ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』は、上演に4夜かかる超大作オペラです。この作品のために、バイロイト祝祭劇場という専用の劇場まで造られています。
ゲルマン民族の間に言い伝えられてきた神話を題材にしたストーリーです。世界を支配する力が得られるというラインの黄金で作った指輪があり、それをめぐり、神々や人間、地下のニーベルング族が入り乱れての争奪戦を繰り広げます。
オペラにすると、十数時間の作品になりますが、ストーリーを書籍にしてみると、他の小説などと同じか、それよりも少ないページ数になります。英訳本が出ています。高校生ならば読めるような英文になっています。そこから冒頭の部分を紹介してみます。
英文
OPERA STORIES FROM WAGNER
THE RHINE-GOLD
THE HAPPY RHINE-DAUGHTERS
In the Rhine River there lived three beautiful maidens. They were called the Rhine-daughters.
They had long, golden hair, which floated upon the waves as they swam from rock to rock.
When their father went away, he left in their care a great lump of pure gold.
This gold was on the very top of the highest rock in the river.
Every morning the beautiful Rhine-daughters would dance and sing about their gold.
They sang a happy song:--
"Heigh-ho! hither, ye waters!
Waver and waft me to sleep on your breast!
Heigh-ho! hither, ye waters!
Weave me sweet dreams on your billowy crest!"
日本語訳
ワーグナーのオペラより
ラインの黄金
幸福なライン川の娘たち
ライン川には昔、3人の美しい乙女が住んでいた。彼女たちは「ラインの娘たち」と呼ばれていました。
彼女たちは長い金髪を持っていました。彼女たちが岩から岩に泳ぐたびに、その金髪は波にユラユラなびきました。
彼女たちの父親が、彼女たちのもとを去るとき、すばらしい純金のランプを彼女たちに預けていきました。
このランプは、その川の一番高い岩の、まさにそのてっぺんに置かれていました。
毎朝、その美しいラインの娘たちは、黄金の周りで踊ったり歌ったりしました。
彼女たちは、楽しい歌を歌いました。
ハイホー!こちらへ、さあ、水さん!
揺らめいて私を漂わせ、あなたの胸で眠らせて!
ハイホー!こちらへ、さあ、水さん!
あなたの大波の波頭で、私に甘い夢を見させて!
|
ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」~オーケストラル・ハイライツCD ショルティ指揮 ウィーンフィル ¥1620〜¥1800 ユニバーサル ミュージック クラシック
ワーグナー「ニーベルングの指輪」(全曲)DVD8枚 ¥21,000 EMIミュージック・ジャパン
|