その「晩会」が、けっして夜だけのものでないことについては、本文をお読みください。
いまが朝っぱらでも、まっぴるまでも、
きがねなく読んでいただいて、けっこうなんであります。
 では、とりあえず、カラーページあたりから、
のぞいてみてくださいまし。

武田雅哉

一九五八年、北海道に生まれる。北海道大学文学
部卒。現在、北海道大学文学部教授・中国文学。著書に、『翔べ! 大清帝国』(リブロポート)、『蒼頡たちの宴』(サントリー学芸賞受賞。筑摩書房。筑摩文庫)、『桃源郷の機械学』『清朝絵師呉友如の事件帖』(作品社)、『猪八戒の大冒険』(三省堂)、『星への筏』(角川春樹事務所)、『世紀末中国のかわら版』(中野美代子氏との共編著。福武ブックス。中公文庫)、『中国怪談集』(中野美代子氏との共編著。河出文庫)、訳書にラウファー『サイと一角獣』(博品社)、ラウファー他『スキタイの子羊』(尾形希和子氏との共訳。博品社)などがある。

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