Very well, he said; then I will call him; and turning to the attendant, he said, Call Charmides, and tell him that I want him to come and see a physician about the illness of which he spoke to me the day before yesterday. Then again addressing me, he added: He has been complaining lately of having a headache when he rises in the morning: now why should you not make him believe that you know a cure for the headache?
Very well, he said; then I will call him;
「『結構です。じゃあ、私は彼を呼びましょう』と彼は言った」
and turning to the attendant, he said, Call Charmides,
turning to the attendant は〔分詞構文〕であろう。〔付帯状況〕か。「従者の方に向きを変えて『カルミデスを呼びなさい』と彼は言った」
and tell him that I want him to come and see a physician about the illness of which he spoke to me the day before yesterday.
ここは、従者に言った言葉の続き。
古代アテネでは、奴隷制度があった。the attendant は、クリチアス家の奴隷であろう。ただし、鞭を打ってこき使う奴隷を想像すると外れる。商売や農業などの実務から、子供の家庭教師に至るまで、奴隷の仕事は多岐に渡る。奴隷なしでは成り立たぬ家庭もたくさんあっただろう。彼らのおかげで、アテネの成人は、昼間から体育場や他人の邸宅に出入りし、人生や詩について語り合うことができたのだ。しかし、ポリス間の戦争で、敗れて捕虜となれば、自分も奴隷として他国に売り飛ばされる危険性をはらんでいたのである。
that節は、“want O to不定詞”となっている。
of which he ... は〔形容詞節〕。
He spoke of the illness to me the day before yesterday. か
He spoke to me of the illness the day before yesterday. の内容を表している。
「そして、彼に、こう言いなさい『主人クリチアスが、あなた様に来てもらいたいと申しております。そして、おととい主人にお話しになっていたご病気について、医者に見て貰うように』と」
Then again addressing me, he added:
addressing も〔分詞構文〕。やはり〔付帯状況〕。
「それから、再び私に向けてこう付け加えた」
He has been complaining lately of having a headache when he rises in the morning:
has been complaining は、〔現在完了進行形〕。動作の継続を表す。having は、complaining of の 前置詞の〔目的語〕となったための〔動名詞〕。lately が割り込んでいるので悩ましい。
「いつも不平ばかり言っている」という表現は、Grammar の教科書の進行形のところによく出てくる。
「彼は最近朝起きるとき、頭痛がするといつも文句ばかり言っています」
now why should you not make him believe that you know a cure for the headache?
“make O 原形不定詞”の〔使役〕の表現。
(使役動詞と原形不定詞についてはこちらのページで解説中)
that節は、believe の〔目的語〕の〔名詞節〕。a cure は「治療法」。
「今、どうしてあなたは、頭痛の治療法を知っていると、彼に思わせるようにしないのですか」
一種の〔反語〕表現か。「どうしてしないのか」→「すればいいじゃないか」→「してくださいよ」→「してくれますね」
クリチアス:分かりました。それでは彼を呼ぶとしましょう。
ナレーター(ソクラテス):そう言ってから、従者の方に向き直って次のように言った。
クリチアス:カルメニデスを呼びなさい。「ここに医者が来ているから、おととい言っていた病気を診てもらいに来なさい」と伝えなさい。
ナレーター(ソクラテス):それから、再び私に向けてこう言った。
クリチアス:彼はこのごろ、朝起きるときに頭痛がすると言っていたものですから。あなたは彼に頭痛の治し方を教えてくれますよね。