はなみずき     第27号  1/17/98





 新年明けましておめでとうございます.今年も「はなみずき」をよろしくお願いいたします.先週は5〜10℃の異常な暖かさのせいで,まる1週間濃霧が続き,視界不良のため近隣の空港も閉鎖されました.今週はやっと0℃前後に戻り,雪もちらついてきました.
 小さな町のニュースとしては,1/7,日本の文部大臣が町の3つの中学校の一つ,イースタン・ミドルスクールを訪問されました.この中学は生徒の11%が日本人で,岳志の通うセントラル・ミドルスクール(日本人5%)と比べて,グリニッチで一番日本人が密集しています.町の日刊新聞によると訪問時の話題は日米中学比較だったそうです.クラスサイズがここでは1クラス20人と少ないこと,日本では教える内容が国で決められているがここのように地域で選べるようにしたいとのこと,コンピュータが530人の生徒に対して125台も普及しており,幼稚園から使用するのには感心したとのことでした.
 今回はグリニッチの学校・コミュニティの生活を豊かにしている日本人のボランティア活動について書きます.
 
 

かるみあ

 グリニッチに住む日本人全体をカバーするボランティア組織で,州花マウンテン・ローレルにちなんで「かるみあ」と名付けられました.1990年に有志の方々が,町から受けているESL等数々の恩恵に対し,学校でのボランティア以外に何かコミュニティに貢献をと考えて活動を始めました.公立14校の父母と全日制日本人学校の父母・職員が会員で,学校単位に連絡員を決め,その連絡網の完璧さはいつもアメリカ人の驚きの的です.年2回ニュースレターを発行.主な活動は,9月の「セプテンバー・フェスト」というユナイテッド・ウェイ(全米最大の募金団体)主催のお祭でバザーを出し,収益を寄付します.'95年にスペシャルオリンピックが近くのイエール大学で開催された時には,細川首相婦人団長の日本選手団がグリニッチに滞在し,この組織が中心になって多くの方々がボランティアとして参加しました.
 
 

セントラル・ミドル・スクール

 学校単位のボランティアは中学校より小学校の方がさかんなようです.珍しいのは,小学校で学期初めにある「ライス・チェック」(しらみの検査)で,子供全員の頭をみるので,たくさん人手が必要で,しらみが見つかるとなくなるまで毎週検査が続くそうです.
 セントラル・ミドルスクールは中学校としてはさかんにボランティア活動をしている方で,2年連続で4人の日本人の母親がPTA役員に名を連ねて健闘しています.11月に開くクラフト・フエアでは全体の半数以上の母親が協力して,100人以上の工芸家を招き,場代と,ケーキ類を焼いて売るベーク・セールで2日間で約400万円を稼ぎだして学校の財政を援助します.日本人が常時活動しているボランティアはメディアセンター。での図書の整理,ESLの補助,PTAニュースレターの発送などです.時々,私が窓口となって,日本人グループに特別のボランティアを頼まれることもあります.
 
 

ジャパン・オン・ウィールズ

 「ジャパン・オン・ウィールズ」というグループは日本人学校内にある教育文化交流センター・コーディネーターのキャッツ邦子さんを中心に多才な方々が集まり,毎木曜午前,近隣の老人ホームを訪問したり,年2回,4週シリーズの「日本文化紹介」プログラムで住人の方々を招いて,折り紙,習字,お花,お茶などを通して交流をはかっています.
 その他に日本人の方々がボランティアをしているのは,町立図書館,グリニッチ・ホスピタル,YWCA,園芸教育センター等です.皆さん楽しんで参加されているのは,結局はボランティアで提供する時間や労力よりも自分に返ってくるものの方が大きいからだと思います.
 
 

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