| 2月19日、厚労省の専門部会がiPS細胞を用いた2つの再生医療製品を承認した。翌20日には、3月上旬には正式に新薬として承認される予定である、と上野厚労大臣が述べた。現在、国内ではiPS細胞の実用化に向けて、大学発のベンチャー企業を中心に活発に動き出しているが、これまで承認されたものはなく、初めての承認である。
承認される予定のiPS細胞を用いた2つの再生医療製品のうちの1つは、大阪大学発のスタートアップ企業クオリプス社が開発した心筋シートで、昨年4月8日に厚労省へ製造販売の申請がされていた。これは重い心不全の患者向けで、iPS細胞由来の製品としては初めての申請であった。データが少ないことから仮承認になる可能性が大きいとみられていたが、本承認されることになった。そのため十分に安全性の確認がなされていない承認といえそうだ。
もう1つは、京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授らのチームがiPS細胞から作り出した神経細胞で、臨床試験においてパーキンソン病の7人の患者に移植し、安全性と有効性を確認したと昨年4月16日付「ネイチャー」誌で発表した。これを受けて、この治療薬の製品化を進めてきた住友ファーマが、昨年8月5日に厚労省へ承認申請をした。これも功を焦る、急な承認といえそうだ。
承認後、薬価が決まり市場に登場することになる。現在、さまざまなiPS細胞製品が開発されており、この承認をきっかけに次々と登場する可能性が出てきた。承認を急いだことが新たな薬害につながらないか、懸念されるところである。
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